「よだかの星」あらすじと読書感想文の例文【大特集】
こちらでは、読書感想文の題材としても長く利用されている 宮沢賢治の名作「よだかの星」のあらすじや、参考していただけそうな解説動画、読書感想文の例文【8作品】を紹介しています。
おもに小学校高学年生から中学生、高校生が、1200字、1600字、2000字(原稿用紙3枚、4枚、5枚)の読書感想文を書く際に役立つことを目指し掲載しています。
~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「よだかの星」あらすじ+解説
読書感想文の例文【8作品】
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「よだかの星」あらすじ+解説
いじめられていた「よだか」が死んで星になる、悲しいお話です。しかし、ただ悲しいだけではありません。短い話の中に「食べることと生きること」「生きることと殺すこと」など、宮沢賢治の「生死観」や「食物連鎖への問題意識」が詰まっています。
よだかは、美しい蜂スズメやカワセミの兄でありながら、容姿が醜く不格好なゆえに鳥の仲間から嫌われ、鷹からも「たか」の名前を使うな「市蔵」にせよと改名を強要され、故郷を捨てる。
自分が生きるためにたくさんの虫の命を奪っていることに嫌悪して、彼はついに生きることに絶望し、太陽へ向かって飛びながら、焼け死んでもいいからあなたの所へ行かせて下さいと願う。
太陽に「お前は夜の鳥だから星に頼んでごらん」と言われて、星々にその願いを叶えてもらおうとするが、相手にされない。
居場所を失い、命をかけて夜空を飛び続けたよだかは、いつしか青白く燃え上がる「よだかの星」となり、今でも夜空で燃える存在となる。
・・・よだかの身体は灼けて星と一体となったという最後にも、宮沢賢治の自己を超えた「みんなのための光になる」という考え方の尊さを描いていたのではないでしょうか。
約7分で分かるあらすじ動画
「よだかの星」は著作権が切れているため、全文がネット上で公開されています。また、YouTubeで全文の朗読版もアップされています。
YouTube「よだかの星」全文朗読(約20分)
感想文の着眼点が分かる解説動画
「よだかの星」読書感想文の例文【8作品】
以下に、小学生向け5作品、中高生向け3作品の合計8作品を紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」や「着眼点」の参考にしていただければと思います。
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「よだかの星」を読んで(小学生むけ)①
(※学年によってはまだ習っていない漢字が含まれています。)
僕は、この本を読み終わってよだかをいじめたり、仲間はずれにしたりした鳥が、憎くてしかたなかった。
⇒読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)
僕も、小学校に入る前は、とても泣き虫でした。友達に泣かされて、先生に泣かされた本当の理由をいっていると、泣かした子が「えっ違うよ」と、言います。僕は、そのころ気が弱かったので、黙っていました。
帰りにまた泣かされると思ったからです。そんな時、悔しくて、その子を殺してやりたかったです。よだかも、そんな気持ちになっていたんだろうなあと思います。
僕も、いじめられたことがあるから、よだかの気持ちは、よく分かります。でも、僕よりよだかの方が、この悔しさは、大きいと思います。たかから、名前を変えろと無理なことを言われて、心が痛んだり、悔しがったりしたと思います。そんな時は、悩んだと思います。ある夜、よだかは、次のようなことを考えました。
「ああ、カブト虫や、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つが僕が今度はたかに殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫を食べないで飢えて死のう。いやその前にもうたかが僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向こうに行ってしまおう。」
この言葉で、僕はよだかは、顔は、醜いけど、心は優しいんだと思いました。僕だったら、小さな羽虫は、殺してしまうと思います。僕は、よだかは、小さな羽虫の命も心配する、優しい心のもち主なんだと思います。
よだかは、星に向かって、「お星さま、あなたのところへどうか私をつれてって下さい。」と叫んだけど、星も相手にしてくれません。星や鳥も、なぜこんなによだかをいじめるのか分かりませんでした。
でも、最後にとうとう星になりました。よだかは、嬉しかったと思います。僕は、先生が以前「すりむいたりしたキズは、月日がたてば治るけど、言葉でキズをつけた場合は一生なおらない。」と、言ったのを思い出しました。
僕は、なにも悪いことをしていないよだかを仲間はずれにした鳥たちは、よだかと違って、顔は、美しいけど、心はダメなんだと思いました。よだかの星、この星には、いつまでも燃え続けて輝いて欲しいです。(895文字)
「よだかの星」を読んで(小学生むけ)②
(※学年によってはまだ習っていない漢字が含まれています。)
よだかは宮沢賢治自身の心の投影に思えてならない。賢治が私達読者に自分の思いを訴えたくて「よだかの星」を童話にして現わしたのではないだろうか?
