「窓ぎわのトットちゃん」読書感想文の例文【3作品】(小学生むけ)

「窓ぎわのトットちゃん」
読書感想文(小学生に教える大人用の)解説ページ

アニメ化も決定されたということで、感想文の題材に利用する人も多いかと思い、こちらでは、おもに小学生が800字・1000字・1200字程度で感想文を書くためのあらすじや、着眼点(切り口)の例感想文の例文の紹介をしております。
  

※中学生・高校生向けにはこちらのページをご参照ください。
「窓ぎわのトットちゃん」読書感想文の例文(中学生・高校生)【入賞作品あり】

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朗読版「窓ぎわのトットちゃん」
 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「窓ぎわのトットちゃん」について
「窓ぎわのトットちゃん」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【3作品】
書きやすい読書感想文の構成の例

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「窓ぎわのトットちゃん」について・・・

40年の時を経て、アニメ化決定!

本書は日本におけるベストセラーランキング1位の「超」ベストセラーにしてロングセラー。かつ海外でも大人気のベストセラー。(中国でも1000万部突破!)。

そして、2023年、本作のアニメ化も決定され、更なる売れ行きが期待できる「超話題作」です。「窓ぎわのトットちゃん」は、黒柳徹子さん自身の幼少期の体験を基にした感動的な物語です。物語は昭和時代の日本を舞台に、個性的で自由な心を持つ少女トットちゃんの成長を描いていた作品です。
 

「窓ぎわのトットちゃん」あらすじ

物語の始まりは、トットちゃんが通っていた伝統的な学校での出来事から始まります。彼女はその学校で、規則に縛られた教育に馴染めず、結果として退学になってしまいます。しかし、その後トットちゃんは、トモエ学園という革新的な教育方針を採用した学校に入学します。そこでは、先生たちが生徒たちの個性を大切にし、自由な発想を奨励していました。

トモエ学園で過ごすうちに、トットちゃんは自分の才能を開花させ、周囲の友達や先生たちと素晴らしい経験を重ねていきます。彼女は様々な出来事を通じて、友情や愛情、喜びや悲しみ、そして人とのつながりの大切さを学んでいきます。

一例として、縁日でヒヨコを買ったエピソードでは、生命の尊さや死と向き合う悲しみを経験します。また、「一番悪い洋服」のエピソードでは、母親の愛情を感じながら、ユーモアのある言い訳を作り上げていきます。

トットちゃんが成長する中で、特に印象的なのは、校長先生との関係です。校長先生は彼女の心の支えとなり、彼女が自分の道を見つける手助けをします。彼女が過ちを犯した時でも、校長先生は優しく叱り、そして彼女が素晴らしい子であることを褒め称えます。

物語の終わりには、戦争が始まり、トモエ学園は閉鎖されてしまいます。しかし、トットちゃんはそこで得た自由な心と経験を胸に、戦争や困難な状況に立ち向かっていきます。
全体を通して、本作は個性を大切にし、自由な心で生きることの大切さを伝える感動的な物語です。

また、現代の教育や社会にも通じる普遍的なテーマを持っており、多くの人々に愛され続けています。トットちゃんの成長を通じて、読者は人間関係や情操教育の重要性、そして互いに理解し合うことの素晴らしさを学ぶことができます。この物語は、子どもから大人まで、幅広い世代に感動を与える名作となっています。 

ここがポイント!着眼点の例

以下のような着眼点を参考に自身の考え方を述べてみるのはいかがでしょうか?

たくさんの本の中から、この本を選んだ理由は?

人の個性と教育のありかたについて感じたこと。

トットちゃんは「トモエ学園」の校長先生との出会いによって人生が変わったといってもよいでしょう。その点について考えたこと。

もし寛大なお母さんや、小林校長のような人に出会わなかったのなら、トットちゃんはどのような人になっていたかを想像した感想文もよいでしょう。受け入れてくれる人の価値について思ったこと。

「自分がもしトットちゃんのような立場だったら」と想像し、トットちゃんと自分の対応の違いを述べてみるのもよいでしょう。

他人と違うことの価値について。

「トモエ学園」は戦争で焼けてしまいましたが、その点についてどう感じたか?

