『レイナが島にやってきた!』読書感想文【2例文】

こちらでは
2018年「青少年読書感想文全国コンクール」小学校中学年(3年・4年)用の課題図書

『レイナが島にやってきた!』
あらすじ「着眼のポイント」「読書感想文の書き方の例文【2作品】をご紹介いたします。
 

『レイナが島にやってきた!』(理論社)
著者:長崎夏海・作 いちかわなつこ・絵 133ページ
本体価格:1,400円
商品番号:ISBN978-4-652-20233-3

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『レイナが島にやってきた!』あらすじ
『レイナが島にやってきた!』着眼ポイント
読書感想文【例文2作】

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『レイナが島にやってきた!』あらすじ

レイナは、付き合うのが難しいタイプの小学校4年生。

なぜそういうタイプに育ってしまったか・・・

親がなく、養護施設で育てられたレイナ。今は「林さん」の家の里子になったのだが、以前、別の里親の料理中に抱きつき、母は誤ってスープをかけてしまった。そのため母親は育てることに自信がなくなり、レイナをやむなく元の施設に返した。

レイナは、また何か失敗すると、今度も契約破棄され、施設に返される立場なのだと考えるようになり、「契約上の親子なのだ」とゆがんだ認識を持つようになってしまった。そのためレイナは家では「役に立つ子」に徹し、掃除などの家事を進んでおこなっている。

そんなレイナが都会を離れ、優愛の住む南の島に転向してきたことから話は始まる。

転校先の学校でのレイナは、人の話は聞かず、一方的に自分のしゃべりたいことだけハッキリ話す。学校に飽きると勝手に家に帰ってしまったりもする。そんな「コミュニケーションの苦手な子」としての行動が周囲の子供たちをいつも困惑させる子供でした。

しかし、島の子供たちの交流を通じ、レイナは徐々に周囲ととけあっていく・・

そんなお話です。
 

『レイナが島にやってきた!』着眼ポイント

次の「エピソード」「発言」に注目し、感想文に活かそう!

レイナのことを好きな1つ年下のみくちゃんが抱きつくと、突き飛ばし泣かせてしまう。

その際「あたし、最初にいったよね?体をさわられるのがきらいだって」と誰も聞いたことがない話をする。その後、レイナは本当に(原因不明の)熱が出てお腹もこわした。
※レイナには、以前お母さんに抱きつき、失敗してしまった過去がある

レイナ「夕焼けってさよならの色だね…今日一日のおわり。なんにでもおわりがあるんだよ」

この言葉は、親子関係は永遠のものではなく契約が切れるまでという認識でいるレイナにとって「自分の立場」を表しているかのような「さびしい響き」をもって聞こえてきます。

登校拒否をしている同級生の若菜ちゃんとは「おなじ匂いがする」と、仲良しに

同級生の優愛はレイナに、若菜ちゃんと仲良くなった理由を聞いてみると「朝、さとうきび畑の道でレイナが笑いかけたから、いっしょに海に行っておしゃべりした」して仲良くなったといい優愛はぎもんに思った。そしてガジュマルの木にのぼって歌うと気持ちいいと教えたのは若葉ちゃんでレイナが「若葉ちゃんはあたしとにたようなにおいがする…ここにいていいのかなぁって思っているにおい」と言われたという。優愛は二人がそういう事を考えていたと知り少しショックを受けた。

レイナは空想上の世界「風の国」を友達に話す

その風の国とは・・「風の国では病気もケガも全部なおって、おなかもすかない、お金の心配もない、毎日いい天気で緑も花も美しいの」「風の国しかない木が1本だけあって、銀色の葉をつけている木。とどかなかった言葉たちの木なの」「風の国の人びとは、水をやり、木をだきしめて、話しかける。すると言葉の葉っぱたちが軽やかに飛び立っていくことができる」

優愛は、若菜とレイナの三人で「夜のおわりを見に行こう」と誘った

若葉ちゃんが「レイナのお父さんとお母さんは風の国にいると思うよ…小さい時に死んじゃったとレイナがいってた」と施設にいた理由を聞いたら教えてくれたという。優愛は施設の話を聞いた若葉ちゃんにビックリすると「レイナが『なんで学校行かないの?』と聞いてきた」と言い更にびっくりした。

「だまってたら『答えたくないときは、いいたくないっていえばいいよ』とレイナは教えてくれた『きくのも自由。答えるのも自由』だって。だからあたしもきいてみた」と若葉ちゃんが言った。優愛はこれは正しいとかまちがいとかではなく、それぞれの考えだなと思った。
そして若葉ちゃんとレイナと夜のおわりを見に行こうと誘った。

優愛は朝の5時10分にお父さんとお母さんを起こさないようにおもてにでて若葉ちゃんの家についた。レイナも来ていて3人で海の見える崖にきた。ふと、海の音がやんで、虫の声もサトウキビのゆれる音もなくなり、時間もとまった。そしてとつぜん小鳥たちの声がしてうっすら明るい空にひゅんと流れ星が光った、夜のおわりだ。レイナはお母さんから「ほんとの子どもとおんなじ、ケイヤクなんていうな、むりに家の仕事するなとおこられた」と言い、この島にいられることを腰に手を当てて胸をはって言った。

学校が課題にする「読書感想文」は、読者の「あなた」が、その本からどのような「学び」を得たかを伝えるものです。

つまり・・

「読書感想文を書きなさい」=「どのような学びを得たかを書きなさい」

 
・・なのです。以上のエピソードや発言を感想文の中で取り上げ、以下の切り口で、話を広げるのはいかがでしょうか?


