「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」読書感想文の例&あらすじ


2019年の課題図書対策!
「青少年読書感想文全国コンクール」高校生の部
「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」
(あらすじ&ポイント)(書き方の例)などをご紹介いたします。


「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ:あなたがくれた憎しみ」(岩崎書店)
著者:アンジー・トーマス・作 服部理佳・訳
本体価格:1,700円
ページ数:472ページ
ISBN978-4-265-86043-2

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内容紹介
私は立ち上がる。撃たれた友の声になる。

ギャングが徘徊し、ドラッグが蔓延するゲットー(ガーデン・ハイツという黒人街)で生まれ育った高校生の女の子スターは、10歳の時、友達が拳銃で撃たれるのを目撃していた。
その後、上流階級育ちの白人の子たちが通う高校に通っていたスターだったが、ある夜、幼馴染のカリルが警官に撃たれるところを目撃してしまう。しかし警察は、無抵抗のカリルを撃った白人警官の行為を正当化するため、カリルを極悪人に仕立て上げようとする。
カリルの声になることを誓ったスターは、カリルの汚名をそそぐ為、証人として法廷に立つことを決意する。

実際のアメリカでの事件や社会問題を強く想起させる、社会派ヤングアダルト小説。

(「BOOK」データベースより)
ギャングがはびこる町に暮らす女子高生、スター。ある晩、幼なじみのカリルが白人警官によって射殺されてしまう。目の前で起こったこの事件は、事実と異なって報道されていく。事件によって徐々に変わりゆく周囲と、スター自身の心。スターは覚悟を決めて立ち上がる。カリルの声となるために。ボストングローブ・ホーンブック賞受賞アメリカの社会問題を映しだす、注目のYA。

あらすじ・・・
 
主人公のスターは、ギャング主催のパーティーで、幼馴染で初恋のカリルに会うが、パーティー中、銃声が聞こえたので急いでその場を逃げ出し、彼の車で帰る途中、テールランプが壊れていたため白人の警官に車を止められた。見た目がギャング風のカリルは武器を持っていると勘違いされ射殺されてしまう。

警察は、無抵抗のカリルを撃った白人警官の行為を正当化するため、カリルを極悪人に仕立て上げようとする。警察から事情聴取を受けた時「カリルが悪かったような話」に持って行かれニュースでも「カリルは麻薬の売人でギャングだったらしい」と報道される。しかし、カリルが武器を所持していなかったと知ったゲットー(黒人街)の住人たちは警察に対する連日のデモで装甲車や夜間禁止令も出る展開になる。

スターはカリルの無罪の証言を求められるのだが、カリルが麻薬の密売をしていたのは事実で、法廷に立つ事で誰に何をされるかわからない恐怖もある。スターのパパは元ギャングで裏社会から足を洗い更生した過去をもつ。

ギャングになる多くは貧困が理由だし、カリルが密売していたのはヤク中の母親がギャングから薬を盗んだ代償に働かされていた事実がわかる。

全国ニュースでインタビューを受けることになったスター。いきおいついて、カリルが密売した理由とギャングじゃなかった事、マスコミがカリルを非難する報道している事、スターも銃を突き付けられた事そして警官が黒人が何か悪い事を企んでいると思い込むのをやめて欲しいと言った。ドラッグを売るギャングのボスを批判する内容も話しており、ガーデン・ハイツのギャングのボスであるキングの怒りを買うことになった。インタビューは大成功でトレンド入りもした。

ラジオから「白人警官の不起訴」のニュースが流れた。町の抗議運動に「くたばれポリス」と一緒に参加したが、そのうち抗議運動は暴動に変わり、強奪や放火が始まりスターはこんなことをしたいんじゃないと思った。

理不尽な決定に、ママは「決定が間違っていたとしても、それはあなたのせいじゃない。うまくいかないこともあるけど『大切なのは、決して正しい行いをやめないこと』でしょ」と言った。

デモの際、スターは奪われていたパトカーの上で抗議のスピーチをし、発煙筒を投げ返す場面がテレビでも報道される。警察が暴動の制圧に動き出したのでスターたちは逃げ出し、スターの父の食料品店に一旦逃げ込んだ。スターたちが休む店に誰かが火炎瓶を投げ込み、父の店は燃え上がる。燃え上がる店を見て嘲笑しているギャングのボス、キングの仕業だと、父マーベリック達は警察に訴える。決定的瞬間を見ていないのだが、みんなの目撃証言でキングはついに逮捕された。

