「もうひとつの屋久島から」読書感想文の書き方の例
こちらでは、2019年読書感想文の課題図書(小学校高学年)「もうひとつの屋久島から」の「感想文の書き方の例」をご紹介いたします。
「もうひとつの屋久島から:世界遺産の森が伝えたいこと」(フレーベル館)
著者:武田剛・著
本体価格:1,500円
ページ数:189ページ
ISBN978-4-577-04625-8
内容紹介
(「BOOK」データベースより)
1993年、日本で初めて世界遺産に登録された屋久島。この自然豊かな島のいたる所で、その11年前まで広大な原生林が伐採されていた事実があった!屋久島の過去・現在・未来にせまる、渾身のドキュメンタリー。
著者・武田剛
1967年生まれ。立教大学文学部卒・山岳部OB。1992年、朝日新聞入社。富山支局員、東京本社写真部次長、編集委員などを経て、2012年に退職した後、世界自然遺産の屋久島に移住。新聞社時代には、2003年末から1年4カ月間、45次南極観測隊に同行して、昭和基地で越冬取材。帰国後、地球温暖化をテーマに環境取材を始め、グリーンランド、ネパールヒマラヤ、北極圏カナダなどを取材。現在、朝日新聞と鹿児島放送の屋久島駐在。『地球最北に生きる日本人』(フレーベル館)では、第53回児童福祉文化賞、第57回産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
プロローグ
一章・屋久島で暮らす
・日本一雨が降る島
・太古の森
・山ばかりの島
・「屋久島支局」を建てる
二章・屋久島での取材はじまる。
・大人気の巨大杉
・ウミガメが命をたくす砂浜
・伝統の山岳信仰「岳参り」
・世界で屋久島だけの花
・日本中の気候と植物が集まる森
三章・屋久島の森の歴史
・江戸時代の伐採
・大正から昭和への大伐採
・立ち上がる青年たち
・現地視察から公開討論会へ
・告発の映画
・大自然の反乱
・ついに伐採が止まる
四章・屋久島の課題
・受難続きの縄文杉
・山のトイレ問題
・山小屋に管理人を
・屋久島の将来を担うガイド
・観光の質を高める
エピローグ
あとがき
「もうひとつの屋久島から」感想文の書き方の例
屋久島はこんな感じの島・・・
読書感想文の書き方の例を紹介する前に、ここで「標準的で読みやすい読書感想文の構成例(書き方の順序の例)」をご紹介いたします。順番が決まれば、それにそって書けばいいので書くのが楽になります。
②本の説明(あらすじや概略・本の周辺情報・全体的な印象など)
③作者が伝えたかったことの推論 ←「⑤まとめ」に入れてもよい
④印象に残った部分①
・印象に残った部分②
・印象に残った部分③
⑤まとめ(読んだ後の私の変化・改善・反省・誓い・感謝・副次的に得たことなど)
では、次に感想文の例をご紹介いたします。本来1200文字までで書く必要があります。やや文字数がオーバーしていますが、参考にして1200文字までで、自分の感想を書いてください。
「もうひとつの屋久島から」を読んで
今回この本を読もうと思ったきっかけは、親戚が屋久島に旅行に行ってきたという話を聞いたためである。
親戚から話を聞くまで、私のもつ屋久島のイメージは、かなり小さいイメージだったが、予想以上に大きいことを知り、どんな島なのか興味をもったのだ。
世界遺産に認定されて以来、屋久島は人気の観光スポットになっていることは、ニュースなどで時々話題に取り上げられているため私も知っていた。しかし、屋久島とはいったい日本のどの辺にある島なのかすら最近まで深く考えることはなかった。
著者は、もと新聞記者であるが、南極や北極など、なぜか探検家さながらの極致を取材することが好きな人でした。そのため、日本の極致ともいえる屋久島に興味を持ち、屋久島に住み着いたというユニークな人。
本書を読んで印象深かった点は、主に次の四つである。
一つ目は、屋久島の自然や、この島に暮らす島民の様子。二つ目は、なにゆえ世界遺産になれたかその理由。三つ目は、過去の島の自然に対する国の考え方や島民の接し方、四つめは、自然を守るためにはアクションが必要であるということ。
まず、屋久島の自然についての蘊蓄を知れた点がよかったわけですが、もともとの私のもつ屋久島のイメージとしては、海にポツンと浮かぶ小さな島をイメージしていたのですが、東京23区の8割もの大きさがあり、島民もなんと1万3千人も住んでいるような規模の島だったという点に驚かされたのである。
