「ごめんねでてこい」読書感想文の書き方【例文つき】

2024年の課題図書対策!

こちらでは「第70回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『ごめんねでてこい』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


「ごめんねでてこい」
ささき みお (著, イラスト)
定価 ‏ : ‎ 1,320円
出版社 ‏ : ‎ 文研出版 (2023/7/7)
発売日 ‏ : ‎ 2023/7/7
単行本 ‏ : ‎ 80ページ


 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「ごめんねでてこい」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「ごめんねでてこい」あらすじ

今年の小学校低学年生(1・2年生)向けの4冊の中で、もっとも教育的な内容の本といえます。学校ではなかなか伝えにくい「挨拶」や「お礼」の考え方や、大人に注意された後の心の葛藤について、疑似体験的に学ぶことができる一冊です。本書は、また挨拶やお礼の重要性を「教える切っ掛け」としても用いることのできる良書です。
 

ネタばれ注意!

はなちゃんと、家の工事の間、少しいっしょに暮らすこととなった、大好きなおばあちゃん。

優しいおばあちゃんと過ごす時間はとても楽しいけれど、いつもと違う生活に、はなちゃんは、何だか、だんだんもやもやがたまってきてしまいます。

それは、おばあちゃんから、小さな注意をたびたび受けるようになったからです。

おばあちゃんは、決してはなちゃんのことが嫌いなのではありません。

大好きなはなちゃんだからこそ、悪いことには注意をして直させようとしているのです。

ある日、はなちゃんの家にお友達のゆうちゃんが遊びに来ます。ゆうちゃんはおばあちゃんから、おやつをもらって食べたり、はなちゃんと楽しい時間を過ごしました。

ゆうちゃんが帰ろうとすると、おばあちゃんは「ちょっとまって。お友達の家から帰るときは、おじゃましましたって言うんだよ。それに、おやつをもらったんだから、ごちそうさまも、言わなくっちゃね。挨拶って、大事なんだよ。」と。

目を丸くしたゆうちゃんは、小声でお礼の言葉を言い、帰っていきましたが、はなちゃんは心配になり、途中までついていきました。

すると、ゆうちゃんは「もうはなちゃんのおうちに、遊びに行けないかもしれない。おばあちゃんに怒られるんだもん」といって駆けていってしまいました。

家に帰ったはなちゃんは、おばあちゃんから、ゆうちゃんが来た時も、挨拶ができていなかったことや、大人がちゃんと教えていないことを指摘されます。

はなちゃんも、おばあちゃんの言うことが正しいことを理解できましたが、注意されたことで、ゆうちゃんが遊びに来づらくなってしまったことに、おばあちゃんに対して「ゆうちゃんのこと、なにもしらないくせに、おばあちゃんなんてきらい!」と言ってしまいます。

そのため、はなちゃんは、おばあちゃんと少し距離をおくようになってしまいました。

おばあちゃんが帰る日の前の日、おばあちゃんは、はなちゃんに「はなちゃん、ごめんね。おばあちゃん、はなちゃんに嫌な思いをさせちゃったね。」といいました。

はなちゃんは、心の中で「もおいいよ」と思いつつも、言葉には出せず、下を向いたままでした。

おばあちゃんが帰った後、しばらくすると、おばあちゃんの隣の家から、おばあちゃんが救急車で運ばれたと電話がありました。

お父さんやお母さんに、お見舞いにいこうと誘われても、はなちゃんは、いやなことを言ってしまったことを気にして「ゆうちゃんと約束があるから」とか「頭が痛い気がするから」とか理由をつけて、なかなかお見舞いに行こうとしません。また、おばあちゃんが病気になったのは、自分のせいかもしれないと、はなちゃんは思っていました。

しかし、お母さんから「おばあちゃんが病気になったのは、はなのせいじゃないよ」「いつも、はなの写真をみてうれしそうにしてるんだよ」と言われ、お見舞いに行く決心をします。

病院にお見舞いにいった はなちゃんでしたが、おばあちゃんは これまでのように、にこにこ笑ってくれません。

しかし、恐る恐る、はなちゃんが「おばあちゃん、わたしのこと分かる?」と言葉をかけると、おばあちゃんは、しばらくじっとはなちゃんを見つめてから、ゆっくりと言いました。「わたしの、だいじな まご。」

おばあちゃんは、覚えていてくれたのです。はなちゃんの胸に、おばあちゃんに かわいがってもらってきたこと、ずっと大事にされてきたことがあふれてきました。握った手にはぐっと力が入ります。

(今いわなきゃ。)喉から声が出て来ません。(でてこい、でてこい!)

