『西の魔女が死んだ』読書感想文の書き方と例文【入賞9作】

今回は、読書感想文用の本としては「ド定番」のおすすめ本・・
『西の魔女が死んだ』の「あらすじ」と「感想文の書き方の例文(入賞作品9作)」をご紹介いたします。

おもに中学生高校生が、1200字、1600字、2000字(原稿用紙3枚、4枚、5枚)の読書感想文を書く際に、参考にしていただけそうな書き方の例をご紹介しておりますが、この本は小学校の高学年生からのおすすめ本です。


梨木香歩 著(新潮文庫)2001/8/1
497円

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
『西の魔女が死んだ』あらすじ
ここが使える!着眼点の例
読書感想文の例文+【入賞9作】

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『西の魔女が死んだ』あらすじ

【どんな本?】
「西の魔女が死んだ」は、無理に友人をつくったり、友人と仲良くしたりしなくても「私は私でいいのだ」と気づかせてくれる名作にして、精神的に自立するためにに必要な「何か」に気づかせてくれる一冊・・


 


 

(ネタバレ注意)

主人公のまいは、外国人のクォーターであるため、小学生の少女たちの中では何かと浮きがちな少女でありうまくいっていなかった。しかも新学期の日、女子生徒の「グループ作り」を努力することに疑問を感じ、グループに入らなかったことから、孤立そしてイジメへと発展していく。

深く傷ついたマイは不登校になる。母親は自分もかつてはハーフとして学校に馴染めなかった事から、まいに登校を強制する事はなかった。しかし、電話で父親に「感受性が強すぎるのよね。生きにくい子。昔から扱いにくい子だったわ」と話ているのを聞いて、より傷ついてしまう。

まいはその後、静養として、外国人のおばあちゃんの暮らす自然豊かな田舎へと行くことになる。おばあちゃんは魔女の血筋で、草木についての知恵や知識を受け継ぎ、物事の先を見通す能力を持っているという。

まいが到着の時に祖母は力強く言う。「まいと一緒に暮らせるのは喜びです。私はいつでもまいのような子が生まれてきてくれたことを感謝していましたから」その一言に、まいは感動し世界が広がっていく。まいは自分も魔女になりたいと思い修行を始めることにする。

魔女の修行とは「早寝早起きをし、食事をしっかりとり、運動をし、規則正しい生活をする」ということと「何事も自分で決める」といことだった。おばあちゃんは、ストレートにまいに学校のことを聞くことはせず、ただ、魔女になるための魔女修行を教える。

まいはおばあちゃんとの生活のなかで、自然と触れ合ううちに「強さ」「優しさ」「希望」といった「生きる楽しさ」を再発見していく。

祖母は話す。「体と魂はべつのもの。生きるということは、様々な体験をして魂を成長させること。死ぬということは、魂が体から離れること。私は魔女だけど、未来のことを知りたいとは思わない。日々、植物の成長を見ることがうれしい。けれど私が死んだら、魂が抜けたことを、まいに報告してあげる」と。

近所には、ゲンジという性格の悪い、意地悪な男がいた。ある日、おばあちゃんの飼っている鶏が死んでいた。犬にやられたようだが、檻にはゲンジの家の犬と同じ色の毛がついていた。おばあちゃんにそのことを告げると「イタチの毛も茶色い」と諭されるが、まいは聞かない。それまでにもいろいろな嫌がらせをされてきたまいは、不満が爆発し「あんな汚らしいやつ、もう、死んでしまったらいいのに」と口にする。そんなまいに、おばあちゃんはほほを打つ。

そんなおり、父親が来て、まいを引き取り赴任先への引っ越すことになる。心にわだかまりを残したまま、まいは祖母の家を離れることになったのだ。

それから2年、おばあちゃんの家には行っていなかった。まいが久々に祖母の家を訪れると、そこには静かに横たわる祖母がいた。不本意な別れ方をしたことを後悔するまい。

泣き崩れる母親をおいて、ひとり台所でうつむいていると、ゲンジが訪ねてくる。「俺はできが悪いけど、ここのばあさんにはよくしてもらった」と、本気で悲しんでいる様子であった。

ゲンジが帰った後、まいは気づく。おばあちゃんとの約束を思い出したのだ。ふと見ると、ガラス窓に先ほどまではなかった文字があった。

「ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ ヘ。 オバアチャン ノ タマシイ、ダッシュツ ダイセイコウ!」

