「うまれてくるよ海のなか」読書感想文の書き方【例文つき】

2023年の課題図書対策!

こちらでは「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『うまれてくるよ海のなか』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。


高久至 しゃしん かんちくたかこ ぶん アリス館 1,540円 (税込み)
31ページ


 

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「うまれてくるよ海のなか」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「うまれてくるよ海のなか」あらすじ

海の中に暮らす、たくさんの生きものたち。 たくさんの卵がうまれて、でも、大人になれるのは、ほんのちょっと。 だから、なるべくたくさんの卵が無事にかえるように、海のお父さんお母さんは一生懸命です。 そばで世話したり上手に隠したり、ときには命がけでまもります。

そうしてうまれた海の子たち。 「がんばれー」と応援したくなります。 けなげでたくましい親たちのすがた、綺麗で可愛らしい卵や子どもたちの姿を、美しい写真とやさしい文で紹介します。 意外と知らない海の生きものたちの、親子関係がわかります。
 

「うまれてくるよ海のなか」着眼点の例


 
数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。

お母さんが卵を産み、お父さんが卵を守る魚が多いことを知ることになりますが、その点を広げる感想文もよいでしょう。懸命に卵を世話する魚たちの姿に、自分を重ねて「自分もこうやって大きくなったんだ」という発見が感じとれる感想文を書いてみましょう。

生きものをもっと大切にしなくてはいけないと分かったことを伝える。その生きものが今にいたるまでの「成長の歴史」が意識できるようになれば、おのずとその生きものを大切にしたくなるものです。

「生きものを見る際は、その生きものが今まで生きてきた歴史を想像すれば、いまよりもっと生きものを大切にできるようになることを発見しました。」・・とする感想文もよいでしょう。

本の中では、生きものたちは卵を隠している様子が書かれています。敵から見つからないように。岩の下や草の中。中にはお父さんが口の中に入れて隠すなんてことも。タツノオトシゴはお父さんのおなかの中。エビやカニはおかあさんがかたい殻のあいだで卵を守っています。シワカイナゴが卵を産む場所は、かいそうの茎に隠すように産んでいます。また、ホシカゲアゴアマダイは口の中にたくさん卵を入れて守っています。また、コブダイのように卵を守ることをしない生きものもいますが、その分、小さな卵をたくさん産んで生き残る確率を高くしています。みんな子孫を残すために工夫をしているわけです。この点について感じたこと考えたことを感想文で発表してみましょう。

タコのママの話はとてもショックだったはず。卵を産んだあとにそのまま死んでしまうという点に「最後の力を振り絞って命をつなげている」という事実をしることになります。この点に注目して感じたことを感想文で発表してみましょう。

「生きものの本」や「自然界の本」の感想文は、学んだことを自分の生活にどのように応用させるかを書くことで高評価につながります。

生きものが生きていくには、その生きものだけでなく、生んでくれた親や、育ててくれた親がいて今の姿になったことが理解できたことが感じ取れる感想文にしてみましょう。そして「この本を読み、友達と一緒にいるときは、今まで大切に育ててくれた家族のことも想像するようにして、もっと大切に接するようにしないといけないんだなと思うようになりまいた。」・・・と進展させるのもよいでしょう。魚の話を人間関係という「生活に応用」できた評価の高い感想文になります。

「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のエピソードを加える感想文もよいでしょう。家族の意見を加えることで、意外性のある感想文に進展させることができます。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは僕に「どんな生きものも命をつなぐために必死なんだよ。だから食事をするときは、命をいただくという思いで感謝しなくちゃいけないんだよ」と言いました。僕はその話を聞いて、確かにそうだなと思いました・・・など。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「 “驚きは知ることの始まりである” っていう言葉があるんだけど、この本を読んで驚いたんだったら、魚のことについて調べるチャンスだよ」と言いました。そこで僕はお父さんに頼んで、魚の図鑑を2冊買ってもらいました・・・など。

この本を読む前と、読んだ後では生きものに対しての考え方にどのような変化があったか。読む前の自分と読んだ後の自分の変化が分かる感想文を書いてみましょう。

「この本をきっかけにして、いろいろなことを図鑑や本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになったとする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。

この本を読んで「伝えることの価値」や「書き残すことの価値」について気づけたことを発表する感想文も素晴らしい着眼です。そして「自分も大人になったら面白いことや不思議なことを本にできる大人になりたいなと思いました。」とするまとめ方も良いでしょう。

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
 

「うまれてくるよ海のなか」読書感想文の例【例文】

以下に、読書感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター

「うまれてくるよ海のなか」を読んで①

この本を読んで、海の生きものたちがどんなに強く生きているか、僕は初めて知りました。たくさんの生きものたちが、生きるために、そして子どもたちの命を守るために、色々な工夫をしていることに驚きました。特に、お父さん魚が自分の口の中に卵を入れて守ることにはびっくりしました。また、タツノオトシゴのお父さんがおなかの中で卵を育てることも、初めて知りました。

僕が一番感動したのは、卵を産んだあとにそのまま命を使い果たすタコのお母さんの話です。それほどまでに子どもを思う強い愛に、僕は感動しました。僕のお母さんも、僕を産んでくれて、そして今でも一生懸命に僕のことを思ってくれているんだと思うと、お母さんにとっても感謝しました。

この本の話をお父さんに話したら、お父さんは「どんな生きものも命をつなぐために必死なんだよ。だから食事をするときは、命をいただくという思いで感謝しなくちゃいけないんだよ」と教えてくれました。僕はその話を聞いて、生きものたちがどんなに大切な命を持っているかを改めて考えました。

