「チョコレートタッチ」読書感想文の書き方【例文つき】

2022年の課題図書対策!

こちらでは「第68回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「中学年」の部(3、4年生用)
『チョコレートタッチ』の「あらすじ」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


パトリック・スキーン・キャトリング (著), 佐藤淑子 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎ 文研出版 (2021/10/20)
発売日 ‏ : ‎ 2021/10/20
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 128ページ

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「チョコレートタッチ」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 

「チョコレートタッチ」あらすじ

ジョンは、お菓子が大好きな男の子。食事は残すのに、お菓子ばかり食べたがるのです。

中でもチョコレートには目がありません。

そのため、ジョンの鼻の頭には吹き出物ができたため、パパとママは病院に連れて行ってくれます。

でもジョンは「ほかのものはただの食べもの」でパパやママがいくらせつめいしても、ママが困っていても、なぜチョコレート以外を食べなければいけないのか分からないでいます。

ある日、ジョンは拾った不思議なコインでチョコレートを買い、食べてみたところ、不思議なことがおこりはじめます。

朝起きて、歯磨きをしたジョン。口に入れた歯磨き粉が、チョコレートになっていました。

また、朝ごはんのジュースやベーコンエッグもすべてチョコレートの味になってしまいました。

ジョンは大喜び。

学校についたジョンは、飲み水、給食のおかず、あげくのはてに口にくわえたトランペットまで、すべてチョコレートになってしまいました。

チョコレートに飽きたジョンは、水が飲みたくてもチョコレートになってしまうので、どうしたらよいかわかりません。

パパとママは心配して、病院に連れて行きました。

病名は「クレイニアム病」。つまりチョコレート病です。

ジョンの病気にママは泣き出し、パパも部屋を出て行きました・・・

今まで自分のことで頭がいっぱいだったジョンは、パパとママがどんな気持ちでいたのか気づいていませんでした。

途方に暮れたママは泣き出し、ジョンはママのほっぺたにキスをしました。するとママは全身がチョコレートに!

どうすれば、ママを元通りに戻せるのか? ジョンは必死に、チョコレートを買ったお店を探しました。

ジョンは必死に、チョコレートを買った、赤いレンガの店を探しました。

その店の人は、おぞましい魔法の力「チョコレートタッチ」のことを知っているにちがいないからです。

店をみつけたジョンは主人に「ぜんぶあんたのせいだ!」とどなりました。

そしてあのコインは“よくばりな人間”にしか見えないお金で、チョコレート病はわがままの印といいます。

君は欲張りで、他の人にどんなことが起きているか、気にかけてこなかったから。

治療法の1つは、他人を思いやること。その条件に、チョコレートタッチの力をなくすか、お母さんをもとにもどすか、どっちにするかい?と主人に問われます。

ジョンはチョコレートしか食べられない未来にゾっとして、ママのことを考え、ためらわず「ママ」を選びました。

家に帰るとママもすべてが元通りでした。パパもママも何も覚えていません。

パパに出された牛乳も普通の味でホッとしました。

ジョンは主人にお礼を言ってない事を思い出し、行ってみましたが店はどこにもありませんでした。

ジョンは、お母さんが自由に使える時間を増やしてあげたいと思うよう、気持ちに変化があらわれました。

—————————

※この物語は、ギリシャ神話の「ミダス王の神話」をベースにしていた「貪欲」つまり「控えめに生きることの大切さ」を伝える物語です。子供向けにアレンジするにあたり、主人公の欲望の対象を「お金」ではなく「チョコレート」にしたものです。

「チョコレートタッチ」着眼点の例


 
以下のような着眼点切り口を参考に話を広げてみるとよいでしょう。

「欲張ることはよくない」・・この物語の教訓を一言でいえばこのようになります。その点が理解できたことが伝わる内容の感想文を書く必要があります。

それに加えて、パパやママの言うことが嫌なことだったとしても、それは「自分を心配する気持ち」の表れであることを理解できた内容の感想文にするとよいでしょう。

自分にも主人公のジョンと同じように、好き嫌いがあり、好きなものばかり手を出して、怒られた経験があるのであれば、それのエピソードを紹介し「この本を読んで、自分のためを思って言ってくれていたことが良く分かりました。これからは・・・」といったまとめかたをすると本のメッセージに即した感想文になります。

物語の内容から「バランスを心掛けることの大切さ」や「嫌いなものでも我慢する必要があるものもある」ということを学んだとする感想文もよいでしょう。

この物語を読んで、たとえ自分が好きなことだとしても、それが他人に迷惑や心配をかけることは、してはいけないということを学びました、とするまとめかたもよいでしょう。

チョコレートの食べ過ぎで、病気になったり、せっかく作ってくれた食事が摂れなくなったりといった「他人への迷惑」につながっていることが理解できたという内容にしてみましょう。

主人公は、牛乳が好きではありませんでしたが、この物語の経験をして、牛乳が飲めるようになりましたが、この点に注目し、嫌いなものを克服する方法として「もっと嫌なことと比較して我慢する」という「生活の知恵」を思いついたことを発表する感想文もユニークな感想です。

「お父さんはよく・・」や「本を読んで内容をお父さんに話すと、お父さんは・・」というように家族の言葉を紹介する感想文にしてみるのもよいでしょう。家族の言葉を紹介する形にすることで、本の内容を超えた高度な感想文に発展させることができます

