「化石のよぶ声がきこえる」読書感想文の書き方【例文つき】

2023年の課題図書対策!

こちらでは「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「中学年」の部(3、4年生用)
『化石のよぶ声がきこえる』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、小学生が1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。

『化石のよぶ声がきこえる :天才恐竜ハンターウェンディ・スロボーダ』

ヘレイン・ベッカー 作 サンドラ・デュメイ 絵 木村由莉 訳・監修 くもん出版 1,760円 (税込み)
40ページ

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「化石のよぶ声がきこえる」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「化石のよぶ声がきこえる」あらすじ

白亜紀を生きた恐竜「ウェンディケラトプス」の化石を世界ではじめて発掘し、その名の由来となったすごうで女性恐竜ハンター、ウェンディ・スロボーダの半生を描いた伝記絵本。自分の好きなことをひたむきに追求することのすばらしさを伝えてくれる一冊です。

ウェンディの目は、ちょっと特別。みんなが気が付かない、すてきなもの「おもしろい形の石」「つぼみ」「ひっつき虫」「あざやかな鳥の羽」を見つけることができます。

ある日、学校の遠足でバットランドに行き「サンゴの化石」をみつけました。先生からも「いい目をしているね!」とほめられ、「ここは何千年も前は海で、たくさんの生き物がすんでいたんだよ」と教えられ、感動したウェンディは化石さがしをするようになりました。

17歳のとき、ウェンディがとびきりめずらしい恐竜の卵の化石をみつけたおかげで、たくさんの古生物学者がやってきて「ヒパクロサウルス」という恐竜のたまごの化石が掘り出される大発見となりました。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      
ウェンディは「もっと知りたい」と思って、古生物学博物館で化石をクリーニングする仕事につきます。そしてどこにいっても必ず化石を見つける「化石のよぶ声が聞こえる人」とよばれるようになりました。
 
それからアルバータ州で大きな角竜類の恐竜の頭骨をみつけて、4年以上かけて掘り出したら、新発見の恐竜だとわかりました。

新しい恐竜なのでウェンディの名をとり「ウェンディケラトプス」と名づけられました。ウェンディはまた次の発見をもとめてがんばっています。
  

「化石のよぶ声がきこえる」着眼点の例


 
以下のような着眼点を参考に感想をまとめてみるとよいでしょう。

数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。

本書を読み次にような学びが得られたなら、著者の執筆意図に叶ったものといえます。

・男だから、女だからということでやりたいことをガマンしなくていい
・人それぞれ好きなものがちがっていもいい
・「変わっている」って言われても気にしなくていい
・好きなことを仕事にすることはすばらしい

ウェンディの「変わっている」性質が大きな発見につながった内容でしたが、その点に注目し「変わっている人」との接し方について考えさせられたことを発表してみましょう。「変わっている友達を馬鹿にしたりしてはいけないと思うようになりました」・・など。

また、好きなことを仕事にするには「努力」が必要になることが分かったことを感想文で発表してみましょう。ウェンディが、アルバータ州で大きな角竜類の恐竜の頭骨をみつけて、新発見の恐竜だとわかるまでに、4年以上かけて掘り出しました。またそのような研究をさせてもらうには、それまでにたくさんの勉強が必要だったはずです。

日本には「オタク文化」が存在しますが、一般的な「オタク」とウェンディとの違いはどのような点でしょうか?その点について考えた自分の意見を発表する感想文もよいでしょう。社会性や科学的進歩につながるか否かの違いではないか・・など。

「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のやりとりを紹介する感想文もよいでしょう。家族とのエピソードを加えることで、意外性のある感想文に進展させることができます。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「好きなものに巡り会えた時にそれを仕事にするためには、好きなものがないうちに勉強しておかないといけないんだぞ」と教えてくれました。僕はお父さんのその「好きなものがないうちに勉強しておく」という考え方を聞いて、思わずハッとしました。・・・など。

例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは「みんな同じ考え方の人間ばかりだったら世の中はどうなると思う?」と質問してきました。そして「ウェンディのようにほかの人とは違うことに注目する人がいてくれるから、いろんな分野の発見や進歩があるんだよ」と教えてくれました。・・・など。