この本を読む前は、海の生きものたちがこんなにも一生懸命に生きていることを知らず、ただ見て楽しむだけでした。でも、この本を読んでからは、生きものたちに対する考え方が変わりました。僕も、生きものたちの命を尊重し、感謝の気持ちを持つようになりました。

これからも、この本をきっかけにして、もっと色んな本を読んで、生きものたちのことをもっと知りたいと思います。そして、それを家族や友達に伝えて、一緒に命を大切にすることができればいいなと思います。
 

「うまれてくるよ海のなか」を読んで②
 
この本を読んで、海の生き物たちがどんなに子供を大切にしているか、ぼく、びっくりしたんだ。お父さんが卵を守る姿を見て、自分のお父さんのことを思い出したよ。ぼくのお父さんもぼくをいつも守ってくれているんだ。サッカーの試合で負けちゃったとき、お父さんは「大丈夫だよ、次はもっと頑張ればいいんだよ」と優しく励ましてくれた。海のお父さんたちも、きっと卵を守りながら同じように思ってるんだろうな。

でも、タコのお母さんが卵を産んだ後、そのまま死んじゃうって聞いて、ぼく、すごく驚いたよ。お母さんがそんなに頑張って子供のために全部の力を使うなんて、ぼく、全然知らなかったんだ。

この本を読んで、親が子供をどれだけ大切にしているか、もっとわかったよ。ぼくも、お父さんやお母さんに「ありがとう」って言わなきゃなって思った。お父さんにこの本の話をしたら、「親は何でも子供のためにするんだよ。だからお前が大きくなったら、子供を同じように大切にしなきゃいけないんだよ」って言ってくれたんだ。

この本を読む前は、生き物はただ生きてるだけだと思ってた。でも、この本を読んで、生き物たちは大変なことをしながら、子供を守ってるんだってわかったよ。これからは、もっと生き物のことを大切にして、ありがとうって思うようになりたいな。そして、ぼくも大きくなったら、こんなにすごい本を書けるようになりたいなって思ったよ。

「うまれてくるよ海のなか」を読んで③

みなさんは生きものが生まれてから大きくなるまでのことを考えたことはありますか。実は僕はこの本を読むまで、生きものが生まれてから大きくなるまでのことなんて一度も考えたことがありませんでした。

僕はこの本を読んで、「生きものってすごいんだ。大きくなるって大変なんだ。」ということがよくわかりました。

この本は、たくさんの魚が卵を産んで育てる様子が写真と一緒にかかれていました。僕はいくつも感激しました。なぜなら、魚は卵をまもるために、自分の口の中で育てたり、周りの魚に卵が食べられないようにしたり、雄が卵を育てたりする魚がいることなど、僕がこれまで知らなかったことがたくさん書かれていたからです。

僕は、魚は卵を産んだら、あとは勝手に孵化して育つだけだと思っていたのですが、産むための努力の様子や、大切に育てる魚もいる事実を初めて知り、とても驚いたのです。

そのためこの本を読み終えた瞬間から、魚や魚だけでなく、すべての生きものをもっと大切にしなくてはいけないと思うようになりました。

それだけではありません。魚ですら卵を産む苦労や、卵を育てるための大変な努力をしていることを知ったために、僕は友達に対しても、もっと親切にしないといけないと思うようになりました。

なぜなら、この本を読んで、目の前にいる友達も、産まれてから今までの間に、お父さんやお母さんや、家族みんなの努力があって今ここにいることが分かったからです。

育ててくれた家族のことを想像すれば、ちょっとのことで喧嘩をしたり、悪口を言ったりもしなくなると思ったのです。

この本は魚の卵が産まれる様子が書かれた本でしたが、僕にとっては生きものや友達を大切にすべき理由に気づかせてくれた、ありがたい本になりました。
 

「うまれてくるよ海のなか」を読んで④

海の中には、色んな生き物がいて、それぞれが自分なりの方法で命を守っていることに驚きました。海のお父さんたちが一生懸命に卵を守っている姿を見て、僕のお父さんも僕を一生懸命に育ててくれているんだと感じました。僕が熱を出した時、お父さんは仕事を休んで看病してくれました。その時のお父さんの顔を見ると、海のお父さん魚の気持ちがわかるような気がしました。

そして、海のお母さんたちの中には、卵を産んだあとに命を使い果たすタコのお母さんの話には心が痛みました。それでも子供のために最後まで頑張るお母さんの姿に、自分のお母さんのことを思い出しました。僕が小さい頃、夜中に怖がって泣いたとき、お母さんはいつも僕の側にいてくれました。お母さんも、タコのお母さんと同じように僕を大切にしてくれているんだなと感じました。

この本の話をお父さんとお母さんに話したら、二人とも「命を大切にするんだよ」と教えてくれました。それから、僕は生き物に対して感謝の気持ちを持つようになりました。また、僕は自分の生活の中で、大切にされていることにもっと感謝しなければいけないと思いました。

この本を読む前と読んだ後では、生き物に対する考え方が大きく変わりました。海の生き物たちが親子愛を持っていることを知り、僕も親や友達に感謝することが大切だと思いました。そして、もっと生き物たちのことを勉強して、その奇跡的な生き方を人に教えることができる大人になりたいと思いました。
 


 

・「驚きは知ることの始まりである」プラトン
・命の尊さ、命の有難さ
・自然界の本の感想文は学んだことを自分の生活に応用させる内容で

 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2023年の小学校低学年(1,2年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2022課題図書

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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