『青いあいつがやってきた!?』読書感想文の書き方【例文】大特集

2020年の課題図書対策!
こちらでは「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「中学年」の部(3、4年生用)
『青いあいつがやってきた!?』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、子供が1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


『青いあいつがやってきた!? 』
松井ラフ (著), 大野八生 (イラスト)
出版社: 文研出版 (2019/8/30)
111ページ
定価:1,300円+税

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「青いあいつがやってきた!?」登場人物
「青いあいつがやってきた!?」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
書きやすい読書感想文の構成の例
「青いあいつがやってきた!?」読書感想文の例【3作品】
2020年課題図書(小学校中学年)全4冊紹介
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Sponsored Link

「青いあいつがやってきた!?」登場人物

【登場人物】
サトシ:引っ越のため転校してきたばかりの小学4年生
お父さん:新築したばかりなのに会社から転勤をさせられることに
お母さん:住宅ローンを返済するために病院で勤務することに
青いあいつ:サトシの前に現れたナゾの生物

 

 
【ネタバレ注意】
サトシのうちでは、両親が念願のマイホームを建てて2週間前に引っ越してきた。なのにお父さんは会社から転勤をさせられ、お母さんもサトシが生まれてからずっと家にいたのに、住宅ローンの返済のため土曜日も働く立場になる。そのため、サトシは一人で過ごすことが多くなった。転校したてのサトシは、転校先の学校で友達づくりが上手くできず、クラスのみんなからは「一人でいるのが好きな、おとなしい転校生」というイメージがついてしまう。

明日は一人で過ごす土曜日。夜空の流れ星を見つめた。「願いごとが叶うなんてあるわけないのに・・・」

朝、お母さんは病院に働きに行ったため、朝食のサンドイッチと、昼食用の500円玉とメモ、子供携帯がのこされていた。すると、どこからともなく、青い姿の変な生き物が、サトシの前に現れる。見た目はどう見てもカッパなので、サトシはカッパだと思いつつ話し相手になる。このカッパは、サトシへの「大きなミッション」のために来たといい、ことわるなら「すみか」まで送ってくれという。体のサイズを変えられるカッパは、小さくなってサトシの胸ポケットに入れられ、すみか探しに行くことになった。

昼食用の500円で、いつものコンビニ弁当を買おうとしたら、カッパに「いつも同じの食うなんて、つまんねー!」「ちょうせん、ちょうせん~」と言われ、ちがうコンビニに行き半額のモロヘイヤそばを買わされる。食べると意外とおいしかった。


「青いあいつがやってきた!?」本文より

カッパは自分が帰るときに人間の記憶を消していくという。「おまえはどうして、ひとりでいるんだ?」とカッパに聞かれ、いま友達がいない事を白状させられる。そんな寂しい気持ちのサトシに、タイミング悪く母さんから電話があり、就職先の病院で、夜、母さんの歓迎会をしてくれるとの内容。サトシの中で何かが切れた気がした。サトシはつい「ぼくの気持も知らないで!」と電話を切ってしまった。

カッパに「友達もいない、よそ者のおまえがひとりでいてもだれもなんとも思っちゃいない。誰も気にしやしない。やりたいことを、やりゃいいさ」と言われ 目が覚めた気がした。だれもぼくの事なんて、見てやしないからぼくは一人なんじゃないか。まわりの目なんか、気にする事なかったと思う。

母さんが帰ってからお祭りに行こうと考えていたサトシだったが、自分とカッパだけで携帯も置いたまま、貯金箱からお金をサイフに入れて、お祭りに出かけてしまう。

楽しいのにカッパが帰る事を知り、ガッカリしていると「おれさまがいなくても、さびしくないようにすればいいんだろ」と、みすかしたようなことを言われた。サトシはカッパに、どうやって友達を作ればいいのかわからなくて親にも相談できずひとりぼっちなのを白状した。

カッパは『天の川』からきた宇宙人だったのだ。カッパいわくプロジェクトの目的は「宇宙の平和」。心の平和が、社会の平和、世界の平和、宇宙の平和につながる、という。幸せな人間は、悪の心を持ちにくい・・・で、ひとりひとりの願いを叶えるのが、単純だけど効果的で流れ星への願いをキャッチして、その相手を観察・分析し、背中を押してやるくらいの手助けをして「願い達成」へとみちびくのがカッパのミッションだった。頭の皿は願い事受信機だそうだ。

サトシは流れ星に「友達が出来ますように」と願っていた。「でもそんなちっぽけな願いにわざわざ?」カッパは「願いごとに大小はなく、何を幸せと思うかは人それぞれ。子供の頃の小さな願いがかなわなかった心の傷が大人になってしでかす大犯罪の根っこにあったりするんだぜ」とむずかしい顔をした。「サトシはイイ奴だけど、慎重でクソ真面目だからあれこれ考えずまずやってみろ。」と言った。
 

     
    以下のような着眼点を参考に自身の考え方を述べてみるのはいかがでしょうか?

