「つくしちゃんとおねえちゃん」読書感想文の書き方【例文つき】

2022年の課題図書対策!

こちらでは「第68回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『つくしちゃんとおねえちゃん』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。

「つくしちゃんとおねえちゃん」 
いとう みく (著), 丹地 陽子 (イラスト) 1320円

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「つくしちゃんとおねえちゃん」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「つくしちゃんとおねえちゃん」あらすじ

頭がよくて、ものしりで、ぶ厚い本を読んでいて、ピアノはモーツァルトだってひけちゃう。だけど、ちょっと怒りっぽくていばりんぼう、そんなおねえちゃんはあたしの自慢です。おねえちゃんは歩くとき、少し右足をひきずります――。

気が強くて優等生の小学4年生のおねえちゃんと、マイペースでちょっと不器用な小学2年生の妹つくしちゃん。妹の視点で、姉妹の日常をきりとった5編の物語

ある日、つくしちゃんが教室の窓から校庭を眺めていると、ドッジボールをしているおねえちゃんに気づきます。ところが、いつもと違う様子につくしちゃんは戸惑います。またある日、お祭りに連れていってもらえなかったつくしちゃんが、おねえちゃんに対して仕返しをしたところ……。

笑ったり、泣いたり、けんかしたり、助けたり、助けられたり、揺れ動く姉妹の気持ちが、鮮やかに細やかにつづられています。やさしく温かみのある挿絵がたっぷりはいった、小学校低学年向けの読みものです。

「つくしちゃんとおねえちゃん」着眼点の例

本書は5編に分かれていますが、おのおのタイトルは次の通りです。

・いばりんぼう
・あと五分
・ドッジボール
・なみだ
・ごめんなさい

以下「各編の内容」と「着眼点の例」をご紹介いたします。

いばりんぼう
おねえちゃんは、右足に障害があります。そのため足を引きずりながら歩く生活をしています。おねえちゃんは頭がよくて、ピアノはモーツァルトだってひけちゃう。だけど、ちょっと怒りっぽくていばりんぼう、そんなおねえちゃんはつくしちゃんの自慢。買い物帰りに、おねえちゃんは、トロいつくしちゃんに「グズはきらい」とわざと早く歩きだします。おねえちゃんはつくしに、おさいふも、にもつも「ちびだから、むり」と言います。

・・・このような様子から「姉妹の存在価値」や「お姉ちゃんのつくしに対する思い」「もし自分におねえさんがいたなら」とう切り口で考えを述べるのもよいでしょう。

あと五分
ある朝、つくしちゃんは寝坊してしまい、あわててお姉ちゃんを追いかけました。
「つくし、朝おきるのがおそいから、毎日こうなる」「時間わり、またそろえてない」と怒られて「つくし、走ればまにあうもん」と言ってあっと思いました。お姉ちゃんは歩くのも時間がかかるし、走るのはもっとにがてだから・・・

すると、お姉ちゃんから「クツひもがほどけてるから、早くむすびな」と言われます。あわててクツに手をのばしたとき、バサバサとランドセルの中身がちらばりました。おねえちゃんは怒りましたが、荷物を拾ってくれました。でも、おばあちゃんに買ってもらった“いちごの匂いのする消しゴム”がありません。泣きそうなつくしちゃんにおねえちゃんも、一生懸命さがして、途中声をかけてくれた友だちに、にっこり笑って「だいじょうぶ。ありがとう」といいます。やっとお姉ちゃんが見つけてくれたけど、もう遅刻する時間です。

おねえちゃんはぴょこん、ぴょこんと歩道橋を登りますが「先にいきな。あたしは優等生だから、遅刻してもだいじょうぶ」とつくしちゃんを先に行かせました。つくしちゃんは、校門の前に立っている先生に訳を話して「ちこくはお姉ちゃんのせいじゃないの!」というと、先生は「かえでちゃんはすてきなお姉ちゃんなんだね」とにっこりしました。

・・・この一連のエピソードには、お姉ちゃんのつくしに対する優しい気持ちが詰まっているように思えます。「怒りながらも散らばったランドセルの中身を拾ってくれたり」「遅刻する時間までつくしが気に入っている消しゴムを探してくれたり」「足の悪い自分を気にせずつくしを先に行けと言ったり」・・。また、そのようなことを察した「先生の言葉」。これらを取り上げ、お姉ちゃんの優しさをステキだと思ったことを感想文で発表するのも良いでしょう。

