「けんかのたね」読書感想文の書き方【例文つき】

2023年の課題図書対策!

こちらでは「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『けんかのたね』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


ラッセル・ホーバン 作 小宮由 訳 大野八生 絵
岩波書店 1,430円 (税込み)
62ページ

 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「けんかのたね」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「けんかのたね」あらすじ

【概要】
ある日の夕方、家の中は大さわぎ。いぬは、ねこをおいまわし、4人きょうだいは大げんか。わけをきいても、口ぐちに、自分のせいじゃない!というばかり。いったい、なにがあったの? 仲なおりできるの⁈ いいわけをする子どもたちと、いいわけのできないいぬとねこ、そして、いいわけをしなかったねずみの、たのしい絵童話。

忙しい一日を終えたお父さんが家に帰ると、家の中は大さわぎ! いぬは、ねこをおいまわし、4人のきょうだいは大げんか。「いったい、だれをしかっていいのやら……」と途方にくれるお母さん。

「わたしは、わるくない!」と、いちばん上のおねえちゃんのドラ。
「ちがう! ぼくのせいじゃない」と弟のフランク。
「あたしのせいじゃない」と妹のエミリー。

つぎつぎに自分のせいじゃない! といいわけする子どもたち。
一方、いぬのボンゾーとねこのプッスはいいわけができません。

でも、みんなが喧嘩をしているのには、それぞれ理由があったのです。
一つのことがキッカケで、連鎖的にドタバタの事態になったのでした。

結局すえっ子のミーナの言い分から、もめごとのはじまりはねこのプッスということに。でも本当は違っていて……。

悪者扱いをされて面白くないプッスが向かったのは、ねずみのところ。「もとはといえば、おまえがわるいんだよ!」とねずみに襲いかかろうとするプッスに対して、ねずみは意外な行動にでます。

・・なんと、自分のせいでそうなったのだと、言い訳をせず責任をとって殺されるというではありませんか。

殺そうとしていたプッスは「ふん、やってらんないわ。おまえを殺して英雄にするなんて、ごめんだよ」と部屋にもどってしまいました。

そして、プッスはボンゾーに、プッスとボンゾーは四人の子どもに謝り、子どもたちはお父さんとお母さんにそれぞれあやまりました。

すると、みんなが仲良しに戻り、お父さんとおかあさんもにっこりしました。

プッスに解放されたねずみが家に帰ると・・・

ねずみの家では、子ねずみたちが同じように大ゲンカをしていましたとさ。(笑)
 

「けんかのたね」着眼点の例


 
数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。

家中大騒ぎになるような事態を招いた原因は、それぞれが衝動的な態度に出た点にあります。その点に注目し、誰か一人でも相手を思いやる気持ちがあれば、このようなドタバタにはならなかったことを指摘し、衝動的に怒るのは大惨事をまねくことが分かった・・とする感想文を書いてみましょう。

プッスに襲われそうになったねずみは、言い訳をせず責任をみとめましたが、それがきっかけとなり全員が最後に仲直りすることができました。その点に注目し「ねずみの偉さ」「素直にあやまることの大切さ」について理由を述べる感想文もよいでしょう。

本の中でお父さんが「物事の始まりを考えよう」と言ってますが、この点に注目した感想文もよいでしょう。

ミーナははじめ、なにもしていないのにプッスがひっかいたと嘘をついてしまいましたが、自分にもミーナのように嘘をついてしまった経験があれば、その話を紹介して、これからは私も正直にいうようにしようと反省しました・・とする感想文もよいでしょう。

「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のエピソードを加える感想文もよいでしょう。家族の意見を加えることで、意外性のある感想文に進展させることができます。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは私に「この話は、ささいなことが大惨事につながることもあるという教訓のお話だよ」といいました。私はそれを聞き・・・など。

後半で、ねずみが自分に責任があると認めた途端、全員が謝る方向に意識が変化しました。この物語は「自分が怒ると相手も怒る」「自分が謝れば相手も謝る」といった人間心理を伝える内容でもあります。その点に注目して「相手を叱るのではなく、まず相手を心配してあげよう」と思うようになりました。そして、いきなり叱るのではなく、まず「大丈夫?」と心配の言葉がけをするようにしたいと思うようになりました。・・という方向で感想文をまとめるのもよいでしょう。

「この本をきっかけにして、いろいろなことを本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになったとする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。
 