⇒読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)
今、私は夜空を眺めています。するとなぜか涙が込み上げてくるのです。そして悲しげな声が私の耳元にかすかに聞こえてくるのです。
「よだかの星」になったよだかよ。あなたは今、世界中で一番幸福ですか?私にはあまりにもあなたが惨めに思えてなりません。まるで「よだかの星」はビショビショにぬれた「涙星」です。
きたないだけで馬鹿にされ、のけ者にされ意地悪されたよだかよ。 なぜ死を選んだのですか?あなたにはかわい 弟のかわせみもいるではありませんか。死ぬ覚悟なら威張り我が者顔で振るまっているたかや意地悪な周りの者に真向 から対決してほしかった。
そんな悪者を許したりするといたずら者が増え、りこう者が無くなる。そして又、よだかの身がわりになる者が増える でしょう。私だったら正義のためなら鷹に、かみ殺されてもいい。
自分の意志を通し恐れずに立ち向かっていく。そして心ゆくまで話しあって相手を説得させたい。そして少しでも良い所を取りいれていく。
そして自分の住んでいる環境を少しでも良くしていきたい。人を憎んだり恨んだり、差別したりしない。争いのない平和な地域にしたい。よだかも、もっともっと鷹と話し合って仲良くしてほしかった。
死ぬ事はたやすい。生きる事は厳しくつらい。もっともっと生きて生き抜いて欲しかった。死んでも生命は永遠に続く のです。
「ああ、羽虫が、毎晩僕に殺される。つらい。つらい。僕はもう生を食べないで飢えて死のう。」
多くの命を助けるためにこんなに悲しい努力をしてまで自分の命を犠牲にする。なんとけがれのない美しい心でしょう。 私達人間だって平気で肉食類を食べている。
生・死の生存競争のため、付きまとう事だろう。こんな悲しい悩みにぶつかったよだかは星に生まれ変わって生きる決心が出来ました。よだかは、とうとう星になり燐の火の様な青い美しい光になって燃え続けました。
この物語を通じて教えられた事は、この地球上の生物も、人類もみんな平等で生きる権利があり、そして差別をしてはならない事を学び取ったのです。そしてがまん強く立派な心で耐えるゆとりある人間になっていきたい気持ちでいっぱいです。
「よだかの星」は世界中の平和を願っていつまでもいつまでも輝き続けてくれる事でしょう。そして「よだかの星」は私の心の中にいついつまでも生き続けています。(1029文字)
「よだかの星」を読んで(小学生むけ)③
(※学年によってはまだ習っていない漢字が含まれています。)
以前、六年生の送別会で行う、劇の練習があった。私たちのグループは、「よだかの星」をやることになった。私の役は、主役のよだかだ。でも、私は嬉しくなかった。 友達が「よだかだから、きたないかっこうをしなくちゃね。」と言ったからだ。みにくいよだかの役をやるより、美しいひばりやたかの役をやりたかった。でも、原作を何度も読んで いくうちに、そんな私の考え方が、恥ずかしくなった。
⇒読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)
書きだしの「よだかは実にみにくい鳥です。」という文でも分かるように、よだかは、その醜さのために、ずいぶん 他の島からいじめられののしられた。誰だって美しく生まれたいにきまっている。
でも醜く生まれたからといって それは、よだかの責任だろうか。自分には、何の責任もない醜さのために、みんなからいじめられるよだかが、かわいそうでもあり、じれったくも感じられた。どんなことにでも、じっとたえてきたよだかだが、
