「ぼくとニケ」読書感想文の書き方の例文

2019年の課題図書「ぼくとニケ」は「青少年読書感想文全国コンクール」小学校「高学年」の部(5,6年生用)として、今年一番おすすめの書きやすい本です。こちらでは、この本の感想文の例をご紹介いたします。


「ぼくとニケ」(講談社)
著者:片川優子・著
本体価格:1,400円
ページ数:226ページ
ISBN978-4-06-513512-9

内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
ある日、子猫がやってきた―。5年生で突然登校拒否になった幼なじみの仁菜が、薄汚れた子猫を拾い、ぼくの家へ連れてきた。自分の家で飼えない仁菜にかわって、ぼくと家族がお世話をすることになったのだけれど…。獣医師がえがく、子猫とぼくの大切な話。15歳のときに講談社児童文学新人賞佳作を受賞し作家デビューした獣医師が贈る、感動の物語。

『ぼくとニケ』詳細解説(ネタバレ注意)
    (かなり詳細なページです)

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読書感想文・用紙と字数のルール その他の詳細
     
    原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
    文字数については下記のとおりです。
    小学校高学年の部(5,6年生)本文1,200字以内 
    ※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
    ※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
    詳細はこちら⇒ 「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」

 

「ぼくとニケ」読書感想文の例

大人が書いたので、小学生では使わない漢字も含まれています。平仮名に変更した場合、1200文字をオーバーしてしまいますが、書き方の参考例としてご活用ください。

便利な文字数カウンター

■「ぼくとニケ」を読んで

私はどういうわけか猫が大好きである。それは猫がいるのといないのとでは、人生の幸福度が20%は確実に変わると思っているほど好きなのだ。そんな猫好きの私であるから、課題図書の4冊の中から1冊を選ぶにあたって、この『ぼくとニケ』を選ぶのは当然の成り行きであった。

ストーリーの骨格は「子猫との死別」であり、物語全般を通して「動物を飼うにあたっての責任意識」や「立場の違いや経験の違い」から、ペットに対する向き合い方に違いがでることを間接的に読者に伝えるための内容だと感じた。

しかし、私がこの本を読み、考えさせられたテーマは、著者の意図したものとはだいぶ違うところになってしまったようだ。

私が、この本を読んで考えさせられてしまった点は、題材とされている動物を飼うこと自体ではなく、人間が物事の結果に対して、自分なりの勝手な理由付けや推論、解釈をつけるという「心の性質」があることに対するものだった。

物語の中に出てくる登場人物それぞれの考え方に触れるうちに、人間は「現象と理由」をセットにしないと気が済まない性質があるのではないかという発見のような驚きを感じてしまったのだ。

本書のテーマはペットの「死」であったが、ニケの死や、登場人物が昔飼っていた猫の死などに対し、どれもこれも、各々が勝手な理由付けや、意義などを考えていたが、ペットを救えなかったことに対する各々の責任意識なども、私のような第三者から見れば、単に手っ取り早く原因を決めつけ、心の固定を得ようとする働きでしかないように思えたのだ。

私もそうだが人間は、不確定な心の状態を嫌うものであり、とりあえず早く「理由付け」や「原因」を特定させることで「心の固定化」つまり「安心」を得ようとする性質があると感じたのだ。

やれ「自分のせいで猫を死なせてしまった」だの「私がもっとしっかりしていれば」だのと自分の責任にすることは、一見立派そうに思えるが、実はてっとり早く不安定な心の状態から脱しようとする、一種の「逃避」のように思えたのである。このような心の働きは、いわば「無実の罪」で無理やり犯人をでっちあげていることと同じように思えたのだ。

「自分に責任をかぶせることは誰にも迷惑をかけずにできる責任の所在の特定の方法」であり、そのような方法を安易にとってしまいがちな「人間の性質に対する嫌悪感」を、私はこの本を読んで感じたのだ。

本書を読み、私は「深く考えもせずに自分のせいにすること」はやめることにした。しかし、これは他人とのやり取りの中で、自己弁護を肯定するという意味ではない。生活のなかで自分自身に対する安易な責任転嫁による「心の固定化」や「安心」を得ることをやめるという意味である。猫好きが原因で、偶然この本を手にした私であるが、この「人間の持つ心の性質のようなもの」の発見は大きな収穫だったと思う。(1186文字)
 

「ぼくとニケ」の感想文の例②・・・こちらのブログに1200字の感想文があります。
「ぼくとニケ」大人から見た感想と解説(読書感想文・例文)~2141文字

読書感想文の「構成」「話の広げ方」「表現方法」などは下記のページに書かれています。

【最重要ページ】読書感想文で「高得点」を得るためのポイントはこちらのページに書かれています!中高生向けですが参考になる点もあるはずです。ダウンロードできる「そのまま使えるテンプレート」「構成のサンプル」もありますので是非活用してください。

読書感想文の書き方のコツ図解
(テンプレート付き)

 

2019年 小学校高学年用(その他の課題図書)


「かべのむこうになにがある?」(BL出版)
著者:ブリッタ・テッケントラップ・作 風木一人・訳
本体価格:1,600円
ページ数:32ページ
ISBN978-4-7764-0816-1

内容紹介
大きな赤いかべがありました。いつからなのか、どうしてなのかだれもしりません。ねずみはかべのむこうが 知りたくて鳥にたずねると…。

内容(「BOOK」データベースより)
おおきなあかいかべがありました。いつからなのかどうしてなのかだれもしりませんでした。ちいさいねずみはおもいました。「かべのむこうになにがあるんだろう?」

『かべのむこうになにがある?』読書感想文の書き方・考え方の例
『かべのむこうになにがある?』読書感想文の書き方の例
 


「マンザナの風にのせて」(文研出版)
著者:ロイス・セパバーン・作 若林千鶴・訳 ひだかのり子・絵
本体価格:1,500円
ページ数:189ページ
ISBN978-4-580-82335-8

内容紹介
1942年、アメリカ。日系アメリカ人のマナミは、ワシントン州ベインブリッジ島で、家族と幸せに暮らしていた。いつものように学校へ通い、友達と遊ぶ日々は、ある日突然変わってしまった。家族で「強制立ち退き」しなければならなくなったのだという。愛犬トモとも別れて、住みなれた土地をはなれなければいけなくなった…。

『マンザナの風にのせて』読書感想文の書き方・考え方の例
 


「もうひとつの屋久島から:世界遺産の森が伝えたいこと」(フレーベル館)
著者:武田剛・著
本体価格:1,500円
ページ数:189ページ
ISBN978-4-577-04625-8

内容紹介
(「BOOK」データベースより)
1993年、日本で初めて世界遺産に登録された屋久島。この自然豊かな島のいたる所で、その11年前まで広大な原生林が伐採されていた事実があった!屋久島の過去・現在・未来にせまる、渾身のドキュメンタリー。

『もうひとつの屋久島から』読書感想文の書き方・考え方の例
『もうひとつの屋久島から』読書感想文の書き方の例

感想文の宿題は大変だと思いますが、完成した時の解放感もまた格別です。頑張ってください。(^o^)ノシ

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