その文字を見て、「おばあちゃん、大好き」と、まいが呟くと、祖母の口癖「I know」という声が聞こえたような気がした。
 

読書感想文に使える着眼点の例

「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。」

・・意志の力の大切さと同時に「依存しない生き方」や「依存せずに自力で生きることの大切さ」を説いた言葉のように感じた、という切り口で、自信の考えを述べるのもよいでしょう。

・・魔女の修行は、早起きや規則正しい生活といった「基本」を徹底することからはじめます。これは魔女の修行という伝え方ですが、人の人生で大切なことを意味するものです。そこでこの「基本の大切さ」を題材に感想を書くのもよいでしょう。

『おばあちゃん、大好き』と、事あるごとに連発した。(中略)そういうとき、おばあちゃんはいつも微笑んで、『アイ・ノウ』知っていますよ、と応えるのだった。」

・・人にとって「相手に存在を受け入れられること」これこそ、本当の幸福と言えるはずです。この「相手を受け入れる」ことの正反対のことが「いじめ」であり「無視すること」です。おばあちゃんのこの言葉は、人にとって大切なことを教えている言葉ではないでしょうか。最後の最後もこの「アイ・ノウ」の感動的な使われ方で締めくくられています。

「これは魔女修行のいちばん大事なレッスンの一つです。魔女は自分の直観を大事にしなければなりません。でも、その直観に取り付かれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直観は直観として、心のどこかにしまっておきなさい。そのうち、それが真実であるかどうか分かるときがくるでしょう」

・・感情に支配されず「考えること」「正しい行いを行う」ためには、訓練が必要です。直観といわれるものの多くは「感情的行動」であり、それが他人に対する態度などで使われた場合、単に「好き嫌い」での判断になりがちなものです。「考えた行動の大切さ」を伝えるためのセリフだったのではないか・・という展開で自分の考えを述べるのもよいでしょう。

「魂は身体をもつことによってしか物事を体験できないし、体験によってしか、魂は成長できないんですよ。この世に生を受けるっていうのは魂にとっては願ってもないビッグチャンスというわけです。」

・・これはおばあちゃんの言葉ですが、日々生きていることは、それだけでチャンスなのだということであり、このフレーズを引用して、一日一日を大切に生きるとはどういうことなのか?尊い生き方とはどういう生き方なのか?などについて、自分の考えを感想文に書くのもいいでしょう。人生には限りがあるのです。人として価値ある生き方を問うフレーズです。続けて、おばあちゃんは「魂は成長したがっているのです」と続けています。

「西の魔女が死んだ」

・・タイトルそのものが「大切なおばあちゃんの死」をあらわしています。やさしいおばあちゃんにも寿命がある。それは誰もが意識しなければいけない「人生の期限」を象徴するものです。ここでは「自分にも寿命がある」ことを理解するのと同時に「他人にも大切な寿命がある」ことを意識できなければなりません。その点にスポットをあてて「他人を尊重する大切さに気づかされた」という展開で「いじめ」の意味を絡めて、感想を述べるのもよいでしょう。

「何が幸せかは、その人によってちがう~」

・・はじめのころに出てきた言葉ですが、これも他人を尊重するために意識すべき考え方です。「精神的に自立できた状態とは何か」を感想文のテーマにし、このフレーズを引き合いに出し、自分の意見を述べるのもよいでしょう。

精神的に自立できていない状態とは、自分中心の視点で世の中を見ている心の状態だといえます。つまり、自立とは「自分目線の価値基準」から「相手や社会を考慮した価値基準」へと「意識すべき対象が広がった心の状態」だといえるのです。「大人になる、自立するとは、周囲への配慮のある人間になることではないか」「自立とは、他人に依存せず、自身と社会との両方に責任のある振る舞いができるようになることではないか」・・など自分が気づかされたことを書いてみましょう。
 
話の広げ方の一覧
 

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例文+【入賞9作】

「西の魔女が死んだ」を読んで

「おお!なんという清々しい物語なんだろう」・・これがこの本を読み終えて思った率直な感想である。私はこの夏、小さな私の勉強部屋で大きな感動を味わうことができた。その感動を与えてくれた本こそ、今回、読書感想文の題材として選んだこの本『西の魔女が死んだ』である。
読書感想文の書き出し例(入賞21パターン)

