「タヌキのきょうしつ」読書感想文の例文【3作品】
2020年の課題図書対策!
こちらでは「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「低学年」の部(1、2年生用)
『タヌキのきょうしつ』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。
※おもに、小学生が800字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。
『タヌキのきょうしつ』
山下明生 (著), 長谷川義史 (イラスト)
出版社:あかね書房 (2019/7/16)
79ページ
1,210円(税込み)
~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「タヌキのきょうしつ」について
「タヌキのきょうしつ」あらすじ
着眼点のポイント!
「タヌキのきょうしつ」読書感想文の例【3作品】
書きやすい読書感想文の構成の例
用紙・字数のルール その他
2020年課題図書(小学校高学年)全4冊紹介
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「タヌキのきょうしつ」について・・・
昔、広島の小学校で夜になるとタヌキが勉強をしているという新聞記事が載ったことがありました(本当のことです)。タヌキだって勉強したい!学ぶ楽しさはタヌキだって同じなのです。教頭先生の手助けもあってタヌキの小学校は大盛りあがり。けれど時は流れ、世の中は戦の色が強くなっていきます。学校ですら安全な場所ではなくなりました。タヌキの学校はどうなってしまったのでしょう… たくましく生きる人々とタヌキたちの物語。
「タヌキのきょうしつ」着眼点のポイント
以下のような着眼点を参考に自身の考え方を述べてみるのはいかがでしょうか?
いろいろな本の中から、なぜこの本を選んだのかをまず初めに説明するのもよいでしょう。
物語の中で、タヌキ達は人間より勉強熱心で、しかも勉強を「楽しい」と言っていましたが、それはなぜだと思うかを想像し考えを書くのもよいでしょう。
戦争は人間だけでなく、本の中に登場したクロガネモチの木のような植物や、タヌキのような自然の動物も不幸にしてしまう点に注目し、感想文の中でとりあげるのもよいでしょう。
タヌキが学校で勉強していることが新聞で取り上げられてしまったため、タヌキはやむを得ず、夜、小学校で勉強することができなくなってしまいましたが、それは、最初に発見した教頭先生が、秘密にしておくことを我慢できず、奥さんに話してしてしまったことが切っ掛けでした。この点について、自分の思い出などを紹介し感想文を書くのもよいでしょう。
戦争は多くの人や動物の命を奪いますが、そのような時代を作らないことが大切なことと、戦争になれば、学校にも行けなくなることなどを想像し、平和な時代をありがたく思えることを感想文の中で述べるのもよいでしょう。
おでん屋のおじさんは、子どもたちがタヌキだと気づいていましたが、それを誰にも言わずに、そっとしておきましたが、そんなおでん屋さんをどう思ったかを感想文に書くのもよいでしょう。
もしこのお話に「続き」があるとすれば、どのような話になると嬉しいと思うか。想像したことを感想文に書いてみるのもよいでしょう。
・・・これら中からいくつかを取り上げ「自分の考え」や「過去の思い出」などとからめて解説してみましょう。
「タヌキのきょうしつ」読書感想文の例文【3作品】
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。
以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」や「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直して文字数の調整を行ってください。
「タヌキのきょうしつ」を読んで①
この物語は、昔、広島の小学校で勉強をしている子供達を見た親タヌキが、これからは教育が大切なんだと思い、夜中に学校の教室で親タヌキが子供のタヌキに勉強を教えるという話から始まります。しかし、その姿を人間に見られ、新聞にまで載るようになったため、やむを得ず学校で勉強をするのをあきらめます。そんな中で、戦争がはじまり原爆が落とされてしまいました。
そのため、タヌキたちはどこに行ったのか分からなくなりましたが、何年もたったある日、教室で勉強したタヌキの孫たちと思える五匹の子どものタヌキが、広島のおでん屋に現われ「たぬきの煮卵」という名物を買いに来たという内容でした。
この本を読み、私が印象に残ったことは、タヌキ達が勉強をしている姿を見つけた教頭先生が、そのことを黙っていられず「だれにも話しちゃダメだ」と念を押しつつも、奥さんにそのことをしゃべってしまったことが原因で、タヌキのことが次から次へと人に伝わってしまい、とうとう新聞にまで載ってしまったところです。