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
 

「けんかのたね」読書感想文の例【例文】

以下に、読書感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター
 

「けんかのたね」を読んで①

『けんかのたね』は子供向けの絵本にしか見えませんが、内容は大人の人にも同じことがいえるんじゃないかなと思える話でした。

話は家族の全員が感情的になって大騒ぎになっているところから始まります。一つの小さな争いが大きくなり、家族全員が巻き込まれる話なんです。

これは、家の中だけでなく、学校でもあることだと感じました。例えば、学校でも小さな嫌がらせから、大きなけんになることもあります。

けんかが起こると今度は敵と味方に分かれてグループができたりもします。

物語では、ねずみが自分の過ちを認め、謝ったことがきっかけで全員が仲直りします。ここから、謝ることの大切さと、自分から謝る勇気の大切さを改めて教えてもらいました。

この本を読んで、この本を書いた著者は、おそらく他人の気持ちを考えることや、感情的にならずにしっかり考えることが大切だということを伝えようとして、この本を書いたんだと思いました。

自分の感情的な行動が大きな問題を作ることもあるので、先のことを考えたり、この本のねずみのように自分の責任を認めて、自分が悪いと思ったときは勇気を出して謝ることが大切だと感じました。

また、本の中でお父さんが言った「物事の始まりを考えよう」という言葉にもハッとさせられました。なぜなら、始まりが分かれば原因が小さいことだと分かることもあるからです。
 

「けんかのたね」を読んで②

「けんかのたね」という本を読みました。この本を選んだのは、けんかがどうして起きて、どうやってなおすのかが分かると思ったからです。

この話の中で一番心に残ったのは、ねずみが自分が悪いと認めて、それがみんなに伝わって、けんかが終わるところです。それを見て「ごめんなさい」って大切だなと思いました。そして、「自分が間違っていた」と認めるのって勇気がいるんだなと思いました。

この話を読んで、ニュースで見る戦争のことも考えてみました。家でのけんかと戦争では大きさが違いますが、戦争もちょっとした問題がきっかけで始まったんだと思います。だから、ひょっとすると戦争のことを考えてもらうように、この本が課題図書の一つに選ばれたのかなと思いました。

また、この本を読んで、問題を解決するには、まず問題がどうして起きたかをしっかり理解することが大切だと学びました。そして、その原因を理解したら、自分が悪いところを認めることができたら、問題はきっと解決に近づくと思いました。

この本から、すぐにカッとして怒ってはいけないことを学びました。これからの生活では怒る前に相手の話をよく聞くようにしたいと思います。また、この本を読んで、もっと本をたくさん読んでみたいと思うようになりました。本は怒らないための勉強になると思ったからです。
 

「けんかのたね」を読んで③

課題図書の中からこの本を選んだ理由は、タイトルがとても興味深かったからです。ささいなことが大きなけんかにつながるなんていう発想が面白かったです。

本の中でドタバタの事態が起こるのは、みんなが自分の気持ちだけを優先して行動したからでした。だからこそ、もしだれか一人でも相手のことを思いやる心を持っていたら、こんなに大騒ぎにはならなかったと思います。この物語を読んで、私は「気持ちが高ぶると大変なことになり得る」ことを実感しました。

なので、これからは怒りに任せて行動することなく、じっくり考えるようにしたいです。そして、物事が上手く行かない時でも、すぐに相手を責めるのではなく、相手の気持ちを理解しようと努力することが大切だと学びました。

私が学んだことを家族に話したら、お母さんは「それが人間関係の基本だよ」と教えてくれました。その話を聞いて、人間関係において心配りや思いやりがいかに大切かを理解しました。

物語の最後の方で、ねずみが自分に責任があると認め、その気持ちが全員に伝わり、やがてみんなが謝る方向に進みました。この物語を読んで、私は「自分の失敗を素直に認めることの大切さ」を感じました。

また、皆が素直に謝ることで、最終的には喧嘩が解決して、家族の絆が深まる場面には、心が温かくなりました。

最後に、この本をきっかけにして、人間関係やコミュニケーションについて深く学びたいと思うようになりました。四冊の本からこの本を選んでよかったと感じています。
 


 

・衝動的な言動は慎む
・「鏡の法則」こちらが出れば相手も出る
  こちらが引けば相手も引く

 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2023年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2022課題図書

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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