「おばあちゃん・・・。おばあちゃん、きらいって言ってごめん。」・・とうとう、はなちゃんはおばあちゃんに思いを言うことができました。

おばあちゃんは、優しい目になって、ゆっくりとはなちゃんを抱き寄せました。

帰り際「また来るよ」といっても、おばあちゃんは「ダメ」「ダメダメ」といいます。はなちゃんと離れたくない思いが伝わってきたはなちゃんの目には涙が溢れます。

帰りみち、はなちゃんは思いました。今度は本を読んであげたいな。新しく学校で習った歌も歌ってあげよう。手紙も書こう。それから「おばあちゃん大好きだよ」って言うんだ。
 

※子供のころの心の葛藤を描いた名著としては、有島武郎の『一房の葡萄』があります。
「一房の葡萄」あらすじと読書感想文の例文【3作品】
 

「ごめんねでてこい」着眼点の例


 
数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。

遊びに来たゆうちゃんに、おばあちゃんは挨拶のことを注意しましたが、そのことで はなちゃんは「おばあちゃんなんて嫌い!」と言ってしまい、おばあちゃんと仲良くできにくい雰囲気になってしまいました。本当はあやまりたい はなちゃんですが、なかなかあやまることができないでいる間に、おばあちゃんは帰ってしまいました。正しいことを指摘したおばあちゃんの考え方や、はなちゃんが本当ならどうすべきだったかなど、思ったことを感想文に書いてみましょう。

自分にも、似たような経験があれば、ぜひそのことを感想文で紹介してみましょう。その時感じたことや、この本を読んでから考えが変わったことなども紹介してみましょう。

この本を読んで、心がグッときた場面を取り上げ、その理由を感想文に書いてみましょう。

はなちゃんは、おばあちゃんに上手にあやまることができましたが、その点を取り上げ、感じたことを感想文に書いてみましょう。

もし自分がおばあちゃんになったら、挨拶やお礼のできないお友達を連れてきた際、どのようにするのが一番良いと考えたでしょうか?それを理由とともに紹介する感想文もよいでしょう。

挨拶のできなかった ゆうちゃんでしたが、その後、親せきのおばちゃんのうちで、はなちゃんのおばあちゃんに言われたことを実践したところ、とても褒められたことが書かれていますが、その点を取り上げ、感じたことを感想文で取り上げるのもよいでしょう。

この本を読んだ後「他人からの注意」に対してどのような受け止め方をすべきかについて、考え方の変化があったかを中心に感想文にまとめるのもよいでしょう。

自分には、この本のような優しいおばあちゃんがいない場合、本のおばあちゃんのような、優しいおばあちゃんがいてくれたらどんなにありがたいかなど、その理由とともに感想文で紹介するのもユニークな視点です。
 

—–話の広げ方の例———————-

「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のエピソードを加える感想文もよいでしょう。家族の意見を加えることで、意外性のある感想文や高度な感想文に進展させることができます。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「友達を家に呼ぶときは、挨拶やお礼をちゃんとするように伝えておくことが、友達の印象をよくするためには重要なんだよ」といいました。それを聞いて、私は「なるほど」と思いました。なぜなら、友達のゆうちゃんは、親せきのおばちゃんの家で、はなちゃんのおばあちゃんに言われたとおりに挨拶して褒められたからです。・・・など。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「おばあちゃんが教えてくれた挨拶やお礼は社交辞令っていうんだけど、人と会ったときや別れるときは絶対思い出す必要があるマナーなんだよ」と教えてくれました。その後「こういう挨拶やお礼ができるか できないかで人間の評価が決まるから学校の勉強よりも大事なんだよ」ともいいました。・・・など。

例)お母さんもこの本を読んでくれましたが、お母さんは読んだ後「この本は大人に怒られた時、どうするのが一番いいかを考えさせられる物語でもあるんだよ」といいました。確かに、怒られる前に、大人に怒られた場合はどう返事をするのが一番いいのかを知っていれば、ゆうちゃんのように、はなちゃんの家にいきづらくはならなかっただろうと思ったからです。また、お母さんは「妙薬は口に苦しっていうことわざもあるんだよ」と教えてくれました。このことわざは、ためになる忠告ほど、受け入れにくいという内容だそうなので、ゆうちゃんが、おばあちゃんに怒られた後、はなちゃんの家にもう遊びにいけないかも、といっていましたが、その後、親せきのおばちゃんの家で、その通りにしたら褒められたので、当たっていると分かりました。・・・など。

例)この本の内容をお母さんに教えると、お母さんは「口は災いの元、っていうことわざがあるんだけど、はなちゃんはおばあちゃんに『おばあちゃんなんて、きらい!』っていっちゃったけど、そんなこと言わなければ、困ったことにはならなかったんだよ」といいました。

この本にもし「続き」があるなら、どんな内容が書いてあるといいなと思ったかを発表する感想文もよいでしょう。

「この本をきっかけにして、いろいろなことを本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになったとする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。

この本を読んで、物語や経験などを「伝えることの価値」「書き残すことの価値」について気づけたことを発表する感想文も素晴らしい着眼です。そして「自分も大人になったら物語や経験を本に書き残せるような大人になりたいなと思いました。」とするまとめ方も良いでしょう。

話の広げ方の一覧

・・・これらの中からいくつかを取り上げ、関連する「自分の思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。つまり・・・

