「わたしたちのカメムシずかん」読書感想文の書き方【例文3作品】

2021年の課題図書対策!
こちらでは「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「中学年」の部(3、4年生用)
『わたしたちのカメムシずかん』の「あらすじ(概要))」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。

「わたしたちのカメムシずかん
 :やっかいものが宝ものになった話」

発売日:2020年05月22日頃
著者/編集:鈴木海花, はたこうしろう
レーベル:たくさんのふしぎ傑作集
出版社:株式会社 福音館書店
ページ数:40p
価格:1,430円(税込)

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「わたしたちのカメムシずかん」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【3作品】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「わたしたちのカメムシずかん」あらすじ(概要)

「カメムシ」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?「あの臭い虫?」と、おそらくあまり良いイメージはもっていないのではないでしょうか。

でも、じつはカメムシには、美しいものや、かわったかたちのものなど、いろんな種類がいて、よく見ると、なかなかおもしろい生きものなのです。岩手県葛巻町にある小学校では、そんなカメムシをみんなでさがして、調べて、「カメムシずかん」を作りました。

そして、子どもたちと先生たちの熱意はカメムシの研究者までも動かします。小さな町の小さな小学校で本当にあった夢のようなお話が絵本になりました。

あわせて、カメムシはどんな虫なのか基本的な情報や、「カメムシはどうしてくさいの?」「どうして集まるの?」といったカメムシの生態についても、最新の研究をもとにわかりやすく紹介しています。

この絵本を読むと、自分でも何か身のまわりにある生きものを調べてみたいときっと思って頂けるはずです。巻末には「わたしのずかん」を作るためのシートもついています。
  

「わたしたちのカメムシずかん」着眼点の例

     
    以下のような着眼点を参考に感想をまとめてみるとよいでしょう。

    この本に出てくる子供たちのように、自分にも知識が増えるにつれて、初めは嫌いだったが、徐々にそれほど嫌いではなくなったものがあれば、そのことを本文のエピソードと絡めながら感想の中で発表してみましょう。「この部分を読んだとき、私にも以前○○したとき、嫌いだった○○を好きになったことを思い出しました。昔の私は・・・」というような書き方です。

    本の中の子供たちはカメムシを研究してから「悪いカメムシと良いカメムシもいる」ということを知りましたが、このように、知識が増えれば「すべてを一緒にすべきではなく分類できること」が分かってきます。

    「科学は比較と分類よりはじまる」という言葉がありますが、子供たちにとって「悪いカメムシと良いカメムシがいること」を発見できたことは「科学的な考察のしかたの第一歩を得られたこと」でもあります。何事も決めつけずに「分類できないか」と研究をしてみることの大切さが分かった、という繋げ方で感想文をまとめるのも良いでしょう。

    ヒメハナカメムシ類は、害虫であるハダニやアザミウマを捕食してくれるため、人間にとって良いカメムシ(益虫)です。アザミウマを食べさせることで、農薬を使わずアザミウマを退治してもらえるからです。

    ※益虫・・・何らかの形で人間の生活に役に立つ、昆虫など小動物のことを指していう言葉。害虫の反対の意味。

    人間にとって害虫であっても、自然界にとっては何らかの「役割」があるはずです。その点を述べ「人間にとって害虫だからといってすべてをいなくしてしまうことは危険なのではないかと感じた」という内容の感想を書くのも良いでしょう。そして、人間と共存していくための方法を見つけることが大切だと思った、という内容にし、この解決方法を発見することが本来的な解決の在り方であるという内容を「子供の言葉で」述べてみるのもよいでしょう。

    この町はカメムシの害に悩んでいますが、カメムシの研究をして理科好きになりみんなが「カメムシ博士」にはなりましたが、カメムシの害をどうやったら防ぐことができるのかは研究されませんでした。その点について、感想文の中で、どのような対策に繋げるべきか、自分の考えや提案を述べるのもよいでしょう。

    ※例えば「シカやクマが人里に降りてきて困る」というニュースがありますが、カメムシスプレーなどで対策はできないか?など。また、カメムシが冬の間かくれられる場所を失くしてしまえば、春には出てくる数が減ると言えそうです。

    人間には「知識が増えると好きになっていく心理」があることを知ったという内容を、子供の言葉で述べる感想文にするのもよいでしょう。本の中では、カメムシをたくさん集めて調べることで「宝もの」のような達成感を感じています。

    みんなで取り組むことの価値・・・何かを研究する際、一人で研究していたのではなかなか進まないことが多いものです。またなかなか成果がでないため途中であきらめてしまうことも多いはずです。ところがみんなで取り組む場合、競争意識も働くため、一人で研究するよりはるかに研究が進歩しやすくなるものです。そのため「この本を読んでみんなで取り組むことの価値を発見できた」という感激を中心にした感想文を書くのもよいでしょう。