内容の詳細はこちらのブログを参照

 

この本は、フィクションであるものの、現在のアメリカにおける「かなり現実的な」黒人差別に対する内容を若い作者の目線から表現した物語です。

日本では本書のようなあからさまな差別はないように思えます。しかし、本書を通じで垣間見えるものは人間の持つ「異質な人間(や人種)に対しる偏見や差別意識」が芽生えた場合、またそれらが集団的なレベルで発生した場合に起こりえる問題点などを分かりやすく、かつ現実的なものとして伝えてくれています。

深刻かつデリケートな性質を持つ題材ですし、また、海外での黒人差別という日本人としては縁遠い内容のため、課題図書から本書を選ぶ高校生は少ないかと思います。しかし、それだけ本書を選び感想文を書いた場合、その「努力」については評価される作品かもしれません。

472ページあるうえ、登場人物が多く、読んでいるうちにイメージがごちゃごちゃになります。読書慣れしていない人にとっては1週間ぐらいかかってしまうこともありえます・・・(><)
 
■『ヘイト・ユー・ギブ』【1分映画批評】(感想/レビュー)

 

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    以下のような着眼で、それらに対し自身の考え方を述べてみるとよいでしょう。

    差別される側にも差別する側にも完全な人間はいません。そのため、差別される側にも何かしら差別される理由があり、差別する側にも差別意識をいだいてしまうような未成熟な人間性が存在する・・という方向から感想を書くのもよいでしょう。

    ・抗議のための行動も暴動に発展したり、互いに感情を強める結果になるような「おそまつな方法」を用いたりしています。そのような「不完全な人間同士」が同じ環境で共存する難しいさ、その対策、意識のありかたなどを述べるのもよいでしょう。

    登場人物のそれぞれに「自己管理の甘さ」があり、それが理由で大きな不幸を引き起こしている点に注目するのもよいでしょう。

    ・例えば、カリルが白人警官から職務質問を受けた原因も「テールランプの整備不良」だった点や、ヤク中の母親がギャングから薬を盗んだ代償にカリルが密売させられていた点などを引き合いに出し「各々が日常生活をするうえで、もっと自分に厳しい人たちだったら大きな不幸につながらなかったはず」という展開で感想文を書くのはどうでしょう?

    ・自分をコントロールできない場合、それは「自分事」だけで終わらず、家族や自分を取り巻く周囲へも悪影響が及ぶことを発見できた、という感想を書き「自分を律する気持ちは、社会のためでもあるのだと、本書を読んで感じさせられた」・・という展開で感想文を書くのもよいでしょう。

    ・また、日本がそれほど凶悪事件が多くないのも、世界基準でみれば他人への配慮や、自己管理を重視する国であるからではないか?という流れの感想文を書くのもよいでしょう。「他人様」「よそ様」といった他人を尊重する「言葉」の存在を引き合いに出すのもよいでしょう。

    差別や偏見の多くは、人をグループ化して捉えてしまう「人間の悪い習性」に原因があるのではないか?という切り口で解決策を述べてみる

    理不尽な決定に対し、母親が「決定が間違っていたとしても、それはあなたのせいじゃない。うまくいかないこともあるけど『大切なのは、決して正しい行いをやめないこと』でしょ」と言ったが、著者はこの姿勢の大切さを伝えるためにこの物語をかいたのではないか、などとまとめる

    主人公に「活動家に向いている」と人権派弁護士が誘うよう場面があるが、社会に訴える方法としてのありかたについて、どのようなほうほうがあるかや、自分なら社会を変えるためにどのような道を選ぶかなど

    日本がいかに住みやすい国であるか、あらためて考えさせられたことを述べ、この国を良い状態に保つためには、個々人が他人に対する思いやりの心を持つことの大切さや、自己を律する姿勢を文化として継承していかなければならないと感じさせられた・・などという展開にするのもよいでしょう。

    差別を悪いという本来的な視点とは真逆に「自分と異質の存在を差別してしまう本能が人間には本来的にあるのではないか?」との仮説を述べ「そのような本能が存在する事実をまず認めるべき」とのアプローチから、自分の思う改善策や提案を述べる

