「おれ、よびだしになる」読書感想文の書き方【例文3作】

2020年の課題図書対策!
こちらでは「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1,2年生用)
『おれ、よびだしになる』の「あらすじ」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、子供が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


『おれ、よびだしになる』
中川ひろたか (著), 石川えりこ (イラスト)
32ページ
出版社: アリス館 (2019/12/4)
定価(本体1,400円+税)

 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
『おれ、よびだしになる』あらすじと着眼点の例
(全文朗読!読み聞かせ動画)
読書感想文の例【3作品】
書きやすい読書感想文の構成の例

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『おれ、よびだしになる』あらすじと着眼点の例

主人公は小さいころから相撲がすきで、いつもテレビで相撲を見てた。しかし、一番好きなのは「おすもうさん」ではなく「よびだし」さん。

そんな彼が、誕生日に連れて行ってもらった大相撲で、よびだしさんに朝稽古に誘われてる。そして、中学を卒業と同時に大相撲の世界にとびこんだ彼の成長を描いた絵本。

『おれ、よびだしになる』全文朗読!読み聞かせ動画


 

     
    以下のような 着眼点を参考に感想文をまとめてみるのはいかがでしょうか?

    この作品は「他人があまり注目しない脇役の仕事」に魅力を感じ、その仕事を志すところに主人公のユニークさや、児童書としての新しさがあります。自分の価値基準に従い、純粋に「好き」と思った対象を夢に持ち続け、それを叶えた主人公の物語です。

    「他人があまり注目しない対象を目標に持つ人生」もスバらしいのだ、という内容です。いわば「個性的な人生とは目標設定の個性でもある」ということが学べる本といえます。

    今日、誰もがいい大学を出て大企業に就職することを良しとする時代は終わった感があります。そのような時代において本書を読むと「オリジナリティーのある夢や目標」を持つことの素晴らしさが学べるため、その意味で子供向けの「今日的な成功ノウハウの本」なのです。

    通常、相撲が好きなのであれば、多くの人は「お相撲さん」にあこがれますが、主人公は、お相撲さんではなく、相撲をささえる仕事の一つである「呼び出し」に興味をもったことについて、どのように感じたかを感想の内容としてみるのはいかがでしょうか?

    主人公が、子供のころからの夢を持ち続けて、夢を叶えたことについて「夢を持ち続けること」の重要性について、思いを述べのもよいでしょう。

    主人公は子供のころ相撲を見に行った際、呼び出しさんから歓迎されたエピソードをもっています。また、最後のページで、主人公は更なる大きな目標を掲げることになりましたが、それはお相撲さんから褒められたことが切っ掛けでした。これらの点に注目し「他人を受け入れること」や「他人を褒めること」の大切さの発見があったことを感想文の中心にするのもよいでしょう。

    そこから「人は人から影響を受けやすい存在であること」や「言葉には他人を変える力があること」「自分も他人を受け入れ、褒めてあげたり希望を与えられる大人になりたいと思ったこと」、逆に「相手を傷つけるような言葉は使わないようにしようと思ったこと」などに進展させ、それらを(子供の言葉で)、自分の思い出なども紹介しながら感想文としてまとめれば、評価の高い感想文になるでしょう。

    主人公は、最後のページで更なる目標を掲げましたが、この主人公の誓いの言葉を知った時、どのように思ったか?

    褒められて安心したり調子に乗ったりはせず、目標をステップアップさせた主人公の立派さ、大きな目標をもつことの大切さやすばらしさ、更なる大きな目標を持つのと持たないのとではどのような違いがあるか、などの考えを述べてみるのも良いでしょう。

    もし主人公がお相撲さんを志したのであれば夢を叶えられたでしょうか?オリジナリティーのある「マイナーな目標は競争相手が少ない(叶いやすい)」という利点があることに気づいたという内容の感想文を書くのもよいでしょう。

    今日「オタクは成功のもと」・・とも言われるようになりましたが、「単なるオタク」と「成功者するオタク」を分ける違いについて、そこにはどのような違いかの考えを述べるのもよいでしょう。「そこに社会の受け皿があるかどうかの違いでは?」・・という点について触れるとまとめやすいでしょう。

    ※主人公は呼び出しとして、財団法人日本相撲協会関連の仕事に就いたといえます。就業規則もしっかりしていそうな就職先ですが、この本人も気づかない「堅実さ」が、たまたまあったから親も認めたのではないでしょうか。(笑)

    ・・・これらの中からどれかを中心に「自分の考え」や「思い出」などとからめて感想文をまとめてみましょう。小学校低学年生の場合、本文800字以内という指定ですので、それほど深い感想は書けませんが・・・。(笑)
     

    管理人の個人的着眼

    主人公は、小さいころから目標をも持ちながら生きてきたわけですが、目標は必ずしも持たなくても良いという考え方もあります。目標を持つことには視野を狭めるマイナスの作用もあるからです。

    つまり「勇み足」的に本来その人が持つべきではない(特に資格試験などの)目標を掲げてしまうことで、それ以外が見えなくなり、人生の歩みをおかしくしてしまう可能性もあるからです。

    この主人公は、本当なら東大理科三類を卒業し、脳外科の世界的権威として多くの人の命を救うはずの人物だったのかもしれません。それなのに子供のころ、たまたま相撲部屋に遊びにいったことが切っ掛けで「おれ、よびだしになる!」と、わけのわからない目標を持つに至ったのかもしれません。安易に子供が興味付けられてしまうようなものを見せるのは「教育的に危険」という内容の絵本と捉えることもできます。・・・(笑)