    子どもたちの熱心な取り組みを伝えたことで、カメムシの研究をしている2人の博士に町に来てもらい特別授業をしてもらうことにつながりました。これは「たとえ小学生でもたくさんの資料を集め研究をしていれば、もの凄い偉い人を引き付ける力になる」「自分たちより凄い人と出会うきっかけにできる」という経験を得たことでもあります。その点について「一つのことを熱心に続けることの偉大さ」「数を集めることの偉大さ」について気づかされたという感想にするのもよいでしょう。また「努力は人を引き付ける」「類は友を呼ぶ」という真理の例でもあります。そのような心理をこの本で発見できたという感想にするわけです。

    この絵本を読むと、自分でも何か身のまわりにある生きものを調べてみたいと思うかもしれません。巻末には「わたしのずかん」を作るためのシートもついていますが、自分なら何の研究をどのような着眼でしてみたくなったか、それを感想文の中で教えるのもよいでしょう。

    「もしこの本に続きがあれば・・」として、どんな展開になって欲しいか、自分の希望を書いてみるのも良いでしょう。

    カメムシという嫌われ者に注目し本にしてくれた「著者に対する感謝の言葉」を感想文の最後に述べるのもよいでしょう。「○○○○の大切さを私に気付かせてくれたこの本の著者に感謝したいと思います。」という結び方は、どのジャンルの本の感想文にも使える書き方の例の一つです。

    ・・・これらの中からいくつかを取り上げ「過去の思い出」や「最近の出来事」などとからめながら感想文をまとめればよいでしょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

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「わたしたちのカメムシずかん」読書感想文の例文【3作品】

以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター

「わたしたちのカメムシずかん」を読んで①

読書感想文の宿題が出たことをお母さんに教えると、お母さんは課題図書の4冊すべてを買ってくれました。そして「一番印象に残った本の感想文をかいてみなさい」といいました。そのため私は一番印象に残った、この『わたしたちのカメムシずかん』で感想文を書くことに決めました。

この本は、嫌われ者のカメムシを岩手県の葛巻町にある全児童29人の小さな小学校の生徒全体で研究し、みんなが「カメムシ博士」として調査研究するお話です。しかも、実際にあった話です。

私はこの本を読んで、なぜ課題図書の4冊の中で一番印象に残ったかというと、私はカメムシが一番嫌いな虫だったからです。その大嫌いな虫をみんなで集め研究するという内容が、私には気持ち悪くなるぐらい、嫌なことに思えたからです。

そのため、この葛巻町の小学校の取り組みは偉いなあと思いました。それは、みんなから嫌われているカメムシを研究したことが立派に思えたからです。しかも、先生のその呼びかけに応じ、生徒がいろいろなカメムシを熱心に集め、役に立たせようとしていたからです。

しかし、この本を読み終えて、初め思った正直な感想は「葛巻町のようなカメムシの多い町に住んでいなくてよかった」というものでした。私は、たまに見つけるカメムシにさえ、とても恐怖を感じるので、葛巻町のようなところに住んでいたら、しょっちゅうものすごく嫌な思いをするだろうと思ったからです。

そのことをお母さんに話すと、お母さんは「カメムシほど嫌いなものでなくていいから、いろいろ調べているうちに、嫌いなものが好きになってきた思い出を感想文に書いてみなさい」といいました。また、嫌いとか気持ち悪いという感想で終わってしまったら、何の勉強にもならないと注意もされました。

そこで、昔嫌いだったものが、いろいろ調べているうちに好きになったものを思い出してみました。すると、一番初めに思い出したものは牛乳でした。私は昔牛乳が大嫌いでした。しかし、いろいろ調べているうちに、牛乳にもいろいろ種類があることや、牛乳が飲みやすくなる方法も発見できました。牛乳が飲みやすくなる方法とは牛乳にカルピスを混ぜて飲むという方法でした。

それ以来、私は毎日のように牛乳を飲んでいるのですが、そのことを思い出し、何か嫌いなものがあった場合、別の好きなものと一緒に混ぜてみるという方法があることを再確認できました。

私はカメムシの知識がないため、カメムシの害を防ぐためのアイデアは出てきませんでしたが、この本を読んで、何か嫌いなものができた時は、まず、牛乳にカルピスを混ぜたときのことを思い出し、別の好きな物と組み合わせるアイデアがあることを思い出させてもらいました。
  

「わたしたちのカメムシずかん」を読んで②
 

以下、完成次第、掲載いたします。


  

「わたしたちのカメムシずかん」を読んで③
 
 
 


 

知識が増えれば好きになる
   嫌いなものを好きになる知恵を考える

 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2021年の小学校中学年(3、4年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 
 
また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)


読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

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