『一〇五度』読書感想文の書き方の例文【3作品】

こちらでは、2018年読書感想文課題図書『一〇五度』(中学生用)に対する、読書感想文の着眼点や、読書感想文の書き方の例文【3作品】をご紹介いたします。

2018年読書感想文「中学生」の部 人気NO1

一〇五度 (あすなろ書房)
著者:佐藤まどか・著
255ページ
本体価格:1,400円
ISBN978-4-7515-2873-0

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『一〇五度』あらすじと着眼点例
『一〇五度』読書感想文【例文3作品】
中学生用「その他の課題図書」紹介

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『一〇五度』感想文のあらすじと着眼点のポイント

椅子デザイナーをめざす少年の、爽やかな青春小説です。
都内の中高一貫校に編入した真(しん)は、中学3年生。
スラックスをはいた女子梨々(りり)と出会い、極秘で「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦することに。
中学生としては前代未聞の、この勝負の行方は・・・・・・?
父との確執や、「チームを組む」ことのむずかしさなど、立ちはだかる大きな壁に迷いながらも、
自分の進むべき道を見出そうとする少年の姿に、胸があつくなります。
モノづくりの心とともに、夢と理想だけでは生きていけないクリエイターのシビアな現実もきちんと描かれているのは、
プロダクトデザイナーとしても活躍中の著者ならでは!
15歳を目前に、大人の階段を一段のぼろうとする少年を、時に叱り、時にあたたかく見守る祖父や、
まわりの大人たちのサポートも光ります。
進路について考えはじめる中高生におすすめのYA小説。
 

『一〇五度』着眼点の例
     
    本文中に出てきたエピソードをいくつか取り上げれば、進路に関しての「あなた」の意見が書ける本です。以下の点について話を広げてみるとよいでしょう。

    目標のあるなしに対するあなたの意見
    進路の判断について
    「やりたいこと」と「できること」の違い
    親の期待と自分の意見が対立したときどうするか
    中学生と職業の選択について
    友だちのありかたや存在意義
    家庭環境と進路
    AI時代と今後の職業選択について
    人生における職業・家族・友人
    タイトルについてどう感じるか?・・・など

 

『一〇五度』読書感想文の書き方【例文3作品】

読書感想文の「構成」「話の広げ方」「表現方法」などは下記のページに書かれています。

【最重要ページ】読書感想文で「高得点」を得るためのポイントはこちらのページに書かれています!ダウンロードできる「そのまま使えるテンプレート」「構成のサンプル」もありますので是非活用してください。

読書感想文の書き方のコツ図解
(テンプレート付き)

 

『一〇五度』(読書感想文の書き方の例文①)

『一〇五度』を読んで

「私には夢がない」これは何度となく私の頭の中で聞いたことのある悲しい響きをもつ一言である。「自分はいったい何がしたいのか」「生まれてきたからには何か役目のようなものがあるのか」そのような自分自身への「問い」を持つことは、私ぐらいの年齢の人間にとってはごくあたりまえなのかもしれない。

とくに何がしたいでもなく、これといった目標もない現在の私にとって、課題図書の中から目標に向かい努力している同じ中学生の姿を描いたこの作品に興味をいだいたのはごく普通の流れだった。

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この作品は、都内の中高一貫校に編入した主人公、中学三年の真はスラックスをはいた女子梨々と出会い、極秘で「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦することになる。コンペに出場することは、親の期待である進路のための勉強をおろそかにする行為でもあり、また、デザイナーという厳しい世界に興味を向けていることも知っている。そのような葛藤の中でどのような考え方をしていき、自分なりの結論をだしていくか。そのような物語であった。

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私は本書を読み、著者はおそらく、この作品を通じ、やはり将来を考えるための切っ掛けを提供したかったのだと思った。自分の夢と職業の選択、現実の厳しさ、親の意見と自分の考え、やりたいことと自分の能力など、将来を考えるうえで参考になるさまざまな要素が、かなり現実的な内容で作品中に盛り込まれていたからだ。

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特に私が注目した点は、主人公の真は、父親と確執があり、その点での悩みが大きいという点だ。なぜなら、私の親はそれほど進路について厳しく方向付けをしてくるタイプではないため、同じ中学生でも家庭によってはこのような悩みを抱えている人もいるのだと気づかされたからだ。

もし私の親が、自分の進路をとやかくいうタイプだったら、私はまったく無視するだろうし、真の父親のように小難しい親だったら真以上にいうことを聞かないと思う。そのようなトラブルを招く原因が我が家にはないことに感謝の念すらいだいたのだ。