著者の黒柳さんは、この本をどのような気持ちで本にしたでしょうか?

もしこの本にサブタイトルをつけるなら自分ならどのようなサブタイトルをつけるかを理由とともに紹介する感想文もよいでしょう。

この本と似た内容の本を紹介し、両者を対比する感想文もよいでしょう。別の本の内容を絡め対比させた感想文でも入賞作品は多く存在します。

この本を読む前と読んだ後との変化について。

この本を通じて「読書の大切さ」や「読書の価値」、あるいは「本を書き残す価値」について気づいた、という内容の感想を含めるのもよいでしょう。

・・・これら中からいくつかを引き合いに出し「自分の考え」や「過去の思い出」などとからめて解説してみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。
 

読書感想文の例【3作品】

以下に 感想文の例文を、入賞作品を含め計3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。

便利な文字数カウンター

「窓ぎわのトットちゃん」を読んで①

時々、教室の窓から空を見上げると、トットちゃんと泰明ちゃんが一緒に見たすごい入道雲を思い出すことがある。

小学校の間に、いつか読書感想文で「窓ぎわのトットちゃん」を選ぼうと、ずっと決めていた。その理由は、この本が私にとって「とっても大切な本」だからだ。

「主人公のトットちゃんは、あなたに似ているね。」お母さんに勧められて読んだこの本は、すぐに私の「お気に入りの本」になった。

幼稚園のころ、私はバスで登園していた。帰る時間になると、先生がバスに乗っている子どもたちを数えるけど、乗るはずの子どもが一人足りなかった。その逃げ出した子どもは、私だったんだ。

この話をするとき、お母さんは子どもだった私を思い出して、嬉しそうな顔で、懐かしそうに、大事そうに話す。いつもおちゃらけている弟にこの話を聞かれるのは、ちょっと恥ずかしいし、あのときの私が何を考えて逃げたのか、話を聞くたびに疑問に思う。

さらに、バス停までの道のりをジャンプだけで進んで、お父さんやお母さんを困らせたり、通っていた病院では、初めて会ったおじいさんやおばあさんに話しかけてお母さんを心配させていたらしい。そんな私がトットちゃんに似ていたのだろう。何も覚えていない私でも、まるでトットちゃんみたいだと思って苦笑いする。

でも、この本が「お気に入りの本」から「とっても大切な本」に変わった理由は、私とトットちゃんが似ているからだけじゃない。何度も読み返して、私がこの本をどうしてこんなに大切に思うのかを考えてみた。

トットちゃんが自分の木に親友の泰明ちゃんを呼ぶシーンがある。小児麻痺の泰明ちゃんは手足に力が入らない。だから、木に登ったことがない泰明ちゃんのために、細身のトットちゃんは、全力を尽くして泰明ちゃんを木の上に押し上げた。

泰明ちゃんはトットちゃんを信じ、トットちゃんはその信頼に応える。やっと登った木の上で、二人が見つめた空は、これまでにない美しさだったに違いない。

トットちゃんは自分が面白いと思うこと、やりたいと思うこと、好きだと思うことを、他の人の意見に惑わされずに大切にしている。そして、泰明ちゃんと一緒に木に登ったときのように、それを他の人とも分かち合いたいと思っている。

また、泰明ちゃんが木の上でアメリカのテレビ番組について話す時、トットちゃんは相手の「興味」や「好み」を大切にし、理解しようと興味を持っている。トットちゃんの「すごさ」はこうした点にあふれている。トットちゃんの「すごさ」に触れることで、この本は私の「とっても大切な本」になった。

「困っていた」トットちゃんのような私が、「すごい」トットちゃんになれるように、自分自身のことも、他の人のことも、大切に思いやることができる人になりたい。

「窓ぎわのトットちゃん」を読んで②
 
「君は、本当にいい子なんだよ。」トットちゃんの心の中に、「私は、いい子なんだ。」という自信をつけてくれたのは、トモエ学園の校長先生でした。トットちゃんはいつもこの言葉を思い出して、つらい時も乗り越えられたそうです。