この本を読んだ後「人として大切なことについて感じ取れた様子」や、「考え方の変化(成長)があった様子」、これらが文章から伝わってくる内容の感想文を書くことが特に大切となります。
 

「ごめんねでてこい」読書感想文の例【例文】

以下に、読書感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

原稿用紙に書く際は、改行のための空白部分も字数として数えます。句読点はそれぞれ1字に数えます。また、題名、学校名、氏名は字数に数えません。

これは便利!テキスト入力を原稿用紙に変換できるサイト
原稿用紙エディター

※青文字のように「そこで書くべき内容」を明確にしておけば書きやすくなります。

「ごめんねでてこい」を読んで①

(なぜこの本を選んだのか)
私は本を読むのが得意ではありません。お母さんもそのことを知っています。そのため、読書感想文の宿題が出たとき、お母さんは、本を読む練習のために、課題図書の中で一番文字の多いこの本を選んでくれました。

この本を最初に読んだとき、私は1時間ぐらいかかってしまいましたが、4回目に読んだときには10分ぐらいで読めるようになっていました。

(本の内容が理解できているかを示す)
この物語は、大好きなおばあちゃんに「おばあちゃんなんて嫌い」と言ってしまった、主人公のはなちゃんが、最後に、勇気を出して「おばあちゃん、きらいって言ってごめん。」ということができ、なちゃんとおばあちゃんは前のように、仲良くなれたというお話でした。

(印象に残った部分)
この本の中で一番印象に残ったのは、おばあちゃんが、はなちゃんのお友達の、ゆうちゃんを注意する場面です。

(なぜ印象に残ったのかの理由)
なぜかというと、もし私が、ゆうちゃんの立場だったら、私もゆうちゃんと同じように、注意されたことに、ドキドキしたと思うからです。私は、よそのおばさんに注意されると、ものすごくドキドキして、なにも言えなくなるからです。

(分かったこと・学んだこと)
でも、ゆうちゃんが、親せきのおばさんの家に行ったとき、はなちゃんのおばあちゃんに言われた通りに、挨拶やお礼を言うと、おばさんから褒められたことが書かれていたため、おばあちゃんの注意は、役に立ったのだと分かりました。

(反省・気づき)
私は、この本を読んで、いいことに気が付きました。それは、大人に注意された場合、ドキドキしないために、はじめから注意された時はなんと返事をするか決めておけばいいと思ったのです。

(誓い・これからの自分)
これから大人に注意されたときは「教えてくれてありがとうございます」と、すぐに返事をしようと思います。そうすれば、いままでよりドキドキすることもなくなるし、この本のはなちゃんのように、あとで謝りずらくなることも、なくなると思ったからです。
  

「ごめんねでてこい」を読んで②

(本の内容が理解できたかを示す)
主人公のはなちゃんは、大好きなおばあちゃんに「おばあちゃんなんて嫌い」と言ってしまい、おばあちゃんに、謝りたくても、なかなか「ごめんね」が言えずにいます。

その後、入院したおばあちゃんにお見舞いに行ったはなちゃんは、「今いわなきゃ。」と心の中で思っていても、なかなか喉から声が出て来ませんでした。

「でてこい、でてこい!」と心の中でつぶやいていたはなちゃんは、とうとう「おばあちゃん、きらいって言ってごめん。」と、勇気を出して謝ることができました。

(自分と対比する)
この物語は、そんなお話でしたが、私は、このお話を読んで、はなちゃんと私は同じだなあと思いました。

(その理由=体験や思い出を書く)
なぜかといえば、私も昔、お父さんが大事にしているプリキュアのフィギュアを壊してしまったとき、お父さんにすぐに謝ることができず、このままにしておこうか、ちゃんと謝ろうか、どっちにしようかと、ドキドキしながら、何日も過ぎてしまったことがあったからです。

(主人公と自分を対比する)
私の場合、お父さんが怒らなそうな時に謝ればいいやと思って、お父さんがお笑いの番組を見て笑っているときに、謝ってうまくいったのですが、はなちゃんは、おばあちゃんの入院している病院で謝らなければならなかったため、謝るためには、ものすごく勇気がいったと思います。

なぜなら、病気で入院している最中なので、機嫌のいい状態ではないに決まっているからです。そのため、はなちゃんは、私の何倍も勇気が必要だったと思ったのです。

謝った後、はなちゃんとおばあちゃんが、前のように仲良くなれたのでとても嬉しく思いました。

(この本からの学び・これからの自分)
私はこの本を読んで、悪いことをしたときは、すぐに謝らないと、だんだん謝りずらくなるんだなとよく分かりました。

はなちゃんと同じように、私もそうだったからです。そのため、これからは、悪いことをしたらすぐに謝るようにしようと思いました。
 


 

「口は災いの元」「妙薬は口に苦し」
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白も字数として数えます
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2024年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。


 

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由図書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2023課題図書

2022課題図書

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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