    AI時代を迎える今日、AIの技術を差別の根絶にどのように役立てるべきかや、どのような技術なら差別をなくすことができるかなど、自身の課題に対する改善策の例を紹介する。それに続け「読書は読んで終わらせるべきではなく、課題に対して自分なりの改善策の提案につなげることが大切だと思う」・・といった読書論と絡めた感想文にするのもよいでしょう

 
学校などの教育機関が与える課題図書は「教育的成果」を期待してのものです。
そのため、教育機関からの読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関が与える課題図書に対する感想文は・・・

感想文を書きなさい=どのような学びを得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識しながら構成を考えてみるのがよいでしょう。

簡単な構成(書き方の順序)の例としては・・・

①3冊ある課題図書の中から、なぜこの本を選んだのか説明
②「この本は・・」で、どのような内容の本だったのかを簡単に紹介する
③特に気になった点を「理由」「過去の出来事」「実社会での類似の出来事」などと絡めて述べる
 (2~4か所ぐらい)
④「この本を読んで、私は・・・」発見や反省点、今後の自分の在り方など「学び」を述べる

「書き方」についての詳細はこちら!
(最重要ページです)


読書感想文の書き方のコツ図解
(テンプレート付き)

 

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読書感想文・用紙と字数のルール その他の詳細
     
    原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
    文字数については下記のとおりです。
    高校生の部:本文2000字以内 
    ※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
    ※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
    詳細はこちら⇒ 「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」

 
便利な文字数カウンター
 

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」読書感想文の書き方の例

文字数はややオーバーしていますが、感想文の例としてご活用ください。

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」を読んで

いつのころからか、私はニュース番組などで、海外での人種差別の問題が紹介されるたびに疑問に思うことがあった。それは、なぜ、海外では「あからさまな人種差別」が存在するのかというものである。

また、最近になり日本でも「ヘイトスピーチ」なる人種差別的なデモ行進などが話題となるようになった。こちらは一部の団体が政治的な意図のもとに実施しているものであるため、私自身は、日常生活の中での人種差別とは区別している。しかし、言葉として「ヘイト」という聞きなれない単語を耳にするようになった今日である。

そんな私であるため、今回、課題図書の中から本を選ぶ際、気になり、真っ先に手に取ったのが、この「ヘイト」をタイトルに入れた「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」であった。

この本は、アメリカにおける「黒人差別」というデリケート、かつ深刻な社会問題を題材にした作品でありながら、日本をはじめ全世界で翻訳され、映画化もされた作品とのことである。

ストーリーは、主人公の16歳の女子高生スターが、ギャング主催のパーティーにいやいや出席すると、幼馴染で初恋のカリルに会い、彼の車で帰る途中、テールランプが切れていたため白人警官に車を止められ、屈辱的な身体検査の後、見た目がギャング風のカリルは武器を持っていると勘違いされ射殺されてしまう。この事件に対する警官への処遇など、さまざまな点が黒人差別を感じさせる理不尽なものであったことがきっかけとなり、主人公は社会に対してさまざまなアクションを起こしていく、といった内容です。

本書を読んで、おそらく著者は、スターがカリルの名誉を回復するたに立ちあがった姿勢を手本に「訴え続けることの大切さ」を読者に伝えようとこの作品を書き上げたものと思えた。しかし、私が本書を読んで、最も意識させられた点は、そこではなかった。

私が本書から感じ取った点は、そこに住む人々の「自己管理の甘さ」についてであった。それは、登場人物のそれぞれに「自己管理の甘さ」があり、それが理由で大きな不幸を引き起こしている点が随所に感じ取れたからである。

例えば、ヤク中の母親がギャングから薬を盗んだ代償にカリルが密売させられていた点や、父親も昔ギャングであり、浮気相手の間にできた主人公とは腹違いの兄がいるなどは分かりやすい部分であったが、さらに、些細な部分で指摘すれば、カリルが白人警官から職務質問を受けた原因も「テールランプの整備不良」からだった。

さらに、白人警官に対する納得のいかない処遇に対し、抗議運動をした際も、結果として暴動に変わり強奪や放火が始まったような内容を読み、私は「自分を律する気持ち」や「生活をきちんとする能力」の弱い人々という印象を抱いたのである。

そして、「各々が日常生活をするうえで、もっと自分に厳しい人たちだったら大きな不幸につながらなかったはず」というような考え方が頭をよぎったのだ。

確かに、差別の問題の原因を、自己管理の甘さが招いたものとするのは、差別されている側にあまりにも気の毒に思えるはずである。しかし、日本がそれほど凶悪事件や人種差別の問題が少ないのも、世界基準でみれば自己管理を重視する「精神を大切にする国」であるからという理由が大きいように感じたのだ。