例)本の内容をお父さんに話すと、お父さんは、日本には「妙薬は口に苦し」ということわざがあることを教えてくれました。これは「ためになる忠告ほど受け入れにくい」という意味で、ちょうどこの物語のジョンが、しっかりした食事をするよう言われても、お菓子やチョコレートばかり食べているような場合に「妙薬は口に苦しだぞ」というように使うことも分かりました。

「もし、この本に続きがあるなら、私ならきっと・・」という切り口で、どのような展開になっていったか、また、なって欲しいかなどを発表する感想文も面白いでしょう。

「この本を読み、もっとたくさんの本を読んでみたくなりました。なぜなら・・」というように「読書の価値を発見できた」という内容の感想を書くのも良いでしょう。

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「自分の思い出」「主人公との共通点」などを紹介しつつ感想文にまとめてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関主催の読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関主催の感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・・の意味だからです。
 
直接的な書き方の例としては「この本を読んで、これからは、もっと○○○○○を○○○○○しようと思うようになりました。」といった「心の変化を伝える一文」を入れると出題意図に合致した感想文になります。

また、小学生の場合「優しさ」「思いやり」「正直さ」「公平性」「努力」「勇気」・・といった人間にとって大切なことについて、その大切さを理解できた様子が読み取れる内容にするとよいでしょう。
 

「チョコレートタッチ」読書感想文の例【例文】

以下に感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。小学校中学年の部(3、4年生) は、本文1,200字以内(空欄込み)になります。

「チョコレートタッチ」を読んで①

「ママが人間にもどれてよかったね、ジョン。」これは、僕がこの本を読み終えてつぶやいた言葉です。

この物語の主人公のジョンは、勉強も楽団の活動もまじめにやるいい子だけど、食事よりもお菓子、とくにチョコレートに目がなくてウソをついてでも食べてしまうといった、偏食のくせのある少年です。

チョコレートばかり食べていたため、鼻の頭に吹き出物ができて、パパとママが病院に連れて行かなければならなくなったほどです。

そんなジョンでしたが、ある日、コインを拾いそのコインでたくさんのチョコレートを買ったのですが、なんとそれ以来、ジョンが口にした物ののすべてがチョコレートになってしまうという、不思議な状態になってしまいました。

はじめジョンは、口にしたものが、なんでも自分の好きなチョコレートになるため、喜んでいましたが、なんでもかんでもチョコレートになるため、だんだん嫌になってしまいました。

しかたなく病院に行くと、病院の先生からはチョコレート病と言われてしまい、ママは泣き出し、パパも部屋を出て行ってしまいました。

ジョンは、そうなるまで、パパとママがどんな気持ちでいたのか気づいていなかったのです。

ママの涙を見ていられないジョンは、ママのほっぺたにキスをしたのですが、その瞬間、なんと、今度はママがチョコレートの像に変わってしまったではありませんか。

困り果てたジョンは、必死にチョコレートを買ったお店を探し、店の主人に直す方法を尋ねました。

すると主人は「あのコインは欲張りな人間にしか見えないお金で、チョコレート病はわがままの印」といい、それに加えて「治療法の1つは、他人を思いやること」といいます。

そして、チョコレートタッチの力をなくすか、お母さんをもとに戻すか、どっちにするかと選択を迫ります。

ジョンはチョコレートしか食べられない未来にゾっとして、ママのことを考えてためらわず「ママ」を選びました。

家に帰るとママもすべてが元通りでした。パパもママも何も覚えていませんでした・・・。

———

以上が、この物語のあらすじですが、ジョンが改心したことで、ママが人間にもどれた場面では、思わず「よかったよかった」とうなずきました。

僕はこの本を読んで、自分の好きなことばかりする人は、他人に迷惑をかけていることに気がつかなくなるという教訓を学びました。

僕はよく、お母さんに「自分の好きにさせておいて」と頼むことがあります。しかし、この本を読んで、自分の好きにすることが知らないうちに誰かに心配や迷惑をかける結果になることがあると反省させられました。

そして「他人に心配をかける」の「心配」という漢字を漢字辞典で調べてみたのですが「心配」という漢字は「心を配る」とも読めることを発見しました。

つまり「心配をかける」とは、他人の心を自分のために配らせることであり、配られる側としては申し訳ないことをしているという考え方ができるようになりました。

そのように考えられるようになり、この本をもう一度読んでみました。すると、はじめ読んだときは気が付かなかったのですが、ジョンが最後に「主人にお礼を言ってない事を思い出した」というところを読み、その場面で、ジョンの心の成長を感じることができるようになりました。

なぜなら、これまでのジョンは、他人を心配する気持ちがなかったのに、この経験を通じ、主人を気遣う人間になれていたことが分かったためです。

僕もこれからは、やりたいことをする前には「それは他人に迷惑をかけないか」「他人に心配をかけないか」と、自分に質問をするようにしたいと思うようになりました。
 

「チョコレートタッチ」を読んで②
 
以下、完成次第、追加掲載いたします。


 
 



 


欲張ることが他人を悲しませることにならないか考える
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2022年の小学校低学年(3,4年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

関連記事と広告

 
サブコンテンツ