この本を読む前と、読んだ後では「人と違う性質」や「変わったものへの興味」に対してどのような考え方の変化があったか。

ウェンディは好きなものに巡り合えた人でしたが、好きなものがまだない人の方が多いものです。そのため、この本は「はっきり好きなものがない自分はどうしたらいいのか?」という疑問を与えてくれる本でもあります。その点について考えた自分の意見を発表する感想文もよいでしょう。

「この本をきっかけにして、いろいろなことを本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになった、とする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。

自分の経験や発見したことを「伝えることの価値」「書き残すことの価値」について気づけたことを発表する感想文も素晴らしい着眼です。そして「自分も大人になったら発見したことや経験したことを本に残せるようになりたいなと思いました。」とするまとめ方も良いでしょう。
 

・・・これらの中からいくつかを取り上げ「過去の思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

「化石のよぶ声がきこえる」読書感想文の例【例文】

以下に感想文の書き方の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。

便利な文字数カウンター

「化石のよぶ声がきこえる」を読んで①

今回私が読んだこの「化石のよぶ声がきこえる」という本は、恐竜ハンターとして大活躍しているウェンディさんの話が書かれている絵本です。

僕の親戚のお兄ちゃんは、恐竜が大好きでよく恐竜図鑑や恐竜の本を何冊ももっています。お兄ちゃんの家にいくと恐竜の話をよくしていたので僕もいつのまにか恐竜が大好きになっていました。そのため感想文の宿題が出されたとき、四冊の中に恐竜の本があったため迷わずこの本を選びました。

本の中では、子供のころから周りのこが気づかないいろいろなものを発見する目を持った女の子だったウェンディさんが、ある日、学校の遠足でバットランドに行くと「サンゴの化石」をみつけて、そのことがきっかけで化石探しをするようになり、大人になってからは恐竜ハンターの専門家として大活躍している様子が書かれていました。

恐竜が大好きな僕ですが、ウェンディさんのように恐竜ハンターになってみようなんて思ったことはありませんでしたから、僕はウェンディさんに負けたと思いました。

ウェンディさんが17歳のとき恐竜のたまごの化石を掘り出すことにつながった大発見をしたというエピソードを読んだとき、高校生でそんな大発見ができるなんてホントにすごいと思いました。

そればかりではありません。ウェンディさんは大きな角竜類の恐竜の頭骨をみつけて、4年以上かけて掘り出したところ、その化石はなんと新発見の恐竜だったため、ウェンディさんの名前をとって「ウェンディケラトプス」と名づけられたというエピソードを読んだときは、まるでウェンディさんが歴史上の人物になれたようでホントに名誉なことだと思いました。

この本を読んだ後、内容をお父さんに話すと、お父さんは「女の人で恐竜ハンターの仕事をしてること自体すごく珍しいことなんじゃないかな」といいました。よく考えてみると、確かに珍しいように思えました。僕の周りで恐竜が好きな友達はみんな男の子ばかりです。

またお父さんは「ウェンディさんのように自分の好きなことが仕事にできればこんな嬉しいことはないけど、仕事にできそうなことなら周りを気にせずやってみたほうがいい」といいました。僕はお父さんの言葉を聞いて確かにそのとおりだと思いました。僕はあまり人の目を気にしないからです。

また、ウェンディさんは好きなことが仕事にできる人なのでうらやましく思えました。なぜなら、僕の好きなことは、漫画やアニメやゲームといった、仕事にはできなそうなことばかりだからです。

恐竜が好きでこの本を読んだ僕ですが、この本がきっかけになり「自分の好きなものが将来仕事にできるかできないか」という考え方を発見できて嬉しく思いました。

また、これからは本を読んだ後、お父さんや友達に本の内容を教えて、みんなの意見を聞いてみるようにしたいと思うようになりました。それは今回お父さんからいい話を聞けたように、本の内容から脱線した面白い話をまた聞けるかもしれないと思ったからです。
 

「化石のよぶ声がきこえる」を読んで②
 
以下、完成次第、追加掲載いたします。


 
 
 


 

好きなことを追求することのすばらしさ、大変さを知る
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2023年の小学校中学年(3、4年生)用の課題図書は次の4冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2022課題図書

2021課題図書

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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