ドッジボール
つくしちゃんは授業中、校庭でドッチボールをしているお姉ちゃんを見て先生に怒られました。足の悪いお姉ちゃんはすぐに外野に出されて、誰もボールをパスしてくれないので、胸がキュッとなったのです。夕方、つくしちゃんが家に帰ると、お姉ちゃんが庭で、真っ赤な顔でドッジボールの練習をしていました。おばあちゃんは「かえでは、負けず嫌いだねぇ」と笑うのですが、お姉ちゃんはできないことは何でも繰り返し練習するのです。いつのまにか二人で、ドッジボールの練習になり、お腹がすくまで練習しました。でもお姉ちゃんは「練習の事は友だちにないしょ」といいます。つくしなら「練習したんだよ」って自慢するのに、お姉ちゃんは「ビックリさせたいから」とボールをギュっと抱きしめました。「わかった」とあたしがうなずくと、お姉ちゃんは「よし」と満足そうでした。

・・・これは頑張り屋のお姉ちゃんのことがよくわかる話です。「お姉ちゃんはできないことは何でも繰り返し練習する」という部分と「練習したことを内緒にしておきたいお姉ちゃん」という部分を読んで感じたことや、お姉ちゃんのそのような考え方に触れ、つくしも「考え方のバリエーション」を得たに違いありません。そのようなことを感想として述べるのも良いでしょう。

なみだ
お姉ちゃんは最近、毎日手芸でかわいいネコのマスコットを作っていました。「つくしも欲しい」と言うと、これはお友達の誕生日プレゼントなので、別につくしに作ってくれるといいました。つぎの日、つくしがお使いから帰ってくると、お姉ちゃんがお母さんに「こんな下手くそなの、プレゼントできない」と泣いていました。みんなはネイルセットとか、ノートと色ペンとか、パッチンどめとかあげていました。お姉ちゃんは窓から、リボンをまいた包みを庭に投げたので「あっ」と言ってつくしちゃんは、庭に行き、拾い上げると涙がポロッとこぼれました。ふりかえると目を赤くしたお姉ちゃんが立っていて、「おとしもの」と渡すと、だまってそれを受け取りました。

・・・せっかく手作りのプレゼントをあげようとしたお姉ちゃんでしたが、思うように上手に作れず、そんな自分に腹が立ってしまったようです。つくしが涙ぐみながらそれ拾ってくれた時のお姉ちゃんの気持ちはどんなだったか、その点を感想で述べてみるのも良いでしょう。

ごめんなさい
つくしちゃんはお姉ちゃんに「いっしょにお祭りに連れて行って」とお願いしても、友達と4人で行く約束したのでダメといわれました。つくしちゃんは一人留守番になって、ぽろっと涙がこぼれました。「お姉ちゃんのバカ」とか、いろいろ悪口を大きな声で言ってつくしちゃんは、お姉ちゃんのノートにマジックで「バカ」と書きました。すると、チャイムが鳴ってお姉ちゃんがお友達にお願いして、つくしちゃんを連れていけると、迎えに来てくれました。お姉ちゃんのおでこに、あせが光っています。「お姉ちゃん…ごめんなさい」つくしちゃんは「バカ」って書いちゃったと言えません。「どーせ、つくしのことだから、しょぼいことしかできないでしょ。いいよ。怒らないでおいてあげる」とおねえちゃんは、手をつないでくれました。足の悪いお姉ちゃんは浴衣だけど、ぞうりじゃなくスニーカー。でもあたしのお姉ちゃんは、かっこいいおねえちゃんです。

・・・かんしゃくを起こして、お姉ちゃんのノートに悪口をかいてしまったつくしでしたが、お姉ちゃんはつくしのことを気にかけて友達に頼んで一緒にお祭りにいけるようにしてくれたのです。お姉ちゃんはなんてかっこいいお姉ちゃんでしょう。きっと、つくしもこれからは、お姉ちゃんに悪口をいうようなことは無くなるのではないでしょうか?・・・そのような感想を述べるのも良いでしょう。

自分に兄弟姉妹がいる人は、自分の兄弟姉妹との違いについて感じたことや、この本を読んで反省させられたこと。自分に兄弟姉妹がいない人は、かえでとつくしの姉妹をみて羨ましく思ったことなど。