また、電力会社はその島にある小さな会社が運営しているため、電柱1本新しく設置する場合、50万円もかかるため、住民は近くに集まって住むしかない現状だったという不便を知り、思わず「へ~」と島で暮らす大変さと現実を知ることになった。この点で感じたことは「よくそんな不便な島に1万3千人も住んでいるなあ……」という感想だった。
屋久島が世界遺産に選ばれた理由については、私は「大昔の杉の木などがそのままの形で残っているから」だと勝手に決めつけていましたが、実はそうではなく、高い山が存在することで、日本の植物の多くが高さに応じて生息しているその自然の形態が世界遺産にふさわしいという理由だった点に気づかされたのだ。
特に、3章で語られていた「過去の島の自然に対する国の考え方や島民の接し方」が印象深かったのですが、島の貴重な大木が、江戸時代は年貢のために伐採され、20世紀になっても、戦争や高度経済成長にともなう、木材の不足から、どんどん切り出されていったという歴史について知ったとき、思わず「うわ~、もったいないことしてたな~」と思ってしまいまった。
考えてみれば、島民にとっては義務として切り出さなければならなかったり、マスコミの「木材不足解消のため伐採をあおる記事」などが、切らないとまずいような雰囲気を作ってしまったことも原因だったようだ。現在のように自然保護という観点がない昔の人の感覚では、そうなるのだと考えさせられてしまった。
その中で、著者達の働きかけは大変意義のあったことだと思う。やはりマスコミ出身の著者であり、世論を動かし、自然を保護するように行政を動かすための方法を知っていた人だったから、現在の屋久島の自然保護や、世界遺産への登録がされたのだと思う。
この本を読み、著者は「世の中に知らせることの大切さ」を読者に伝えたかったのだと思う。社会を動かすためめには、一人の力では無力のままで終わることが多いはずだ。社会を動かすためには、そうなるに値する「知らせ方」や「働きかけ方」を用いる必要があることを知ることができた。(1462文字)
こちらのブログも参考になります
『もうひとつの屋久島から』読書感想文の書き方・考え方の例
感想文は大変な宿題ですので、ぜひ早めにはじめてください!(^o^)ノシ
2019 小学校「高学年」用のその他の課題図書の紹介
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著者:片川優子・著
本体価格:1,400円
ページ数:226ページ
ISBN978-4-06-513512-9
内容紹介
(「BOOK」データベースより)
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『ぼくとニケ』読書感想文の書き方・考え方の例
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「かべのむこうになにがある?」(BL出版)
著者:ブリッタ・テッケントラップ・作 風木一人・訳
本体価格:1,600円
ページ数:32ページ
ISBN978-4-7764-0816-1
内容紹介
大きな赤いかべがありました。いつからなのか、どうしてなのかだれもしりません。ねずみはかべのむこうが 知りたくて鳥にたずねると…。
内容(「BOOK」データベースより)
おおきなあかいかべがありました。いつからなのかどうしてなのかだれもしりませんでした。ちいさいねずみはおもいました。「かべのむこうになにがあるんだろう?」
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「マンザナの風にのせて」(文研出版)
著者:ロイス・セパバーン・作 若林千鶴・訳 ひだかのり子・絵
本体価格:1,500円
ページ数:189ページ
ISBN978-4-580-82335-8
内容紹介
1942年、アメリカ。日系アメリカ人のマナミは、ワシントン州ベインブリッジ島で、家族と幸せに暮らしていた。いつものように学校へ通い、友達と遊ぶ日々は、ある日突然変わってしまった。家族で「強制立ち退き」しなければならなくなったのだという。愛犬トモとも別れて、住みなれた土地をはなれなければいけなくなった…。
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