「そのときがくるくる」読書感想文の書き方【例文3作品】

2021年の課題図書対策!
こちらでは「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『そのときがくるくる』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、子供が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。

「そのときがくるくる」
発売日:2020年04月15日頃
著者/編集:すずきみえ, くすはら順子
出版社:文研出版
ページ数:80p
価格:1,320円(税込)

 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「そのときがくるくる」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
「そのときがくるくる」読書感想文の例【3作品】
他の課題図書&過去の入賞作品

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Sponsored Link

「そのときがくるくる」あらすじ(ネタバレ注意)

小学一年生のたくまには、苦手なものがあります。 それは、なすび。 大人になると、いつの間にか食べられるようになっていたりしますが、小学生にとっては大問題。

学校は好きだけど、なすびがキライすぎて夢を見るほど。給食でなすびが出る日、勇気を出して食べようとするけど、あの「にがいあじ」を思い出してどうしても食べられない。おなじクラスのりょうくんも「なすびが嫌い」で思いがけず仲よくなった。

夏休みに、おじいちゃん、おばあちゃんの家に1週間一人でお泊まりすることになった。おじいちゃんはいろんな野菜をつくっていて、ナスには大きなトゲがあるし、花はとてもかわいい。取れたての野菜はピカピカでキレイだ。

おばあちゃんが作った料理はすごく美味しいし「ナスも美味しいかも」とよそおうとしたけど、むわわっとやっぱりダメだった。「無理をしなくてもいいさ。そのうちきっと、そのときがくるから。」とおじいちゃんがいう。そのときって、いつか美味しく食べられるとき。美味しく思えるときのことだという。

おばあちゃんの「そのとき」は中学生のとき、お刺身が食べられるようになって、おじいちゃんの「そのとき」はなんと結婚してから。しかもナスがキライだったというので、僕はびっくりした。そして「くる、くる。きっとくる。」おじいちゃんが力強くいったので、僕にも来るんだと思った。

ママがむかえに来た日「野菜の肉巻」を作るお手つだいをした。ナス巻も作って、僕は美味しく食べられそう!と一口かじってみた。照り焼きの味が広がって、おいしいじゃん!だけど、ぐじゅぐじゅ、じゅわわっ「やっぱり、にがーい」と麦茶をがぶのみ。まだそのときはこなかった。

おばあちゃんもママも大喜びで褒めてくれて、おじいちゃんは「そのときが、一歩近づいたということだよ」と言ってくれた。

夏やすみ明け、ナスの日のりょうくんは元気がなかったけど「そのとき」のはなしをしてあげた。りょうくんは「今日、そのときがきたりしてな」と2りで肩を組んで教室にむかった。
 

「そのときがくるくる」着眼点の例

     
    以下のような着眼点を参考に感想文の内容を考えてみるとよいでしょう。

    おじいちゃんが「その時が来る」と励ましてくれましたが、「ものごとには出来るようになる時期がある」という考え方を知ってどう感じたか。

    ものごとには時期を待たねばならないものもある。そのような対象には「あきらめずに待つ」考えが必要であり「無理だ」と決めつけることが一番だめ。

    苦手なものが一緒の友達のいることは助けになる。また、苦手なものが一緒であることで友情を深めることにつながる。

    ものには時期があることを知ることで「昔はダメだったが今ならできるかも」と、再チャレンジをしてみたくなる。だから、一度無理だったことでも、その場で「自分には無理だ」と決めつけないことが大事。ダメだった場合は「今の自分には無理だった」と考え、後で再チャレンジできるようにすることが大切。

    お母さんも、お爺ちゃんも、おばあちゃんも、食べようと努力したたくまを褒めてくれました。そのように「努力している姿勢」を評価してくれる家族について感じたことは?

    たくまや、りょうくんのように、自分にも苦手なものがないか考え、自分のことについても感想文に書いてみましょう。そして、自分の場合の「今まで」と「この本を読んでから」の考え方の変化を感想文に書いてみましょう。

    自分の経験で、昔苦手だったもので、今は平気になったものについて、キッカケや克服した方法などを書いてみましょう。

    自分のお父さんやお母さんにも、昔苦手なもので、今は平気になったものがあるか尋ね、その話を感想文の中で広げてみましょう。

    たくまは、まだ完全にはナスが嫌いなことを克服できていませんが、そんなたくまに何かアドバイスするとすれば、どのような言葉をかけたいか?「もし僕がたくまと話ができたら、きっと僕は・・・」といった書き方で感想文を書くのもよいでしょう。

    この本を書いた「すずきみえ」さんは、この本で何を学んでもらいたかったのかを想像し「おそらくこの本を書いた著者のすずきさんは・・・」という書き方でその考えを感想文の中に含めるのもよいでしょう。

    ・・・これら中からいくつかを取り上げ「自分の考え」や「過去の思い出」などとからめて解説してみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