    カッパににた「青いあいつ」はどのような存在だったのか?本当にいたのか? また著者の松井ラフさんは、どのような目的で「青いあいつ」を本の中に登場させたのかなどを想像し感想文のポイントにするのもよいでしょう。

    土曜日の朝サトシが起きると、サンドイッチと500円玉、メモ、子ども携帯が置かれていましたが、その時のサトシの気持ちを想像し、どのように感じたかを中心に感想を述べるのも良いでしょう。(カッパに似た「青いあいつ」はその直後に登場した点に注目しましょう)

    「つくろうとしなくても友達がいたぼくには、友達のつくりかたがわからない」「とうさんにもかあさんにも、もちろん前の学校の友だちにも相談なんてできない。カッコ悪くて。」という悩みがサトシにはありました。このカッコ悪くて誰にも相談できない辛さについて、自分の似たような出来事を紹介しながら、そのような場合、今思えばどうすべきだったか、また、これからはどうすべきかなどを中心に感想文を書くのもよいでしょう。

    サトシは前の学校で転校をくりかえしていた川田くんに「最初が肝心なんだ。一度ついたイメージを変えるのは大変だから。」とアドバイスをされましたが、転校初日に黒板の前に立たされたサトシは、知らない顔ばかりの教室でどうしたらいいのか分からず、「うん」とか「ううん」しか言えず、やったことのないサッカーの誘いには、きっと下手だから恥ずかしいと断る。教室では本を読んでいるふりをして過ごすなど「一人でいるのが好きな、おとなしい転校生」というイメージがついてしまいました。このときのサトシの心境に触れて、自分の思い出などとからめて感想文を書くのもよいでしょう。(悪いイメージがついてしまうことを「レッテルを貼られる」ともいいます)

    カッパに「友達もいない、よそ者のおまえが一人でいても誰もなんとも思っちゃいない。誰も気にしやしない。やりたいことを、やりゃいいさ」と言われ 目が覚めた気がしたサトシですたが、その部分を読んだ時、どのように感じたかを中心に感想文をまとめるのもよいでしょう。(他人は自分が感じているほど自分に対して関心を抱いていない事実の発見)(人目を気にする自分は、自分への自意識過剰が原因)・・など

    前の学校では人気者でたくさんの友達がいたサトシでしたが、なぜ新しい学校では友達づくりがうまくいかなかったのかを中心に自分の意見を述べるのもよいでしょう。

    ※どこに行っても「自然体の自分」でいられることを目指すべきだだと感じたことを(子供の言葉で)感想文に書くのもよいでしょう。つまり、他人から思われたい理想の自分像と、実際の自分との間に開きがある場合、人間は「そのような人物として思われたい理想の自分」を表現することができない現実に向き合わされるわけです。その「理想と現実とのギャップ」が緊張として表現や対人関係のぎこちなさにつながる訳です。普通にしていることの大切さ、今の実力を自分自身がそのまま受け入れる事の覚悟などが大切ということ。自然体の自分でいられなかったサトシは、転校先で「一人でいるのが好きな、おとなしい転校生」というレッテルを貼られることになってしまいました。

    物語の前半で、昼食用にお弁当を買おうとしたサトシでしたが、カッパに「いつも同じの食うなんて、つまんねー!」「ちょうせん、ちょうせん~」と言われ、ちがうコンビニに行き半額のモロヘイヤそばを買わされましたが、カッパと一緒に食べたところ「意外に美味しかった」という話が書かれています。その点に注目し「この部分の話はサトシに対して新しいことにチャレンジすることの大切さ」を教えようとしたカッパからのメッセージが込められていたのではないか?・・・ということを感じた、という感想文を書くのもよいでしょう。

    ※転校した初日「どうすればいいのか」といろいろ躊躇(ちゅうちょ)したり、やったことのないサッカーの誘いを「きっと下手だから恥ずかしい」と決めつけて断る性格のサトシに「やってみたら意外にイケることもあるのだ」「やってみなければ分からないこともある」ということを伝えるための内容です。

    お祭りの翌日、公園にでかけると、クラスの吉川から「妹にデメキンありがとう」といわれたり「コーラの早飲みに出てるのも見てびっくりした」ともいわれ「うわ、見られてたんだ!」と驚く場面がありましたが、この部分を読んでどのように感じたかを感想文にまとめるのもよいでしょう。

    ※カッパに似た「青いあいつ」からは「友達もいない、よそ者のおまえがひとりでいてもだれもなんとも思っちゃいない。誰も気にしやしない。やりたいことを、やりゃいいさ」と言われたわけですが、一人だと思ってやりたいことをドンドンやったサトシの行動は、結局「見られていた」ということなので、その点についてどう感じたか。(自分が「よい」と思ったことなら積極的に行動すれば、いつか他人にも評価されるようになるということを著者は伝えたかったのではないか・・など)

