「それで、いい!」読書感想文の書き方【例文つき】
2023年の課題図書対策!
こちらでは「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『それで、いい!』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。
※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。
~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「それで、いい!」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品
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「それで、いい!」あらすじ
絵を描くのが大好きな、きつね。上手下手なんて考えもせず、夢中で絵を描いていました。
でもある日、友だちから「へんな絵」とからかわれ、大人には「きちんとかかなくては、だめよ」といわれてしまいます。
きつねはくやしくて、近々行われる展覧会をめざして、みんなに認めてもらえるすごい絵を描こうと、すごい題材をさがしまわり、何度も描きなおします。
でも、がんばればがんばるほど描くことがつまらなくなり、とうとうやめてしまいます。
そんな時、親友のうさぎの家に飾ってある自分の絵を見て、描いた当時の気持ちを思い出します。ひなどりがはじめて飛んだ時の絵でした。
「あの子は何度失敗しても、飛ぶのをやめなかった。飛びたかったからだ。飛びたいから、飛ぶ。飛びたいから……」
きつねは、はっとします。
〈おれは描きたいから描いてた。自由に描けばいいんだ。自分が描きたいものを描きたいように、心のままに……。それで、いいんだ〉
うさぎの「きつねちゃんの絵、大好き!」という言葉にも勇気をもらいます。
この物語は、子どもたちに、あなたはあなたのままでいい、と語りかけます。人の目を気にしないで、やりたいことと、やりたいようにしていいのだ、と。そのままのあなたが、すばらしいのだ、と。
【ひとこと】
英語で教育のことを「エデュケーション」といいますが、その語源は「引き出す」という意味からきています。世間や人目、常識などを気にしすぎると本来の能力が引き出せない状態に陥ります。自分が「好き」という素直な気持ちを大切にすることは上達のためにも必要です。またそのようなアドバイスが「教育的」に正しい場面も多いものです。
「それで、いい!」着眼点の例
数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。
きつねは展覧会でみんなから「すごい」といわれる絵を描くために「すごいもの」を探しまわりましたが、うまくいきませんでした。そして「すごいものを描く」のをやめ「描きたいものを描く」ことを心掛けるようにし上手くいきました。本書の要点はここにあります。
本書は、世間に流されず自分の価値判断に従う生き方のすばらしさを説いた内容といえますが「他人に迷惑をかけることについて」はいくら自分がしたいことであってもしてはいけません。その点に触れる感想文もよいでしょう。
この本のキツネのように、好きなことを夢中でして褒められた経験などを紹介する感想文もよいでしょう。
「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のエピソードを加える感想文もよいでしょう。家族の意見を加えることで、意外性のある感想文に進展させることができます。
例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは僕に「日本のことわざに“好きこそものの上手なれ”という言葉があるんだよ」と教えてくれました。その意味は・・。など。
例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「好きなことは長続きするから上手くなれるんだよ」と教えてくれました。・・・など。
例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「いくら褒められたとしても自分があとで後悔するような人生ではダメだよね」といいました。その話を聞いて、僕もそうだと思いました。・・など。
この本を読む前と、読んだ後では考えにどのような変化があったか。誰も面白さを分からない「自分だけの趣味」を紹介し「これまで私は○○が好きなことを恥ずかしくて友達に教えていませんでしたが、これからは周りの目を気にせず、好きは好きという気持ちを大切にしたいと思うようになりました」・・のように結ぶ感想文も良いでしょう。
うさぎの「きつねちゃんの絵、大好き!」という言葉はきつねを大変勇気づけたことが分かります。その場面を中心に「他人からの温かい言葉のありがたさ」や「友達を前向きにしてあげる言葉を掛けてあげる大切さ」について気づいたとする感想文も良いでしょう。
それとは対照的に、少しいじわるな言葉をかけるやまねこが出てきますが、やまねこについてどう感じたか?やまねこのような友達のことばが原因でやる気をなくした経験などを語るとともに、自分はやまねこのような指摘はしないようにしたいと思いました・・とつなげる感想文もよいでしょう。
