『茶畑のジャヤ』あらすじ読書感想文の書き方の例

このページでは、2016年

「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校高学年(5年・6年)用の課題図書である

『茶畑のジャヤ』の「あらすじ」と「読書感想文の例」をご紹介いたします。


茶畑のジャヤ 
(鈴木出版)213ページ
著者:中川 なをみ・作
本体価格:1,500円
ISBN978-4-7902-3310-7
 

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『茶畑のジャヤ』あらすじ

周はクラスで一番勉強ができる男子でそれが原因でいじめに会い、親友に裏切られ、気にして声をかけてくれる幼馴染の加奈に冷たくしてしまって孤立してしまいます。落ち込んで様子のおかしくなった周の事を両親もおじいさんも気にしてくれておじいさんの仕事先のスリランカに冬休みが始まる前だけど旅立ってしまいます。

suriranka

スリランカは周にとって驚きの連続で素晴らしい景色、滝や茶畑やビーチ、ジャヤという女の子との出会い、タミル人とシンハラ人の民族の対立など様々なことと知り、体験します。

「たくさん想像できる人は、人を殺さない。悲しみが想像できるから」というタミル人のセナの言葉や友達になったジャヤの明るさや優しさ強さに影響を受けます。そしていじめに対しても孤独に耐える力をつける事、どうにもならないときはジタバタしない。そして強くなろうと心でちかうのです。

周は教室では自分の事しか見えていなかった、加奈を自分の世界から追い出していたと気づきます。そして日本に帰り教室に戻った時心を閉ざさずにいられるだろうか?彼らについて想像力をはたらせられるだろうか?と考え一人飛行機に乗ります。

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『茶畑のジャヤ』読書感想文の例

小学校高学年(5年・6年)の課題図書で求められる文字数は、本文1200文字以内となっています。

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

次の感想文は、空白をカウントせず、本文の文字数だけで1782字ありますので、字数はオーバーしていますが参考にしてください。

便利な文字数カウンター
 

『茶畑のジャヤ』を読んで

いじめは私たちにはとても身近な問題で慎重になるテーマです。物語とは言えいじめられている周は少しの間でもスリランカに逃げ出す事が出来てうらやましいなと思いました。なぜならばいじめられてどこにも居場所がなくなった時「学校と全然関係のない世界に逃げたって良い」という大人の意見も聞いた事があるからです。

だけど私が周の立場ならもっといろんな事に怒りたくなるし、納得ができない部分があるのも確かです。勉強が一番なら別にいじめられても平気かもしれません。なぜなら2番や3番の子と友達になればいいし、しっとでいじめているとしか思えないからです。将来勝つのは周の方だと思います。

またスリランカのタミル人・シンハラ人の民族による内戦の問題も私にはジャヤ達の先祖のタミル族の方が悪いような気がします。スリランカの国の名前の意味は「光り輝く島」という意味だけど歴史はとても悲しいものです。もともとスリランカはシンハラ人の島だったのですが、イギリス人がタミル人を連れて150年も植民地にしてしまいました。それまで国を奪はれたシンハラ人は仕事も学校も奪われていたのです。やっとイギリスから独立し国を取り戻した後は残されたタミル人との関係がうまくいきません。それまでイギリス人に優遇されていたタミル、シンハラ人の立場が逆転したからです。内戦はそんなタミル人の暴動をきっかけに26年続いたのです。

内戦のもともとのきっかけはイギリス人です。でも内戦と言う暴力をふるいだしたのはタミル人たちです。タミル人のセナは内戦に巻き込まれた一般の人だけどセナの口から「どんなやり方があるか考えるんだよ」とのセリフは私にはピンときませんでした。なぜなら攻撃した側の民族だからです。

「たくさん想像できる人は、人を殺さない。悲しみが想像できるから」という言葉は世の中が平和になる一番良い方法なのだと思います。でも想像するのって実は結構難しいことだとも思えます。いじめられて追い詰められた周は想像する余裕がなかったからです。

主人公の周はたしかに弱い人だと思います。助け舟をだした加奈にも心を開かないで日本でいじめの解決策を考えなかったのですから。でもいじめた健一郎も周の親友をうばうという方法も心の中は「周を追い詰めたい」とか「優位に立ちたい」という弱さからのいじめだと思います。親友だった洋介も自分がいじめられたくないから逃げたわけですし、加奈は気にはかけてくれたけど「誰に対しても変わらない態度」というのは誰の見方もしないし善悪の判断もできない八方美人だと思います。

たくさん想像すると相手の事情や行動の理由も見えてきます。非のないいじめられた人は相手の弱さを許さなくちゃいけない事だと思います。周がこの旅で考え方が変わり成長して帰っても、まわりの人も変わっている訳ではありませんし、話や考え方が通じるのかもわかりません。学校に戻った周はどうするのかな?と疑問に思いました。上手くいかない時はやはり孤独に耐える力で乗り切るのかな?と思いました。

ただやはりいじめという問題が起きた時、その場所とは全然違う場所に行くと色んな出会いやモノが見えてくるからやはり良い事なのだと思います。この旅で周は非はなかったけど自分の弱さややり方が間違っていた事そしてこれからどういう考え方と態度で行くかを決めて帰ることができます。いろんな角度からモノを見たり考えたりすることは問題の解決策を見つけることができるのだと思いました。

物語のジャヤは「ちがうこと、悪くないし、きらったら、だめ。」「ひとり、だいじょうぶ。」とシンハラ人を嫌わないけどシンハラ人に仲間はずれにされても強くなれば大丈夫といいます。そしてタミル人シンハラ人両方通える大学に行って医者になるという夢も持っています。こういう風に言えるのは違う種類の人間同士でいがみあっても良いことがないと実感したから言える言葉なのだと思いました。

つらくて悲しい出来事は傷つきます。でもそれを乗り越えるのは色んな事を見たり聞いたりして感じ、学んだからこそ実行できるのだと思いました。もし自分が何かに追い詰められた時、遠くに逃げ出す事が出来ないとしたら想像の世界に逃げても良いのかもしれません。そしていろんな方向から想像して考えて解決方法を出すというのが良いと言う事が勉強になりました。
(1782文字)
 

 

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『茶畑のジャヤ』アマゾンレビュー

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