    物語を読んで著者は何をつたえたかったかを2つ程度想像し「僕はこの本を読んで次のことの大切さを感じました」からかき出せば、そのことについて説明することで、1200字程度の感想文なら完成させるのは楽でしょう。

    例えば・・・「僕はこの本を読んで作者は「いつも普通でいることの大切さ」や「積極的にチャレンジしてみることの大切さ」を伝えようと、この本を書いたのだと感じました。」など。そして「この本の簡単な内容」→「場面を取り上げ解説①」「場面を取り上げ解説②」→「まとめ」・・・など。

    管理人の個人的着眼

    ・この本は働き方改革を促す一冊

    ・日本の会社は、庭つき一戸建てを手に入れた従業員に嫌がらせをする。

    ・夫への転勤命令ひとつで、専業主婦の夢もはかなく消える現在の日本。

    ・両親が共働きで、兄弟もない一人っ子は、妄想により遊ぶ相手を作りだす。

    ・親という依存の対象を失った子供の脳は、妄想により依存の対象を作りだす働きがある。妄想が健全な方向に進んだ場合は問題ないが、危険な方向に膨らんだ場合、犯罪者をうむ原因となる。カッパに似た「青いあいつ」の言葉にも「子供の頃の小さな願いがかなわなかった心の傷が大人になってしでかす大犯罪の根っこにあったりするんだぜ」という言葉があるが、これはこの本を子供と一緒に読む大人への忠告。

    ・親は子供が妄想で友達を作る危険なレベルにまでにいっていることを察しなければ、子供の人格形成にキズを残してしまうこともある。(昨年の課題図書「スタンリーとちいさな火星人」も同じテーマ。この手の児童心理系は今後の課題図書の定番ジャンルになるかも・・)

    ・職業選びは、子育ての環境選びにも通じる問題であり、大企業に勤める男性と結婚できたとしても、子育ての方で大失敗したのであればトータルでは失敗になる可能性もある。

    ・「あとがき」で、作品のベースとなったものは、著者が物語を書き始めたころの思い出だと語っています。そのころの著者は、夜空を眺めて「天の川になにか住んでいたら」と想像し、魚やカッパを連想したのだそうです。昔の妄想も、しっかり覚えておけば、いつか作品として発表できることもあるという事例ですが、読書感想文の課題図書として選ばれるなんてホント凄いことだと思います。かなり増刷されることになったでしょう!(笑)

    ・・・これらの中からいくつかを取り上げ「自分の考え」や「過去の思い出」などとからめて感想文をまとめてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

Sponsored Link

書きやすい感想文の構成の例(書き方の順序)

最後に、書きやすくまとめやすい標準的な読書感想文の構成例をご紹介いたします。感想文は構成を考え、順序だてて「説明するもの」だと思えば比較的楽に書けるものです。

「なぜこの本を選んだのかの説明」「なぜ、そう感じたのかの説明」「この本を読んで自分の考えにどのような変化があったのかの説明」・・・このように、各パートごとに理由やエピソードをまじえて「説明していくもの」と考えれば、それほど抵抗なく原稿が書けるはずです。

①なぜこの本を選んだのかの説明
②大まかな内容を手短かに説明
③特に気になった箇所やフレーズを紹介(1)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
④特に気になった箇所やフレーズを紹介(2)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
⑤著者がこの本を通じ伝えたかったことを想像し考えを書く
(伝記の場合はその人のどの点が立派だったのか)
⑥この本を読む前と読んだ後とでどのような考え方の変化があったか
 この本によって発見したことや反省させられた点など「本からの学び」を説明

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中学生・高校生向けですが、小学生を指導する方にも参考にしていただける内容です。

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

 

用紙・字数のルール その他の詳細

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

66回の応募のルールについての詳細はこちらページで発表されます。
「公募ガイド 青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

「青いあいつがやってきた!?」読書感想文の例文

以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直して文字数の調整を行ってください。

便利な文字数カウンター

「●●」を読んで①

以下、完成次第、掲載いたします。


 
 

「●●」を読んで②
 
 

「●●」を読んで③
 
 

 

『青いあいつがやってきた!? 』
松井ラフ (著), 大野八生 (イラスト)
出版社: 文研出版 (2019/8/30)
111ページ
定価:1,300円+税

自然体の自分を受け入れることの重要性
  積極的にチャレンジしてみることの重要性

 

2020年課題図書(小学校中学年)全4冊紹介

2020年の「小学校 中学年」課題図書全4冊の紹介ページ
読書感想文 課題図書2020(小学校 中学年)4冊

これまでの課題図書一覧
2020  2019  2018  2017  2016

関連記事と広告

 
サブコンテンツ