Sponsored Link

「そのときがくるくる」読書感想文の例文【3作品】

以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も利用しているため、感想文を提出する際は、平仮名に直した状態で、文字数の規定に合わせてください。(小学校1,2年生は、本文800字以内になります)

便利な文字数カウンター

「そのときがくるくる」を読んで①

この本の主人公のたくまは、ナスが嫌いな小学生です。この本は、そのナスの嫌いなたくまが、ナスを食べれるように頑張る話です。

僕が感想文を書くための本としてこの本を選んだのは、僕にもたくまと同じように嫌いな食べ物があるためです。僕の嫌いな食べ物は、ニンジンとピーマンとトマトの3つです。そのため、僕はたくまより、3倍も努力しなければならないことにショックを感じました。

また、僕には食べられないものを頑張って食べようとするときに、励ましてくれるお爺ちゃんも、おばあちゃんもいません。その分、頑張って食べようとしているときは、お母さんに褒めてもらいたいのですが、僕のお母さんは怒ってばかりで、褒めようとしてくれたことがありません。なので、僕はこのままニンジンもピーマンも、トマトも嫌いなまま一生いるような気もします。

でも、この本でお爺ちゃんが言っていたように「その時がくる」ことを期待していいことに気づけて嬉しかったです。なぜなら、僕のお母さんとお父さんは、二人ともニンジンとピーマンとトマトが嫌いではないからです。だから僕にもきっと普通に食べれる時期が来るかもしれないと期待できると思ったからです。

また、たくまに比べて3倍楽しめるんだと思うようにすれば、得した気持ちにもなれることにも気がつきました。時間がかかるかもしれませんが諦めずに、たくまと同じように「その時が来る」まで待とうと思います。
 

「そのときがくるくる」を読んで②
 
私は本を読むのがとても遅く、いつもそのことで悩んでいます。お母さんにそのことを教えると、お母さんは「字の多い本を読むことに慣れることが必要だね」と言い
ました。

そのため私は、読書感想文の宿題が出た時、一番字の多い本を選んで、頑張って字を読むことに慣れようと思いました。なので、課題図書の中から一番字の多い『そのときがくるくる』という本を読むことにしました。

するとどうでしょう。不思議なことですが、この本は、苦手なものをどうにかしたいという同じような気持ちでいる小学生が主人公の本だったのです。そのため、私には主人公の男の子のたくまの気持ちが、よくわかりました。

自分と同じような気持ちの主人公の話だったので、いつも本を読む時より、速く本を読むことができました。私はそのことに気づき、とても驚きました。そして、自分と同じような気持ちでいる主人公が登場する本の場合、ひょっとすると知らないうちに集中して、本が速く読めるのかなと思いました。

だから、私の場合、本が速く読めるようになるまで、何か苦手のある主人公が、頑張って上手くなった話の本を探して、多く読むようにしようと思いました。速く読める本をたくさん読んでいるうちに、本を読むコツがつかめるかもしれないと思ったからです。

また、この本の中で、お爺ちゃんが、頑張った主人公のたくまに言った「無理をしなくてもいいさ。そのうちきっと、そのときがくるから。」という言葉が印象に残りました。そこのところを読んだ時、私は私に向かいお爺ちゃんが勇気づけてくれたように思えたからです。
 

「そのときがくるくる」を読んで③
 
僕はついこの前まで牛乳がとても嫌いでした。でも今は毎日牛乳をマグカップに2杯も飲めるようになりました。そのため、嫌いなナスを食べようと頑張っている小学生の話のこの本を読むことにしました。

主人公のたくまは、ナスを食べれるようにするため、ナスをお肉で巻いた料理を食べようとしましたが、残念ながら食べれませんでした。でもこの作戦はとてもいいアイデアだと感じました。

なぜなら、僕が牛乳を飲めるようになった方法と似ているからです。僕の場合、苦手な牛乳が飲めるようになったのは、牛乳をそのまま飲むのではなく、牛乳に少しカルピスを混ぜて飲む方法を試したからです。牛乳にカルピスを入れて飲むと、牛乳とは全く違う味の飲み物になるからです。

そのため、少しだけカルピスの力は必要ですが、この方法で毎日マグカップ2杯も牛乳が飲めるようになりました。お腹に入ってしまえば栄養は同じなので、これでいいと思っています。

だから、たくまもいろいろな食べ方を考えて、ナスを食べられるようにすればいいと思いました。また、僕の場合、だんだん慣れてきたため、カルピスはほんの少し入れるだけで牛乳が飲めるようになりました。おそらく来年には完全に牛乳だけでも飲めるようになると思います。

僕がたくまに伝えたいことは、お爺ちゃんと同じで、きっとそのときがくるから「あきらめるな」ということです。また、いろいろアイデアを試してみろとも言いたいです。頑張れたくま。僕も応援してるよ。
  


   

 

ものごとには時期を待たねばならないものもある
   そのような対象には「あきらめずに待つ」考えが必要

 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2021年の小学校低学年(1、2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 
 
また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)


読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

関連記事と広告

 
サブコンテンツ