「おすしやさんにいらっしゃい!」読書感想文の書き方【例文つき】

2022年の課題図書対策!

こちらでは「第68回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『おすしやさんにいらっしゃい!』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。

「おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで」
 おかだ だいすけ (著), 遠藤 宏 (写真) 1,760円(税込)

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「おすしやさんにいらっしゃい!」内容
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「おすしやさんにいらっしゃい!」内容

こちらは著者からのメッセージ動画です。

寿司職人が贈る魚とお寿司の写真絵本!
キンメダイ、アナゴ、イカなど、釣り上げた魚をさばき、だんだんと美味しそうな切り身へとかわって行く様子を、動画のような連続性で見せる写真絵本。 魚の特徴や部位の名前も解説。

最後はお寿司になって登場!
みんなで美味しくいただきます。「命をもらって生きている自分を大切に」とメッセージを贈ります。

使う食材や道具などは、可能な限り生産地に足を運び、五感で確かめる、著者のおかださん。
自分で作れるものは作る、獲れるものは獲りに行く、そんな、こだわりの寿司職人です。
本の中では、そんなおかださんがが、子供たちに魚の説明をしてくれます。

キンメダイがなぜ「キンメ」っていうのか?
アナゴは体のまんなかにお尻があること。
イカはあたまからウデが生えていること、実は貝のなかまということなどなど。

そして魚も自分たちより小さい魚を食べるけど、人間はその魚を食べて体の一部になります。
私たちは、たくさんの命で、できているということを知って考えて欲しいというのがおかださんの考えです。
 

「おすしやさんにいらっしゃい!」着眼点の例


 
以下のような着眼点切り口を参考に話を広げてみるとよいでしょう。

著者のおかださんは、冊子の中で次のように述べています。

「お魚の生きものとしての姿を改めて伝えたい。魚は生き物だということ。でも、お寿司は食べものだということ。寿司職人の自分にとって、お寿司の本当のことを、それは生きものの命だったということを、子供たちに正直にわかりやすく写真で見せて伝えたい。この本を執筆した動機はそこにあります。」

「お米一粒一粒は種です。種は命のはじまりです。(中略)命をいただくと、自分の命が強くなるということをいつまでも忘れないでください。「かわいそう」と思ってくれた優しい子、「いただきます」と言って、ありがとうという気持ちをもって命をいただくことができたなら、あなたの命はきっともっと元気になると思います。」

また、著者のおかださんの執筆意図の一つは「魚離れ、お米離れという社会問題に対する注意喚起」だといいます。お寿司の本を通じお寿司を知っていただき、本を読んだ後、お寿司が食べたくなるよう「へい、おまち!」と、お寿司を出す場面では、原寸大のお寿司の写真を掲載するようこだわったといいます。
(以上『子どもの本棚』バックナンバーより)

この本がきっかけで、食べ物を粗末にしない考えの大切さや「いただきます」「ごちそうさま」を、今までよりもっと心を込めて言わなければならないと気づきました。・・・という内容の感想文は、本書の執筆意図に敵った感想文の書き方です。

この本を読み、自分もおかださんのように、好きな仕事でみんなに喜んでもらえる仕事を探してみたいと思うようになりました・・という「喜んでもらえる仕事とはなにか?」「仕事とはどうあるべきか?」という問いをいただいたことを中心に小学生の言葉でそれを伝える感想文もよいでしょう。

外国人には日本人が食事の際にいう「いただきます」「ごちそうさまでした」が不思議にうつるようですが、この本を読んで日本人のするこの習慣に誇りを持てるようになりました。・・という一文を加える感想文も、自国の文化の良い点にきづけたという広がりのある感想の例といえます。

「本を読んで内容をお父さんに話すと、お父さんは・・」というように、家族の話しを引き合いに出す感想文にしてみるのもよいでしょう。家族の言葉を引き合いに出す感想文にすれば、本の内容を超えた高度な感想文にすることができます。

