『ここで土になる』あらすじと読書感想文の例

こちらでは、
2016年「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」

小学校高学年(5年・6年)用の課題図書である

『ここで土になる』「あらすじ」「読書感想文の例」をご紹介いたします。

この本は、今年の小学校高学年生用の課題図書の中で最もページ数と文字数が少ないため、どうしても読書が苦手というタイプの人には、救いの一冊となる本です。(写真が中心で文字はかなり少ないです)

ここで土になる 
(アリス館)40ページ
著者:大西 暢夫・著
本体価格:1,400円
ISBN978-4-7520-0734-0
 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「ここで土になる」のあらすじ
「ここで土になる」の読書感想文の例
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「ここで土になる」のあらすじ

熊本県五木村頭地地区田口には樹齢500年とも600年ともいわれる大イチョウがあります。

・・・むかしむかし「安心」という和尚さんがそのイチョウの根元に穴を掘り、その中で修行を続け、1週間は聞こえた鐘の音もしだいに小さくなり、ついには聞こえなくなった・・・

といういわれのある立派なイチョウです。

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この村に住む尾方さん夫婦は結婚して60年、安心和尚の昔話を大切にし、村を見続けてきた大イチョウを誇りに思い、人々が平和に暮らすこの村を大切に思い住み続けてきました。

ですが昭和30年代からこの村をダムにする計画がもちあがり、集落には大イチョウと共同墓地と尾方さん夫婦だけが残りました。

高齢なので畑仕事も大変ですし作った作物もたくさん食べられなくなってきています。それでも誰もいなくなった村で尾方さん夫婦はこの村での楽しかった、大変だった思い出を語り特に大イチョウの話をする時は目を輝かせるのです。

工事が進み、家が壊され、共同墓地は移動がはじまり、大イチョウも移動の計画でまるで檻に入れるように足場に囲まれてしまいました。

【ネタばれ結末】

ところがダムの計画が中止となってしまったのです。村は家も壊し、お墓も引越し集落の風景も姿もかわり、大イチョウも傷ついてしまいました。尾方さん夫婦は銀杏をつけなくなった大イチョウにまた実をつけるように根元に栄養を巻いてやりながらそれからも住み続けます。

その後、大イチョウの上には橋が造られることになりました。尾方さん夫婦は自分の家のお墓をまた大イチョウの根元に戻し、誰もいなくなった村ですっかり変わった村で変わらない暮らしを続ける事にします。数年たち銀杏が少しだけ尾方さんの思いが通じるように実りました。

集落を最後まで見守っていく。尾方さん夫婦は大イチョウと共に先祖と共に永遠に過していく、ここの大地になるように生きて行くのでした。

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「ここで土になる」の読書感想文の例

小学校高学年(5年・6年)の課題図書で求められる文字数は、本文1200文字以内となっています。

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

次の感想文は、空白をカウントせず、本文の文字数だけで1544字ありますので、文字数はオーバーしていますが参考にしてください。

便利な文字数カウンター
 

「ここで土になる」を読んで

ふるさとって何だろう?とこの作品を読んでそう思いました。
私は産まれてからずっと今のところに住んでいて引っ越しをしたことがありません。思い出や友達もたくさんいて、もし引っ越す事になったら友達と離れたり学校が変わったりすることはやはり嫌だなと思います。でも私が住んでいる町がダムになるので皆いなくなってしまったなら?ここに住み続けたいとは思わないかもしれません。
この物語は村がダムの計画により村人はいなくなり、風景は壊されてありがたい大イチョウも傷つけられた結果、壊すだけ壊したダム計画は中止に。でも尾方さん夫婦だけはずっと変わらず大イチョウを見守りながらずっとこの村に残るのです。それは集落を最後まで見守っていくために。

ダムの計画や中止がその村の人々の生活を一変させてしまいました。ダムの件に関してこの話がなかったら村人もいなくならず尾方さん夫婦ももっと楽しい生活をしていたのかもしれません。でも物語の尾方さん夫婦からはダムの件に関して怒りは感じないのです。誰もいなくなった村で生きると決めた意志の強さってなんだろう?と思います。
それを考えると私はまだ子供ですが友達との思いで以外でいま住んでいる町で自分が出来る事や守れるモノって何だろう?遠い将来大人になって子供や孫が出来た時、残してあげたいモノってなんだろうと考えさせられます。

ですが今年の4月に日本中がショックを受けた熊本地震が起きました。幸い物語の五木村は震度3で大きな被害はなかったようですが、住んでいるだけで命にかかわる危険があるならばやはり尾方さん夫婦も非難はしなければいなかったのかもしれません。また東日本大震災では町がなくなっても唯一残った「奇跡の一本松」その保存の是非が問われる問題もありました。一本の木を大切にしたい願い、一本の木があったからできたなつかしい思い出や唯一残った一本松にはどんなにお金がかかっても「たしかにここに住んでいた町があったんだ」という証になって住んでいた人たちは心の支えになるのかもしれません。
そう考えると尾崎さん夫婦はダム計画とその中止で村人たちはみんな出て行ってしまったけど「懐かしいふるさとには大イチョウと共に今も尾崎さん夫婦がいる」という心の支えになるのかもしれないと思いました。

私は今は住んでいる町から出て行くことは想像ができません。両親や友達とも離れたくありません。でも私が大人になった時に遠くにお嫁に行くかもしれないし、引っ越ししなければいけないかもしれません。その時残された両親は寂しく感じるかもしれないから申し訳ないような気がします。でもやっぱり今の家に両親は変わらずいてほしいし、私が帰れる場所があるってすごくうれしいのだと思います。そして私がもっと年を取った時、私の子供も同じように思うとしたら私がいる場所が帰れる場所になるのかもしれません。ふるさとっていつまでも変わらないでいてほしい、なつかしくて嬉しい思い出のある安心できる場所、やはり何か大切なものがある場所のことなのかもと気がつきました。

大イチョウは調べてみると「日本の巨樹・巨木」というのに選ばれているスゴイ木だと言う事を知りました。五木村に住んでいなかった人でも大イチョウの事を気にする人は日本中にいて見学に行く人もいるそうです。尾崎さん夫婦は大イチョウが日本中の人に心配されているのを知っているかどうかはわかりませんが、ご夫婦のおかげで安心して大イチョウを見に行ける人々がたくさんいるのはまちがいありません。
大イチョウは安心和尚がきっかけで有名になった木なのかもしれませんが、尾崎さん夫婦が守り続けているのはご夫婦にとっても出て行った村人や見ず知らずの人にとっても大切な人の思いがある場所なのかもしれません。


 

・・・おじいちゃん、おばあちゃんの写真もすばらしいです!
 

アマゾンのレビュー(書評)も参考になります!
「ここで土になる」アマゾンレビュー
 
その他の、2016年の課題図書一覧はこちら!
読書感想文 課題図書2016一覧(ページ数つき)

また、2016年の課題図書(小学生用)の各々の本ごとの考え方を書いた「攻略本」も発売されています。

 

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