お姉ちゃんは普段つくしに少し厳しくあたりますが、そんなお姉ちゃんもイザというときにはつくしのことを真剣に心配してくれる本当は優しいお姉さんです。自分に兄弟姉妹がいる人は、自分にも同じような出来事があったか?それはどんな時だったか?を感想文の中で紹介してみましょう。そしてその時の気持ちや、どうしてそういう行動に出たのか理由を説明してみましょう。

「かえで」と「つくし」・・・自分ははじめどちらの立場で本を読んでいたかを語り「この本を読んで逆の立場で物事を考えるきっかけになった」とするのも良いでしょう。

「本を読んで内容をお母さんに話すと、お母さんは・・」というようにお母さんや家族の話してくれた考え方も紹介する感想文にしてみるのもよいでしょう。

「もし、この本に続きがあるなら、私ならきっと・・」という切り口で、お姉ちゃんとつくしがどのような姉妹になっていったか、また、なって欲しいかなどを発表する感想文も面白いでしょう。

なぜ作者は、作品に体が不自由なお姉ちゃんを登場させたのかを推論し、自分の意見を述べる感想を書くのもよいでしょう。足が不自由な分、お姉ちゃんはきっと「努力すること」を習慣にしてきたからステキなのだと思います・・・など。

「この本を読み、もっとたくさんの本を読んでみたくなりました。なぜなら・・」というように「読書の価値を発見できた」という内容の感想を書くのも良いでしょう。

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「過去の思い出」「最近の出来事」などと絡めて感想文にまとめてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関主催の読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関主催の感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・・の意味だからです。
 
直接的な書き方の例としては「この本を読んで、これからは、もっと○○○○○を○○○○○しようと思うようになりました。」といった「心の変化を伝える一文」を入れると出題意図に合致した感想文になります。

また、小学生の場合「優しさ」「思いやり」「正直さ」「公平性」「努力」「勇気」・・といった人間にとって大切なことについて、その大切さを理解できた様子が読み取れる内容にするとよいでしょう。
 

「つくしちゃんとおねえちゃん」読書感想文の例【例文】

以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター

「つくしちゃんとおねえちゃん」を読んで①

(本の概要)
この本は、主人公のつくしと足の悪いお姉さんとの生活が書かれているものでした。お姉ちゃんのかえでは、足が悪いけでど、とても頑張り屋の性格で、頭もいいしピアノも上手な女の子です。でも妹のつくしには日ごろ少し厳しくあたります。

(印象に残った部分)
この本の中で一番印象に残った部分は、つくしがランドセルの中身を道路に落としてしまった際、お姉ちゃんが遅刻しそうになりながら、一緒に拾ってあげた部分です。

つくしが大事にしていた消しゴムを一生懸命探してあげて遅刻しそうになった時、妹のつくしを先に行かせてあげたのですが、その際「自分は優等生だから遅刻しても大丈夫だから」と言って、つくしを先に行かせました。

(そこで感じたこと)
でもこれは、つくしを先に行かせるためのウソだったと思いました。また、先に学校についたつくしも、お姉ちゃんが遅刻すると思い、先生に自分のせいでお姉ちゃんが遅刻することになったことを説明している部分を読んだとき、つくしも偉いと思いました。なぜなら、つくしもお姉ちゃんが先生に怒られないようにしてあげていたからです。

(自分との比較)
私には妹がいます。そのため、かえでとつくしの関係をお姉さんの立場で読んでいましたが、この遅刻しそうになった二人の様子を読んだとき、日ごろつくしに少し厳しいお姉ちゃんも、本当は妹思いの優しいお姉ちゃんなんだなと感じました。

おそらく私も、お姉ちゃんの立場だったら、同じようにしたと思います。私も妹と喧嘩をすることがありますが、かえでちゃんと同じように本当に妹が困っていたなら心配してあげるからです。

(本を読んで分かったことや反省したこと)
この本を読み、私は妹のことが本当は大好きなんだと気がつきました。そのため、これからは変な意地悪を言ったり、悲しませるようなことはやらないようにしようと思いました。

※いくつかのパートに分けると、そこで書くべきことが明確になります。
  

「つくしちゃんとおねえちゃん」を読んで②
 
以下、完成次第、追加掲載いたします。

 

 


 

兄弟姉妹の存在意義
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2022年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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