例)この本の内容をお父さんに話してみると、お父さんは「ごちそうさまは、食べ物を一瞬で残飯に変えてしまう魔法の言葉なんだ」と教えてくれました。僕はそのお父さんの言葉に大変ショックを受けました。そして、これまで気軽に「ごちそうさま」を言って、残した食べ物を残飯に変えてしまっていた自分が申し訳なくなり、ものすごく反省させられました・・・など。

この本を読んで、生き物を殺さずに食べ物を作ることはできないかと思うようになりました。そのため僕は将来そういった研究をする仕事をしてみたいと思いました・・・という展開も素晴らしいです。

犬食関連動画⇒ 閲覧注意
(ぜひ知っていただきたい今世紀の人類の課題「食」の問題の一例です)

著者のおかださんは大学浪人中、母親の急死によって食の道に進んだことが寿司職人になるきっかけだったことが巻末に書かれています。また、お店の運営は「完全紹介制・完全予約制」という「変なお客を相手にしなくていい頭のいい経営スタイル」です。この人生の転機や、寿司店の上手な回し方のほうに興味づけられた・・・という切り口で感想文を書くのも大変面白い書き方ですが、それを小学生に書かせるのは、ま、ちょっと無理かな??(笑)

「もし、この本に続きがあるなら・・」という切り口で、どのような内容を知りたかったかなどを発表する感想文も面白いでしょう。

「この本を読み、もっとたくさんの本を読んでみたくなりました。なぜなら・・」というように「読書の価値を発見できた」という内容の感想を書くのも良いでしょう。

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「過去の思い出」「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関主催の読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関主催の感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・・の意味だからです。
 
直接的な書き方の例としては「この本を読んで、これからは、もっと○○○○○を○○○○○しようと思うようになりました。」といった「心の変化を伝える一文」を入れると出題意図に合致した感想文になります。

また、小学生の場合「優しさ」「思いやり」「正直さ」「公平性」「努力」「勇気」・・といった人間にとって大切なことについて、その大切さを理解できた様子が読み取れる内容にするとよいでしょう。
 

「おすしやさんにいらっしゃい!」読書感想文の例【例文】

以下に感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター

「おすしやさんにいらっしゃい!」を読んで①

私は食べ物の中で、お寿司が大好物です。そのため読書感想文の課題図書の中から一冊選ぶ際、迷わずこの本を選びました。

読んでみると、この本は、ふだん食べているお寿司ができるまでを写真を見せながらわかりやすく説明している本でした。

本の中では、キンメダイとアナゴとイカについて紹介してくれていましたが、私はイカの説明が一番面白かったです。

特に驚いたのは、イカが貝の仲間だというお話です。またイカの形について、私がいつも頭だと思っていた部分は、頭ではないこともわかり勉強になりました。

でもこの本を読んで、一番勉強になったことは、お寿司も生きものからできていて、お寿司になるまではみんな生き物だったことに気づけたことです。

私はこの本を読むまでは、食事のとき出された食べ物があまり食べたくないとき、もったいないとか、申し訳ないという気持ちになったことがありませんでした。

でもこの本を読んで、毎日の食事の際、食べ物と料理を作ってくれた人に感謝をしながら、できるだけ残さないようにしないといけないと分かりました。

最後のページには「ごちそうさまでした」という言葉を言う女の子の写真がでていましたが、私もこれからは、食事を食べ終わった後には、心をこめて「ごちそうさまでした」というようにしたいと思いました。

本の中では、お寿司屋さんのカウンターに並んでお寿司を食べている私と同じぐらいの小学生の写真が載っていましたが、この本を読んで、私もいつかお寿司屋さんのカウンターに座り、目の前でお寿司を注文してみたいと思いました。

その時はもちろん「いただきます」と「ごちそうさま」を心をこめて言おうと思います。
 
 
※2021年の課題図書「どこからきたの?おべんとう」も類似のテーマですので「書き方の参考」になるはずです。
「どこからきたの?おべんとう」読書感想文の書き方【例文3作品】
 

「おすしやさんにいらっしゃい!」を読んで②
 
以下、完成次第、追加掲載いたします。


 

「おすしやさんにいらっしゃい!」を読んで③
 
 
 


 

食べ物は命でできていることを忘れない
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2022年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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