 

感想文の切り口(大人目線)

    小学生のお子さんに感想文の書き方をアドバイスする際は、以下の「学び」や「教訓」について話を広げるように伝えてみるのはいかがでしょうか?

    他人に気を遣わせることは、他人の時間や注意力を奪うこと
    「思いやり」や「配慮のあるつき合い方」を心がける
    人は「精神的な安定」や「心の固定化」を求める
    自分の「心の居場所」をみつけることの重要性
    自分が認識するセルフイメージ(自己像)や立場の認識の大切さ
    人間性は自身の存在に対する「理由づけ」で変化する
    人間は同じ立場であると感じる相手には心を開きやすい
    人は「心の傷」を思い出させるような他人の言動を拒否する
    人は失敗に対して無意識の世界で後悔したり体調不良などを発生させることもある
    人間は現実の辛さを想像力で補おうとする
    人は人から最も影響を受ける、人に最も影響を与えるのは人である
    人を変えるのは人からの言葉や扱われ方である
    「夜明け前が一番暗い」「夜のおわりは朝の始まり」

  
読書感想文の「構成」「話の広げ方」「表現方法」などは下記のページに書かれています。中高生向けですが、参考になる点も多いはずです。

【最重要ページ】読書感想文で「高得点」を得るためのポイントはこちらのページに書かれています!ダウンロードできる「そのまま使えるテンプレート」「構成のサンプル」もありますので是非活用してください。

読書感想文の書き方のコツ図解
(テンプレート付き)

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以下は、これらの教訓をベースにした「小学校3・4年生」風の「読書感想文の例」になります。

『レイナが島にやってきた!』読書感想文の書き方【例文2作品】

用紙・字数
小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
趣 旨
・より深く読書し、読書の感動を文章に表現することをとおして、豊かな人間性や考える力を育む。更に、自分の考えを正しい日本語で表現する力を養う。

 
※文字数は、漢字を「ひらがな」に変えた場合、ひらがなで書いた文字数になります。

『レイナが島にやってきた!』を読んで①

「優愛はなんて優しいこなんだ」これは私がこの本を読んで感じた印象です。この本では、都会から島に引っ越してきたレイナと周囲の子供たちとの出来事を、優愛が伝える形式で書かれた本でした。

この本の中で、転校生のレイナは、はじめはとてもワガママな女の子として描かれていました。例えば、他人の話はあまり聞かず、自分の言いたいことだけはっきり言う。また掃除をせずに家に帰ってしまう。ほかの友だちから話しかけられないように、音楽を聴いているのでもないのに、耳にイヤホンをかけている。またある日、一つ年下のみくちゃんが抱きつくと突き飛ばして泣かせてしまうということもありました。

こういうレイナでしたから、もし私がレイナのような女の子がクラスに転向してきたら、やはり第一印象として「苦手なタイプ」と思うに違いありません。

私はこの本を読んで「下手」には二つのタイプがあると気づきました。それは、一つは周りが応援したくなるような下手、もう一つは、周りから嫌われるような下手、この二つのタイプです。

応援したくなるような下手は、努力して直そうとしているのがこちらにも伝わるタイプで、嫌われる方は、自分が下手であることを分かっていないか、下手であることを隠そうとしているタイプです。

おそらくレイナは、自分が人づきあいが苦手なタイプなのだとは自分で気づいていなかったのかもしれません。また、他人が自分に対して困っていることにも気づいていないのだと思います。

しかし、そのようなレイナが、徐々に周りのお友達と仲良くなる様子がこの本には書かれていました。それは、自分と同じように人づきあいが苦手な若菜ちゃんの存在が大きかったと思います。似たもの同士だと思ったことで、徐々に自分の過去や家庭の事情のことを話し始めたため、若菜ちゃんを通じて優愛にもレイナの心境が伝わるようになり、レイナとの付き合い方が分かってきたからです。

本の途中までは、レイナの嫌なところばかりが伝わってきましたが、後半になるにつれ、私はレイナのことを心配するようになりまいた。それは、レイナの複雑な気持ちが分かってきたからです。

ある日レイナは「夕焼けってさよならの色だね…今日一日のおわり。なんにでもおわりがあるんだよ」と寂しい言葉をいいましたが、それはまるで、自分の置かれている立場が「期限のある契約上の親子関係」なのだという「心の不安」を表しているようでした。

この本では、ワガママなレイナとは対照的に、優愛は他人の気持ちを察する優しい女の子として描かれていました。おそらく、作者の長崎夏海さんは、この本を通じて、レイナのようなタイプがいた場合、何かしらの原因があることや、また周囲にそんな友達がいた場合は、優愛のように思いやる気持ちをもって接することが大切だということを伝えたかったのだと思います。私も優愛のような優しい気持ちで接することが尊いことだと感じました。(1199文字)

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『レイナが島にやってきた!』を読んで②

 
 
製作中です・・完成しだい掲載いたします。

 
 

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