「ポリぶくろ、1まい、すてた」読書感想文の書き方【例文3作品】
2020年の課題図書対策!
こちらでは「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「高学年」の部(3、4年生用)
『ポリぶくろ、1まい、すてた』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。
※おもに、小学生が1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。
『ポリぶくろ、1まい、すてた』
ミランダ・ポール作
エリザベス・ズーノン絵
藤田千枝訳
出版社: さえら書房 (2019/2/15)
32ページ
1500円+税
~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「ポリぶくろ、1まい、すてた」について
「ポリぶくろ、1まい、すてた」あらすじ
着眼点のポイント!
「ポリぶくろ、1まい、すてた」読書感想文の例【3作品】
書きやすい読書感想文の構成の例
用紙・字数のルール その他
2020年課題図書(小学校中学年)全4冊紹介
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「ポリぶくろ、1まい、すてた」について・・・
内容紹介
ポリ袋を1枚、道にすてた。次の日には2枚になり、それはやがて100枚になった。自分のすてたものは自分の手で何とかしなければいけないと、アイサトウは仲間たちとリサイクルの財布作りをはじめた。・・SDGsの「環境保護」、「責任ある消費」、そして「女性のエンパワーメント」が込められた、事実をもとにした絵本です。
(「BOOK」データベースより)
プラスチックバッグ―日本でいうポリぶくろのゴミが、せかいじゅうでもんだいになっています。ポリぶくろはべんりでつかいやすいけれど、たくさんすてられて、たくさんのゴミになっています。このゴミはびょうきのもとになることがあります。このゴミをたべたどうぶつやさかなが、たくさんしんでいます。アフリカのガンビアというくにに、アイサトという女の人がいました。
アイサトがすてた1まいのポリぶくろ。やがてゴミは2まいになり、それが10まいに、ついには100まいになりました。アイサトはじぶんたちでなんとかしようと、なかまたちといっしょにたちあがりました。これからも、きれいな村でくらしていけるように―。
環境とリサイクルに取り組んだ実在の女性、アイサト・シーセイの物語です。
「ポリぶくろ、1まい、すてた」着眼点のポイント
以下のような着眼点を参考に自身の考え方を述べてみるのはいかがでしょうか?
アイサトは、ポリ袋を食べてヤギが死んでしまうことや、自分も以前ポリ袋を捨ててしまったことを残念に思い、環境保護の大切さに気付きました。それと同じように、自分にも知らず知らずのうちに環境を壊してしまっていることはないか想像し、反省してみましょう。その点について、思い出したことや、反省すべき理由を感想文にまとめるのもよいでしょう。
アイサトさんは、環境保護のためにポリ袋を回収するだけでなく、回収したポリ袋を加工して、財布にして販売することを思いつきましたが、その点の賢さについて、どこが優れているかを中心に、感想文にまとめてみるのもよいでしょう。
アイサトさんの取り組みは、世界的にも評価されることとなりましたが、なぜ国際的にも評価され、このように日本人の私たちの手に「本」という形で届くまでになったのか、その点について自分の考えをまとめてみるのもよいでしょう。
アイサトさんは、ポリ袋を加工した財布を販売しまいたが、そのお金の使い道がすばらしいものでした。この点について、稼いだお金の使い道の「ありかた」について自分の考えを述べるのもよいでしょう。
アイサトさんの住むアフリカと異なり、日本人の私たちの場合、どのような取り組みができそうか、自分の考えを述べてみるのもよいでしょう。
環境保護を他人事だと思ってはいけません。この本を読んで、自分が具体的にできそうな環境保護のための行動を例を挙げて述べることが大切です。自分がすべき具体的なアクションを感想文の中で、ぜひ発表してみましょう。
アイサトさんは、環境保護の実践者ですが、この点の立派さのほか、環境保護活動を世界に「伝えている」という点がまた、すばらしいのです。この「大切なことを伝えることの価値」に気づくことも重要です。この本を読んで「伝えること」「広げること」の大切さに気付けたことを、感想文で取り上げるのもよいでしょう。
管理人の着眼
この課題図書は、国民に環境保護を意識させることで、政府が今後導入しようと目論んでいる「環境税」についての反対意見を抑え込むために選定された「政策的な課題図書」だったのではないのか?
ポリ袋(レジ袋)による環境被害は、ペットボトルに比べれば微々たるもであるにもかかわらず、なぜ、レジ袋を有料化させたのか?
それは、レジ袋は金額は安いが、買い物という毎日行うの生活行動のなかで、環境保護を意識づけできる対象として都合がよかったからじゃないのか?