    本来目標は、見分を広げたうえで、その人にとって最大限の成功をおさめられる対象に決めるべきです。このように「本の執筆意図」とは真逆の内容で感想文を書くのも・・・ま、小学校の低学年生には無理でしょうが・・・

    「大人の絵本の楽しみ方」でした・・(^∇^)″

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、学校からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

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「おれ、よびだしになる」読書感想文の例文【3作品】

以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。感想文の指導をされる大人が読みやすいよう、小学校低学年では学ばない漢字も使っています。(低学年生の指定文字数は本文800文字以内)

便利な文字数カウンター
 

『おれ、よびだしになる』を読んで①

僕は、課題図書の四冊の全部を読みましたが、一番面白かったのは、この感想文で感想を紹介する『おれ、よびだしになる』でした。

なぜ、この本が一番面白かったかといえば、この本の主人公は自分で決めた目標を叶えていったお話だったからです。また、面白いだけでなく、主人公の男の子はとても偉いと思いました。

それは、将来なりたいと思った目標を中学校を卒業するまで飽きずに持ち続け、そして実際に叶えたからです。

この本の主人公は僕と同じぐらいの年齢だと思えたのですが、僕はまだ将来なりたい仕事がまったくありません。僕は、サッカーが好きなのですが、それほど上手ではないため、サッカー選手になりたいとは思いません。

また、僕はテレビゲームが好きなのですが、お父さんと勝負をしても、あまり勝てたことがないので、ゲームのプロにはなれないと諦めています。以前、消防車に乗って火事の現場に向かう消防士がカッコ良く思え、消防士になりたいと思った事もありました。でも、知らないうちに、それほど消防士になりたいとは思わなくなっていました。

僕の場合、何か目標をもっても、いつも長く思い続けられたことがありませんでした。そのため、この本を読んで、僕も主人公のように、長く思い続けられる自分の目標を持ちたいと思うようになりました。それも主人公のように、まわりの人たちにも褒められ、それを励みに、もっと大きな目標につなげられるような、みんなに喜んでもらえる目標がみつかればいいなと思いました。

僕は飽きっぽい性格なのですが、まずは探す姿勢だけは持ち続けようと思いました。
 

『おれ、よびだしになる』を読んで②

「よびだし」ってなんだろう。僕はこの本の題名を読んだ時、そう思いました。本の内容を読んでみると、お相撲の試合をするときに、お相撲さんをよびだす役割の人だと分かりました。また、お相撲さんをよびだすだけでなく、土俵をつくったり、お相撲の試合があることを宣伝する役目など、いろいろなことをする人だということも分かりました。

この本では、子供のころ、よびだしさんをかっこいいと思った男の子が、中学校を卒業して、よびだしさんになった話が書かれていました。また、よびだしさんになった後、横綱によびだしが上手だったことを褒められて、日本一のよびだしになると目標をもったことも書かれていました。

僕は、この本を読んで一番感動したところは、この部分でした。一番最後のページで、この男の子はこのようにすごく大きな目標をもったのですが、凄いなと思いました。

もし僕だったら、よびだしになれただけで嬉しく思い、もっと大きな目標をもとうとは思わないと思ったからです。横綱に褒められたのですから、大成功したと安心して、喜んで終わりにしたと思うからです。それなのに、この男の子は、横綱に褒められたことを励みにして、もっと難しい目標を叶えようとチャレンジすることを考えたからです。

また、この男の子は、子供のころ相撲の試合を見に行った時、テレビに出ているよびだしさんに会い、相撲の練習を見に来るように誘われていましたが、この男の子は、ほかの人に誘われたり、褒められたりしたことがあったため、それが原因で、目標を持ったり叶えたりできたのかなと思いました。

だから、人を誘ってあげたり、褒めたりすることは、その相手に目標をもたせることにつながることなんだと思いました。そのため、僕もこれからは誰かを見たときに、上手だったり、頑張っていた場合は、これまでよりも褒めてあげたり、励ましてあげたりしてあげようと思いました。
 


 
『おれ、よびだしになる』を読んで③

以下、完成次第、掲載いたします。

 

書きやすい感想文の構成の例(書き方の順序)

最後に、書きやすくまとめやすい読書感想文の構成例をご紹介いたします。

感想文は、自分の思いや考えを順序だてて「説明するもの」だと思えば比較的楽に書けるものです。「なぜこの本を選んだのかの説明」「なぜ、そこでそう感じたのかの説明」「この本を読んで自分の考えにどのような変化があったのかの説明」・・・このように各パートごとに理由やエピソードをまじえて「説明していくもの」と考えれば、それほど抵抗なく原稿が書けるはずです。

①なぜこの本を選んだのかの説明
②大まかな内容を手短かに説明
③特に気になった箇所やフレーズを紹介(1)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
④特に気になった箇所やフレーズを紹介(2)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
⑤著者がこの本を通じ伝えたかったことを想像し考えを書く
(伝記の場合はその人のどの点が立派だったのか)
⑥この本を読む前と読んだ後とでどのような考え方の変化があったか
 この本によって発見したことや反省させられた点など「本からの学び」を説明

※小学校低学年生用の文字数の指定は本文800字以内ということで、④と⑤は省略してもよいでしょう。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中学生・高校生向けですが、小学生を指導する方にも参考にしていただける内容です。

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

 
 

『おれ、よびだしになる』

 

2020年の「小学校 低学年」課題図書全4冊の紹介ページ
読書感想文 課題図書2020(小学校 低学年)4冊

オリジナリティーあふれる目標をもつことの素晴らしさ

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