私は、この校長先生の言葉に感動しました。なぜかというと、トットちゃんは、すごく変わっている子でした。前の学校の先生に、怒られてばかりで、学校が嫌いになってしまいました。けれど、トモエ学園に来てからは、校長先生のこの言葉で、生き生きと楽しく学校に通えたからです。

私も先生に怒られると、落ち込んでしまいます。しかし、校長先生のこの言葉を聞いて、はっとしました。私は今まで、学校の先生やお母さんの言うことを聞いていればいいと思っていました。けれど、トットちゃんと校長先生のおかげで、それだけではないということが分かりました。自分がやってみたいと思ったことを、実行してみることも必要だと思いました。

校長先生は、いろいろな言葉を知っているので、多くの人を励ましたり、楽しませたりできると思います。

トットちゃんも変わった女の子から、立派な大人になったのだと分かりました。どんなに悪いことをしても、人間の中には優しい心があるのだと知りました。よく、良い子だけを見てあげて、悪いと思う子を見捨てていて、ひどいと思うことがあります。そうなってしまうとトットちゃんみたいに、学校が嫌いになったり、嫌になったりします。そのためにこの『窓ぎわのトットちゃん』という本ができたのだなと思いました。

そして、校長先生が言った言葉、「君は、本当にいい子なんだよ。」と、怒った後この言葉を言ってあげることで、学校に楽しく生き生きと通えるのだと分かりました。私は話すことが苦手です。トットちゃんは、たくさんお話をします。性格が違ったから、この話に感動したのだと思います。また、トットちゃんと性格が似ている人だと、違う感じ方をすると思います。そして違う勇気をもらい、前に向かっていけるのではないかと、考えることができました。

私は、トットちゃんのおかげで自分に自信が持てるようになり、学校に楽しく通えそうです。

『窓ぎわのトットちゃん』は子どもから大人まで読める本です。また、「君は、本当にいい子なんだよ。」という優しい心のこもった声で、みんなに勇気、自信を教えられる校長先生のような人になりたいです。この言葉を大切にしまっておき、友達と仲良く、先生とも仲良く、小学校生活をいっぱい楽しみたいと思います。
 

入賞作品の紹介

入賞作品はこちら
  (PDF形式で開きます)
 
※中高生向けに書かれた感想文の例文もご参考にどうぞ!
「窓ぎわのトットちゃん」読書感想文の例文(中学生・高校生)【入賞作品あり】
 

書きやすい読書感想文の構成の例(書き方の順序)

書きやすくまとめやすい標準的な読書感想文の構成例をご紹介いたします。

感想文は「順序だてて説明するもの」だと思えば比較的楽に書けるものです。

①なぜこの本を選んだのかの説明
 ⇒ 読書感想文の書き出し入賞21パターン 
②大まかな内容を手短かに説明
③気になった箇所を紹介(1)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
④気になった箇所を紹介(2)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
⑤気になった箇所を紹介(3)
 なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
⑥著者がこの本を通じ伝えたかったことを想像し考えを書く
(伝記の場合はその人のどの点が立派だったのか)
⑦この本を読む前と読んだ後とでどのような考え方の変化があったか
 この本によって発見したことや反省させられた点など「本からの学び」を説明
 

順序だてて説明すればよい


    読む前の説明→ 「この本を選んだ理由」「読む前の私」「本の概要」などの説明
    読書中の説明→ 読んでいる最中に「感じたこと」「思い出したこと」などの説明
    読書後の説明→ 「学んだこと」「反省したこと」「読んだ後の私」などの説明
【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。気になる審査基準も掲載!中高生向けですが小学生に書き方を教えるための参考になる内容です

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

 


出会いが人をつくる
 接し方で人は変わる
  他人と違うことこそがその人の存在価値

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