レジ袋について「有料があたりまえ」という意識を定着させられれば「環境保護に対してお金を払うことはあたりまえ」という意識が形成されるため「環境税導入を正当化させるための布石」としてはもってこいの対象だったからじゃないの?・・・という方向でこの本が選定された理由の推論を感想文で述べてみるのもよいでしょう。・・・ま、小学生に書かせるのは難しいでしょが。(笑)
理由はどうであれ、この本が課題図書に選ばれて一番喜んだのは、訳者の藤田千枝さんと、出版社のさえら書房さんでしょうね。(^∇^)″
・・・これら中からいくつかを取り上げ「自分の考え」や「過去の思い出」などとからめて解説してみましょう。
「ポリぶくろ、1まい、すてた」読書感想文の例文【3作品】
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。
以下に3作品をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」や「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直して文字数の調整を行ってください。
「ポリぶくろ、1まい、すてた」を読んで①
「小さな一歩を踏み出すことの大切さ」私はこの本からこのようなことを学びました。
この本で紹介されている、アフリカのガンビアに住むアイサトさんは、捨てられているポリ袋による環境破壊に気づき、ポリ袋を拾い集め、それを材料にして財布を作り、販売するというリサイクル活動を実践したかたです。
アイサトさんは、ほかのみんながしているように、道にポリ袋をすてました。しかし、捨てられたポリ袋が原因で、それを食べたヤギが死んでしまう事実を知り心をいためます。
また、ポリ袋による害は、ヤギだけの被害だけではありませんでした。ゴミの山から蚊がわいてマラリアが流行する原因になっていたり、悪臭の原因にもなっています。ポリ袋はなかなか分解されないため、そのようなことが起こるのです。
そこで、アイサトさんは、ポリ袋を拾い集めることを決心します。そして、集めたポリ袋を細く切り、織物を編む材料として活用することを思いつきました。
もちろん貧しいアフリカのガンビアでしたから、織物を編むにしても一つ一つ手編みで作るしかありません。しかし、アイサトさんが財布を作ってみると、喜んで買ってくれる人が現われました。アイサトさんの偉いところは、その活動を周りの人と協力しながら徐々に広めていったところです。
アイサトさんのこの小さな一歩が、街のポリ袋の害を無くしていき、昔のように綺麗な街を取り戻していき、その活動は国際的にも評価されるものとなりました。
ポリ袋を拾い集め、手作業で財布をつくるという作業は、効率的なものではないかもしれません。しかし、だれかがアイサトさんのような地味な一歩を踏み出さなければ、強力する人も出てこなかったに違いありません。
ポリ袋の問題は、ガンビアだけの問題ではありません。現在、日本をはじめ、先進国や発展途上国など、ほとんどすべての国に同じ環境破壊の問題が発生しています。
日本でも、最近になり、お店で配布しているポリ袋が有料化されましたが、それだけでもかなりのポリ袋の害が少なくできるはずです。
私もこの本を読んで、環境を守るための小さな一歩を実践していくようにしなければならないと思いました。私の場合、買い物に出かけるときは、エコバックを利用するようにしたいと思います。
また、ポリ袋以外でも、環境に害を与えるようなことはしないようにしなければいけないなとも思いました。それは、環境破壊は人間がする行動のさまざまなものが原因になっているからです。
おそらく、自分でも気づかない間に環境に悪影響を及ぼすことをしているのだと思います。特に、食べ物を残すことがとても悪いと聞いたことがあります。そのため、私はお店でエコバックを使うことと食事の際、食べ物を残すことはできるだけしないようにしようと思いました。これが私が思いついた、私に対する「小さな一歩」です。(1167文字)
「ポリぶくろ、1まい、すてた」を読んで②
僕はこの本を読んで「ぜひ、続編をつくってほしいな」と思いました。そして、続編のタイトルは「ポリ袋1枚から変わった世界」にして欲しいと思いました。
この本は、アフリカの貧しいガンビアという国に住む、アイサトさんという女性がなにげなく捨てたポリ袋が、環境問題の原因になっていることを知り、ポリ袋を拾い集め、それを原料に手編みの財布を作り販売し、集めたお金でヤギをかったり、保健所や図書館をつくるなど、ついには公共的なことをするまでになったという、環境問題への取り組みが書かれたものでした。
ポリ袋から、保健所や図書館をつくるとなると、ものすごい量のポリ袋を集める必要があったに違いありませんし、決して一人でできることではありません。
アイサトさんの考えに賛同した、周りの人の協力があったからこその結果だと思いました。このような事実を読んでいる時、僕は思ったことがあります。それは「本当に大勢の人の気持ちを動かすためには、そこに正しい考え方」が必要なの
ではないか、ということです。
大勢の人の気持ちを一つにまとめたアイサトさんは、その考え方が、やはり大勢の人の気持ちを動かすものでなければできなかったと思います。
アイサトさんが、単に利益のためだけに、ポリ袋を集めて財布を作って売ろうとしたのであれば、そこに協力者は集まらなかったと思います。
アイサトさんの周りに応援して協力してくれる人が大勢あつまったのは、アイサトさんの考え方の方向が、みんなも「正しい」と感じたからだと思うのです。
もし、この本に続編の「ポリ袋1枚から変わった世界」ができたのであれば、世界に広がっていったアイサトさんの考え方から、世界がどのように変化していったのかを具体的な事例を上げながら紹介していただきたいと思います。