なぜ、ここが一番印象に残ったかというと、私も誰かに「絶対ほかの人に言っちゃだめ」と言われると、どうしても話したくなるからです。次から次へと話が広まっていったのも、みんな同じような気持ちになるのかなと思いました。
また、原爆が落とされどこかに行ってしまったタヌキ達でしたが、おでん屋に来た子タヌキ達が、葉っぱに文字を書き残していたので、きっとタヌキの教室で勉強をした子タヌキ達の子孫のタヌキなんだろうなと思い、嬉しく思いました。
「タヌキのきょうしつ」を読んで②
「タヌキの教室?メダカの学校みたいな話かな?」僕はこの本のタイトルを見た時、はじめそのようなことを考えました。そのため、きっとタヌキが楽しく勉強をする話なんじゃないかと思いました。
しかし、読んでいくと悲しい戦争の話が書かれていて複雑な気持ちになりました。
主人公は、学校の校庭に生えているクロガネモチの木を住家にしているタヌキ達です。このタヌキ達は、人間の子ともたちが勉強を終えて帰った後、夜になると教室を利用し勉強をしています。
しかし、クロガネモチの木は戦争で原爆にやられて真っ黒焦げになってしまいました。そのため、タヌキ達も戦争で行方知れずになってしまいました。でも、戦争が終わり、教室のあった広島にも平和が訪れ、学校で勉強をしていたタヌキ達の子孫達も、広島に戻ってきたというお話です。
僕がこの本を読んで、嬉しく思ったところは、広島に戻ってきた子タヌキ達が、おでん屋さんで「たぬきの煮卵」を葉っぱで作ったお金を払って買った時、おでん屋のおじさんが、そのことに気づいていたにもかかわらず、怒るどころか、受け取った葉っぱを「縁起がいい」といいお店に飾ったところです。
よく、昔話に出てくるタヌキは、いたずらをして懲らしめられる話が多かったのですが、このおでん屋のおじさんは、タヌキを大切にしたところが、とても嬉しく思えました。もし僕も、タヌキが何かを欲しがったなら、タヌキが欲しがるものを喜んであげると思います。僕は動物が大好きだからです。
「タヌキのきょうしつ」を読んで③
私は、課題図書の4冊を全部読んでみました。その中で、読んでみて一番よかったのが、この『タヌキのきょうしつ』でした。
でも、本の内容がよかったというわけではなく、4冊の中でこの本の絵が一番好きだったたということです。
4冊とも5、6回読みましたが、この本に出てくるタヌキや人の絵がとても好きで、紙にクレヨンで真似して何度も描いてみたのは、この本のタヌキや人の絵だけでした。
本の話の内容は、小学校の教室を利用して、夜中に勉強をしていた人間より勉強熱心なタヌキ達が、戦争の後、行方が分からなくなったけれども、平和な時代になってから、その孫タヌキ達が、元いた広島の街に戻ってきたというお話でした。物語の印象は「ああ良かったね」という感じで、あまり面白くはありませんでした。
でも、物語を説明する絵の方は、何度も真似して描いて、そっくりに書けるようになりたいと思うほど、私が描きたいキャラクターのお手本のようなデザインでした。
本の最後のページで描かれていた、おでん屋さんの名物の「たぬきの煮卵」を箸でつまむ様子も、本当においしそうに見え、こんな絵がかけるようになりたいなと思いました。
私は、この本を読み、絵の描き方をもっと勉強したいと思いまいた。私はきっと、物語を書くことはできないと思いますが、物語を説明する挿絵やイラストを上手に描ける人になりたいと思いました。
以下、追加作品が完成次第、掲載いたします。
書きやすい感想文の構成の例(書き方の順序)
最後に、書きやすくまとめやすい標準的な読書感想文の構成例をご紹介いたします。感想文は構成を考え、順序だてて「説明するもの」だと思えば比較的楽に書けるものです。
小学校の低学年生の場合、800字以内ということなので、次のような順序で書けばまとめやすいでしょう。
①なぜこの本を選んだのかの説明
②大まかな内容を手短かに説明
③特に気になった箇所やフレーズを紹介(1)
なぜ気になったのか自身の思い出などとからませて説明
④特に気になった箇所やフレーズを紹介(2)
なぜ気になったのか自身の思い出などとからませて説明
⑤この本を読む前と読んだ後とでどのような考え方の変化があったか
この本によって発見したことや反省させられた点など「本からの学び」を説明
読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)
用紙・字数のルール その他
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
66回の応募のルールについての詳細はこちらページで発表されます。
⇒ 「公募ガイド 青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
戦争は木や動物も不幸にさせる
2020年課題図書(小学校低学年)全4冊紹介
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読書感想文 課題図書2020(小学校 高学年)4冊