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また、そのような悩みを救うかのように、祖父の投げかけた言葉も印象的でした。その言葉は「おまえは人生の分岐点にさえたどり着いてない。14歳でそんなに悩むことない」という言葉でした。

実は、私もこの祖父とまったく考えが同じだからです。人生100年時代という言葉を耳にするようになった現代において、なぜそんなに急いで人生を決めようとしなければならないのか、真の父親の考え方に反対だった私に、祖父の言葉は大きくうなずかせる力があったのだ。

私の好きな言葉に、コロンビア大学の元学長ハーバード・E・ホークスの「この世の悩みの大半は、判断の根拠となる知識が十分でないのに、あえて判断を下そうとすることから生じる」というものがある。とても真理を語った言葉だと思うのだが、私の年齢でこれから80年以上に影響を及ぼすであろうことを、この年齢までで得た知識を組み合わせることだけで判断しようとすること自体、そうとうに勇み足だと思うのだ。私の場合、まだまだ判断の基礎になる「判断材料」が不足している年代だと思うのである。

本書の中にも、梨々の部屋でプロジェクトを進めているうちに、決定版と思えるデザイン「フリースタイル」という自由な使い方ができる椅子を発見するというエピソードがあったが、これも二人がさまざまな研究をするなかで発見できた情報である。つまり、いろいろなアクションを起こしているうちに出会えた情報であり、つまりは経験を積んで発見できたことを象徴しているのだと思ったのだ。経験を積み判断材料を増やしていくなかで「これぞ」と思えるものに出会えたわけである。

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その他にも、この作品には、私の心に響く興味深いエピソードがあった。それは、真が自分なりに、これぞと思ったスタイルの椅子にであい、そのスタイルで模型を作った場面である。実際に作ってみると「まともになりすぎる」仕上がりだったのだ。そこで人体模型を座らせてみると、自分サイズで考えてデザインしていたことに気づいたという内容だ。

この部分を読んで、私は自分にも当てはまる「人間のもつ思考の悪い癖」のようなものを見せられた気がしたのだ。つまり、何かを考える際、自分を基準にして考えてしまうという癖である。そのため、真が人体模型という標準的な構造のものを椅子に乗せた際、はじめて自分の基準との「ズレ」に気づいた場面が印象に残ったのである。自分の考えは一度標準的なものと照らし合わせる必要があるという教訓のようなものを教えられたのだ。

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さらに、この本のタイトル「一〇五度」にも、著者のメッセージが隠されているように思った。真は椅子の背もたれの最適な角度を割り出し、105度という角度を発見したのだが、これは一種の「バランス」の象徴だと思える。

つまり「人生にはバランスが大切」という著者からのメッセージを感じたのだ。自分本位になりすぎることなく、かといって他人の言葉に影響をうけすぎるのもよくない。真がこの角度を発見したように、自分でさまざまな経験を積み、さまざまな判断材料を得て、その中から後悔のない人生を選択するべきだ。というメッセージを感じとったのです。

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この本は先にも述べたように、進路を考えるうえで、さまざまな角度から問題提起をしている密度の濃い本だったと思う。自分の考え方を強化するとともに、これまで以上に判断材料として考慮しなければならない課題のようなものも発見できた点も嬉しい。また、なにより真の親より寛大な親の元に生まれた点に感謝できるようになったことがありがたかった。本書はそのようにさまざまな刺激をあたえてくれた良書であった。(2307文字)

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    変わったタイトルの本の場合「なぜそのようなタイトルなのか?」を考えてみましょう!タイトルは本の売り上げに影響する重要な要素であるため、本を出す際、出版社では「タイトル会議」という、タイトルのためだけの会議が開かるほどです。そのため、変わったタイトルの場合、そこに込められた「本のメッセージ」を推論すことで感想文の内容として活かすことができます。つまり、それらしい内容で文字数が稼げるってことです・・(^∇^)″

    また「私なら、この本に○○というタイトルをつけるだろう」といった、自分が感じた本のメッセージに合わせた「最適なタイトル案」を紹介し話を広げる作戦もよいでしょう!

 

『一〇五度』(読書感想文の書き方の例文②)

製作中です・・その代わり、と言っては何ですが、こちらのページの「一〇五度」についての「読書会記録」は、いろいろな人の意見が書かれていて切り口の参考になります!

『一〇五度』の読書会記録
  (ページが重いので表示されるのに3秒ぐらいかかります)

・・「読書会」って結構はやってるみたいですね。ビックリ(◎_◎)

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『一〇五度』(読書感想文の書き方の例文③)

 
 
製作中です・・完成しだい掲載いたします。

 
 



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