僕は、この本を読むまで、ヤギがポリ袋を食べてしまう被害にあうことを知りませんでした。ナイロの釣り糸に動物がからまり動けなくなる事例などをニュースで見たことはありますが、ヤギが食べてしまい死んでしまう例を聞いたのは初めてでした。
考えてみれば、ありそうな話でしたが、指摘されないと気づかないでいた僕にとっては、かなりショッキングな話であり、ヤギが食べてしまうなら、犬や猫などの身近な動物も食べてしまうこともあるなと思い、ゾッとしました。そして、人間は人間の都合ばかりを考えていてはダメだと、よくわかりました。(990文字)
「ポリぶくろ、1まい、すてた」を読んで③
「アイサトさん、ありがとうございます」。アイサトさんが捨てられているポリ袋を回収して、それをリサイクルして販売するアイデアを思いつかなかったら、ガンビアではそれからも、さまざまな動物たちが、ポリ袋のために命を失っていたと思います。
捨てられたポリ袋による害は、動物に限ったものではありません。また、この本の舞台であるアフリカに限ったことでもありません。
廃棄されたポリ袋やプラスチックゴミによる環境破壊は、世界中で問題になっています。プラスチック製品は、水に強いため、海岸線のある国から流れ出たゴミは、海を越えてまったく別の国の環境を破壊することもしています。
陸に住む動物や海に住む動物、川に住む動物のほか、空を飛ぶ鳥すらも被害にあっています。釣り糸が絡んで飛べなくなった鳥の様子も、たまにニュース番組などで紹介されています。
私がこの本を読んで、アイサトさんが凄いと思った点は、ポリ袋をリサイクルして販売したという事実だけではなく、その活動が、本になり、今現実に私の手元に存在しているという点です。
つまり、アイサトさんの活動は、本を通じ遠くの日本に住む私にも届いているわけであり、この「ほかの多くの人にメッセージとして届いている点」がすばらしいと思ったのです。
この本の中では、アフリカのガンビアのアイサトさんの活動を、切っ掛けからその後の活動実績まで、絵本という形で紹介されていましたが、私はこの本を読み、先進国の日本に住む私の場合、何ができるだろうかと考えてみました。
もちろん、アイサトさんのように、ポリ袋をポイ捨てたりしないことを意識することも大切ですが、一人でできることはやはり小さいと思のです。私もアイサトさんのように、世界中の人に、環境保護のメッセージを伝える行動をしたいと思いました。
一人でできることは、ちっぽけかもしれませんが、大勢の人が、そのようなちっぽけな「よいこと」をしたのであれば、それは社会に形として分かるほどの変化を与えるはずです。
そのため、私は、自分自身が環境によいことを実践するだけでなく、SNSなどが使える年齢になったなら、日本の中で成果を上げた環境保護に役立つ取り組みなどを海外に向けて紹介する活動をしてみたいと思いました。
各国ごと、さまざまな環境保護の取り組みをしているはずですが、日本の取り組みの中には、海外の人から見れば珍しく映るものもあると思うからです。各国の人たちが自国の取り組みを紹介することで、アイデアのヒントになるばかりか、たびたび環境保護のアイデアに触れることで、環境への意識づけを強めることにもなると考えるからです。
ゴミはゴミとしてみれば、それはまさしくただのゴミでしかありません。しかし、アイサトさんのように、財布を織るための「素材」として捉えたならば、それは「資源」になるものです。このような着想なども、環境保護に役立つ考えかただと思います。そのような考え方や発想なども世界に向けてどんどん紹介していきたいと思います。(1236文字)
書き方の「例文」のある関連サイトの紹介・・・
【ポリ袋1まいすてた】あらすじ・ネタばれ読書感想文の書き方・例文
書きやすい感想文の構成の例(書き方の順序)
最後に、書きやすくまとめやすい標準的な読書感想文の構成例をご紹介いたします。感想文は構成を考え、順序だてて「説明するもの」だと思えば比較的楽に書けるものです。
「なぜこの本を選んだのかの説明」「なぜ、そう感じたのかの説明」「この本を読んで自分の考えにどのような変化があったのかの説明」・・・このように、各パートごとに理由やエピソードをまじえて「説明していくもの」と考えれば、それほど抵抗なく原稿が書けるはずです。
①なぜこの本を選んだのかの説明
②大まかな内容を手短かに説明
③特に気になった箇所やフレーズを紹介(1)
なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
④特に気になった箇所やフレーズを紹介(2)
なぜ気になったのか最近の出来事や自身の思い出とからませて説明
⑤著者がこの本を通じ伝えたかったことを想像し説明
(伝記の場合はその人のどの点が立派だったのか)
⑥この本を読む前と読んだ後とでどのような考え方の変化があったか
この本によって発見したことや反省させられた点など「本からの学び」を説明
読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)
用紙・字数のルール その他
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
66回の応募のルールについての詳細はこちらページで発表されます。
⇒ 「公募ガイド 青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
自然への感謝の気持ちを
環境への意識で表そう
2020年課題図書(小学校中学年)全4冊紹介
2020年の「小学校中学年」課題図書全4冊の紹介ページ
読書感想文 課題図書2020(小学校 中学年)4冊