日本人がかつてブラジルに多くの移民を送ったが、現在、ブラジルにおける日系人は「尊敬される地位」にある点も注目に値する。ブラジルのある大学では、生徒の約6割が日系人だという。そのような現実があったりするため、ブラジルではマイノリティーのはずである日系人が、差別されるどころか尊敬されるだけの地位を獲得しているのである。

差別問題は、差別する側と、差別される側、双方の「生活習慣」や「認識」の「累積効果」が作り出すものだと思う。これは、もちろん差別を正当化するものではない。「差別は一日にしてならず」とでもいうべき現象だという点をいいたいのだ。

また、私が、本書を読む中で気になった点に、白人警官の処遇に対する理不尽な決定に、主人公の母が主人公に対して「決定が間違っていたとしても、それはあなたのせいじゃない。うまくいかないこともあるけど『大切なのは、決して正しい行いをやめないこと』でしょ」と言った場面なのだが、この「決して正しい行いをやめないこと」が大切だとの言葉に、私は「日常生活での正しい行いをやめないこと」の方こそが大切ではないかと、本来的な意味とは違う考えが浮かんだのだ。

「予防に勝る対策なし」といいますが、社会活動化になり、自分の信ずる正しいことを言い続けることも意義のあることではあるが、本来的には、差別が発生するような「おそまつな生活習慣」を発生させないために、予防の意味で「日常生活の中で正しい行いを意識すること」の方が大切ではないかという発想が出たのである。(2073文字)
 

読書感想文は面倒な宿題ですが「そのテーマに対する自分の考えをまとめる意味」で課題に取り組んでみるのはいかがでしょうか?
 

2019「高校生」をその他の課題図書


「この川のむこうに君がいる」(理論社)
著者:濱野京子・作
本体価格:1,400円
ページ数:224ページ
ISBN978-4-652-20289-0

内容紹介
梨乃は、あえて同じ中学出身者のいない都内の高校を選んだ。それは、3.11の被災者であることを隠し、高校生活をまっさらな状態で始めたいと思ったからだ。大震災から三年後の、被災地から遠く離れた場所で、若い心の軌跡を追う物語。

出版社からのコメント
被災した二人の高校生は偶然高校の同じ吹奏楽部で一緒になります。人は移動し、震災の哀しみも移動して、さまざまな出会いを生んでいきます……。傍らのその人がそうかもしれない。その想像力を大事にしたいと思う物語。

内容(「BOOK」データベースより)
ここでは、だれも、わたしを知らない。新たな地で、高校生活をはじめた梨乃は、福島から来た遼と出会う。震災から三年後、十六歳の心の軌跡。

『この川のむこうに君がいる』読書感想文の書き方・考え方の例
 


「ヒマラヤに学校をつくる:カネなしコネなしの僕と、見捨てられた子どもたちの挑戦」(旬報社)
著者:吉岡大祐・著
本体価格:1,400円
ページ数:217ページ
ISBN978-4-8451-1554-9

内容紹介
【貧しいけれど きっとここは 世界一幸せな学校】

トウガラシを体にすりこんで暖をとり、生活のために我が子を売る。
22歳でネパールに渡った著者は、そんな究極の貧困を目の当たりにして衝撃を受ける。

貧困から抜け出すには教育しかない。その支援をしたい。
けれど、自分は教育者でもなければ、社会に出た経験もない。そんな自分に何ができるのか……。
悩み、もがきがらも貧困家庭の就学支援をスタートさせ、
幾多の困難に直面しながらも、2004年「クラーク記念ヒマラヤ小学校」を開校。
その後もネパール大地震や病気(ガン)などに見舞われながらも、
これまで現在200人までに卒業生を送りだしている。

想いさえあれば、人はどこまでも行ける。
ゼロから学校づくりに挑んだ著者の、涙と感動の20年の軌跡。

内容(「BOOK」データベースより)
子どもたちに教育を!人身売買、児童労働、カースト差別…貧困のネパールで、ゼロから学校づくりに挑んだ著者の涙と感動の20年の軌跡。

『ヒマラヤに学校をつくる』読書感想文の書き方・考え方の例

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