「おれの名は神様からもらった名だが、よだか、おまえの名は神様からもらっていない。おまえの名はおれの名をかりて いる。なあ、返してもらおうじゃないか。私は、いらい市蔵と申しますと、みんなの前で言え。」
とかから命令された時は、ほんとうに、ショックだっただろう。私は、この時、悔しくてたまらなかった。「どうして、文句を言われたら、言い返さないの?」と言ってやりたかった。
たかという名前が、神様がくださったのなら、よだかという名前だって同じように神様がくださったもの。たかもよだかも平等なのだから、名前をかえる必要はないのに……。
でも、よだかは、 悩みや苦しみながら空を飛びまわり、星になりたいと思った。 私は、よだかの役をやりながら、「どうしても星になりたい。」というせりふをどんなふうに言っていいのか分からなかった。
よだかの気持ちがよく理解できないからだ。星になれば、 たしかに、もうすべてのわずらわしいことから逃れることができるかもしれない。幸せになったのかもしれない。で も、私は、「よかったね。」と言いたくはない。
私は、よだかに、あくまでも鳥の世界で頑張って欲しかった。星の世界に、 逃げ出して欲しくなかった。今の世の中、よく「平等」ということばが、使われるけど、すべてがすべて平等には、なっていないと思う。あらゆるところに、不平等が存在している。 でも、私は、逃げ出さない。どんなにつらい苦しいことでも、戦っていくつもりだ。(992文字)
「よだかの星」を読んで(小学生むけ)④
(※学年によってはまだ習っていない漢字が含まれています。)
よだかの星を何年か前に読んだ時には、僕は、あまりよだかの気持ちが理解できなかった。でも今度はちがう。よだかの星を読み始めると、半年前の僕と、よだかが、あまりにも似ているのに驚いたからだ。
⇒読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)
よだかは、かわいそうな鳥だ。他の鳥からいじめられ続けて、とうとう最後には、自ら死を選び、星になってしまった。僕も以前、上級生の数人にいじめられた。僕は、何一つ悪い事をした心当たりがない。どうして僕だけこんなにいじめられるのだろうか。
学校に行きたくなかった。その上級生たちと顔を合わせるのが怖かった。よだかの気持ちが、僕には、ものすごくよく分かる。いや、よだかの方が、ほくよりも、ずっとずっとひどいことを言われて悲しかったにちがいない。
僕が、よだかだったら、すの中にじっと入ったままだったかも知れない。よだかは、みそをつけたような顔で、よぼよぼ歩く。ただそれだけの事ではないか。みにくいからといって顔や体のかこうだけで差別する他の鳥達を僕は絶対ゆるせない。
よだかは、めじろの赤ちゃんが、すから落ちた時、助けてあげた心のやさしい鳥なのだ。たかの一方的な命令にしたがわないと殺されるという時、今まで自分も小さな虫を食べていた事に気が付いたよだか。
自分が生きるためには生きているものも殺してしまわなければならない現実に苦しみ、さぞなやんだ事だろう。僕は、よだかが、思いやりのある美しい心の持ち主だからこそ命について、考え苦しんだのだと思う。
その時、僕もどきっとした。僕は上級生にいじめられたが、今まで下級生や弱い者をいじめた事がなかっただろうか。僕の頭の中も混乱してきた。よだかは、色々な苦しみから早くのがれようとして星になりたいと思った。死までは考えなかったが、僕もよだかと同じ様な事を考えた。転校したい。ただそればかり思った。
この事はだれにも言えない。言えば仕返しが来る。毎日、毎日がつらかった。でも、僕は、その後、先生や両親に分かって良い方向へ向かった。
よだかは、死を決意する前に、なやみを聞いてくれる鳥が一羽もいなかったのだろうか。すがた形だけでは、美しいか、みにくいかは分からない。心のやさしいきれいな者が本当は美しいのだ。