きつねの描く絵は、少し色がはみ出ていたり、けして上手ではないのかもしれません。でも多くの友達はきつねの絵が大好きです。その点に注目して「上手さ」以上に大切なこととは何かについて、考えたことを書いてみるのも良いでしょう。価値基準には「上手さ」のほか「好き」「ステキ」などの基準もあります。
「この本をきっかけにして、いろいろなことを本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになったとする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。
この本を読んで、物語や経験などを「伝えることの価値」「書き残すことの価値」について気づけたことを発表する感想文も素晴らしい着眼です。そして「自分も大人になったら物語や経験を本に書き残せるような大人になりたいなと思いました。」とするまとめ方も良いでしょう。
・・・これらの中からいくつかを取り上げ「思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
「それで、いい!」読書感想文の例【例文】
以下に、読書感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」や「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。
「それで、いい!」を読んで①
「それで、いい」は、すごく大切なことを教えてくれる本でした。この本を選んだのは、きつねが絵を描くお話だったからです。私も絵を描くのが大好きなので、きつねの絵がからかわれる話を読んで、ちょっと悲しくなりました。
この本では、きつねが展覧会で皆さんから認めてもらえるような絵を描こうと一生懸命に頑張ります。でも、どんなに頑張っても、絵を描くことが楽しくなくなってしまいます。それを読んで、私も同じように感じることがあると思いました。
私が描く絵は友だちから「上手だね」と言ってもらえることはあまりないです。でも、私は自分が描きたいものを好きなときに描くのが好きなんです。だから、きつねが自分が描きたいものを描くと決めたとき、私も嬉しくなりました。
この本を読んで、お父さんにその話をしたら、お父さんは「好きなことは続けられるから上手になるよ」と教えてくれました。それを聞いて、私も好きな絵を描き続けたいと思いました。
うさぎが「きつねちゃんの絵、大好き!」と言ってくれたシーンは、私も友だちから言ってもらったら嬉しいと思いました。だから、これからは友だちの好きなことを尊重して、褒めることを忘れないようにします。
最後に、この本を読んで私の考えが変わりました。今までは、上手に描けないと絵を描くのはダメだと思っていました。でも、今は自分が描きたいものを自分の思うように描くことが一番大切だと思います。だからこれからは、自分の描きたい絵をたくさん描くようにします。
「それで、いい」は、私にとって大切なことを教えてくれた本でした。これからもたくさんの本を読んで、いろんなことを学んでいきたいです。
「それで、いい!」を読んで②
このお話は、きつねさんがすごく上手な絵を描きたいと頑張るところから始まります。でも、自分が描きたいものを描くまでには、ちょっと時間がかかりました。私たちも、みんなに喜んでもらったり、ほめられたりするために頑張ることがあります。でも、この本は、自分の気持ちを大切にすることを教えてくれました。
きつねさんの友だちのうさぎさんがきつねさんの絵をほめて、「きつねちゃんの絵、大好き!」って言ったところがあります。うさぎさんの言葉がきつねさんにとってはすごく嬉しかったんだと思います。でも、山猫さんのちょっと厳しい言葉で、きつねさんは少し悲しくなってしまいました。
でも、きつねさんの絵は全部うまくできてるわけじゃないんです。色がちょっとはみ出したり、形がぐちゃぐちゃだったりします。でも、友だちから「好き」って言われました。それは、何かを評価するときは、うまいだけじゃなくて、「好き」っていう気持ちも大切だということを教えてくれました。
この本を読んで、自分が何をしたいのか、なぜそれをしたいのかを考えるようになりました。人に喜んでもらうためや、ほめられるためだけじゃなく、自分が本当に楽しいと思うことを大事にしたいと思いました。
この本は、大切なことや自分の気持ち、言葉の力について考えさせてくれました。これからも、この本を思い出して、いろんな本を読んで、もっといろんなことを考えてみたいと思います。
礒みゆき 作 はたこうしろう 絵 ポプラ社 1,430円 (税込み)
79ページ
・自分の「好き」の気持ちを大切にする
・友達を勇気づける言葉の大切さ、ありがたさを知る
用紙・字数のルール その他
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
⇒ 「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
他の課題図書&過去の入賞作品
2023年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。
過去の課題図書の紹介
過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。
また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。
読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)