この物語は、登校拒否となってしまった中学生のまいが、田舎に住むおばあちゃんのもとで生活をすることで、まいの心が癒されていく様子を描いた物語である。

田舎のおばあちゃんといっても、まいのおばあちゃんはイギリス生まれなので、家も生活も外国のものである。そこでまいはおばあちゃんから自分が魔女の血筋であることを聞き、「魔女修行」を行うことになる。魔女修行といえば魔法などのファンタジーなものを思い浮かべるが、この物語では「自分で考え、自分で決める」というシンプルで地味なことである。

しかしこれは普段の生活のことだけでなく、喜びや希望、幸せも自分自身で決めるという実際は奥が深く難しい修行であった。おばあちゃんはまいとの生活のなかで、まいにいかにして自分らしく生きていくかを教えている。主人公が田舎で過ごすことで心が癒され成長していくというよくあるストーリーであるが、この本は盛り上がる箇所が少なく、早く次が読みたくなるような展開は全くといっていいほどないので好みが分かれるかもしれない。

しかし、この本の良いところはおばあちゃんの言葉にある。まいのように私達も辛いことがある中で生きている。まいがおばあちゃんに癒されていくように、この本の読者である私達自身も癒されるのだ。また、本に書かれた自然やおばあちゃんの家での素朴な暮らしが頭に浮かんでくるようで、読んでいて心地よい。早く続きが読みたくなる話ではないが、ゆっくり読める、日常に疲れた時に読みたくなるような本である。

タイトルの西の魔女とはおばあちゃんのことであるが、そのタイトルの通りおばあちゃんが死んでしまう、ということも大きく関わってくる。「まいと母親が倒れたおばあちゃんのもとへ向かう」というシーンから物語は始まり、この本の大部分である「おばあちゃんと過ごした二年前の夏の回想」をした後、ラストに「おばあちゃんの死」が書かれている。

本書は「生きていくこと」をテーマにしたうえでその先にある「死」もテーマとなっている。まいがおばあちゃんに人は死んだらどうなるのか、と問いかけるシーンがある。おばあちゃんは、魂と身体が離れ、魂はまた長い旅をするのだと答え、十分に生きることは死ぬための練習であり、身体を持つことは魂が成長をするビッグチャンスなのだと言う。

生と死、全く反対のようだが、一繋がりのものとして書かれている。おばあちゃんにたくさんの生きていくヒントを教わって、まいは少しずつ成長していく。しかし物語の終盤でまいはおばあちゃんとケンカをし、そのしこりがとれないままに両親のもとへ戻っていくことになってしまう。

そのあと二年間、二人が会うことはなかった。おばあちゃんの家で過ごした回想が終わった後、おばあちゃんの家を去ってから一度も会いに来ることが出来なかった二年間の後悔をしながら、まい達はおばあちゃんの家へと向かう。そこで待っていたのはおばあちゃんの死と、おばあちゃんからのメッセージだった。

先ほど盛り上がる箇所が少ないと書いたが、本書が一番盛り上がるのは本当に最後の数行である。私はこの終わり方が好きで、初めて読んだ時から忘れられないほど印象深かった。この最後のたった数行に、話の全てが向かっていたと感じられるのだ。「おばあちゃんの死」は私達が考えているような「死」のように重々しくなく、物語の流れを受けて清々しいほどに書かれていた。

私自身、おばあちゃんが死んでしまったとは思えないほどすっきり読み終えることができた。また、ケンカしたまま死に別れてしまったというもどかしさも全て吹き飛んでしまうほど、まいとおばあちゃんの絆をも感じられる素晴らしいラストである。この本は児童書として分類されているようだが、大人から子供まで楽しめる多くの人に一度読んでほしい作品だと思った。
 

以下は読書感想文の入賞作品です。

PDF形式で別枠で開きます。

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その1~4)

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その5)

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その6)

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その7)

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その8)

『西の魔女が死んだ』読書感想文の例(その9)
 

読書感想文を書く「コツ」は、書き出し(書き始め)をいかにスムーズに書けるかにあります。下記のページでは、21パターンを例文とともに掲載しております。(大人気です)
読書感想文の書き出し例【入賞21パターン】
 

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。中高生向けですが、小学生に書き方を教えるご家族にも参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。(気になる審査基準も掲載!)


読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

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