このことをだれにも分かってもらえず、一人ぼっちで遠くの空へ消えてしまったかわいそうなよだか。僕は、夜空を見ると、オレンジ色に輝いている一番きれいな星をさがす。きっとよだかの星だ。よだかの星よ、君の様な美しい心を持てる人間になりたい。君の分まで、僕は強く生きたい。(1059文字)
「よだかの星」を読んで(小学生むけ)⑤
(※学年によってはまだ習っていない漢字が含まれています。)
よだか、おまえは、ただみにくいというだけの理由で、毎日毎日他の鳥たちに悪口を言われ、そして、メジロの赤ん坊を巣へ連れて行ってやっても礼も言ってもらえなかったね。その上、タカという名を持っているからというのでたかに、「名前を返せ、名前を変えてしまえ。」と言われたのだった。さもなくば「つかみ殺すぞ。」と。どんなにかおまえは自分のみにくい姿をなげき悲しみ、きれいな姿に生まれたかったと思ったことだろう。
⇒読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)
しかし「生まれつきの姿なのだからどうしょうもない。」と、何度も自分に言い聞かせあきらめたことだろう。おまえは自分で命を絶とうとしたね。私はおまえにもっと自信を持ってほしかった。でも、おまえはみ!みんなにきらわれていることだけがつらくて死のうとしたのではなかった。そんな弱虫ではなかった。おまえは、毎晩カブト虫やたくさんの羽虫を殺している。そして、自分もまた、たかに殺される運命にあることがつらかったのだ。おまえはカブト虫を飲みこんだとき大声で泣いた。
だけど、それは痛かったからではない。おまえはカブト虫が、もがき苦しみながら食べられていくつらさを自分のつらさとして感じたのだ。おまえは自分がたくさんの虫たちを食べることをつらいと思っている。だけど、私はそうは思わない。それが自然だと思う。虫を食べなくては自分が死んでしまうのだから。みんなからみにくい、きたないと言われているけれども、たくさんの虫を殺してしまう自分を死にたいと思うほどなさけなく思い、弟のかわせみに、「どうしてもとらなければならない時の他は魚をとってはいけないよ。」と、教えているおまえの心は誰よりもきれいだと思う。
心にもしカガミがあったら、おまえのカガミはきっとピカピカに光っているだろう。なのにおまえは、自分が虫たちを食べないで飢えて死ぬ事で自分にも良い心があることを示そうとした。そして、自分のようなみにくい体でも焼ける時には小さな光を出すだろう。たとえどんな光でも、自分のこの姿が一瞬でも輝いてくれるなら、と願ってお日様や星たちに連れて行ってくださいと頼んだのだね。
死んだって焼けたっていいと思っているおまえを私は強いと思う。それなのに、おまえの願いを星たちは聞き入れようとしなかった。なんてはくじょうなのだろう。「わからずやめ。」と、私は言いたかった。おまえは落っこちそうになりながらも一生けん命に力をふりしぼって飛んで行ったね。
星に着いたら楽になれると苦しみをのがれ行くおまえ。何て世の中は不公平なのだろう。どの鳥より心のきれいなおまえがこんな目に会うなんて。私はむねが熱くなった。しかし、とうとうおまえは青い美しい星になった。きっと神もおまえの心にうたれたのだろう。夜空に青く輝く一つの星、それはおまえの心の輝きなのだね。(1150文字)
「よだかの星」を読んで⑥
以下、完成しだい掲載いたします。
「よだかの星」を読んで⑦
「よだかの星」を読んで⑧
作品の中から作者の思いを推論する
生きる上での矛盾とどう付き合うか
読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。