「ウィズ ユー/ with you」読書感想文の例【例文あり】

2021年の課題図書対策!

こちらでは「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」中学校の部
『ウィズ ユー/ with you』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。

※おもに、中学生2000字で読書感想文を書くための参考用です。

「with you」
著者/編集:濱野京子,中田いくみ(イラスト)
販売会社/発売会社:くもん出版
発売日:2020/11/07
ページ数:245ページ
価格:1,430円 (税込)

~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「ウィズ ユー/with you」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品

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「ウィズ・ユー/ with you」あらすじ

中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。

どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、彼女の力になりたいと考えるようになるが……母親の介護に携わる“ヤングケアラー”の少女・朱音に恋をした中学生・悠人の物語を通して、「誰かを大切に思うこと、社会へ目をむける機会」を読者に提供する児童文学です。
 

「ウィズ・ユー/ with you」着眼点の例

     
    以下のような着眼点を参考に感想をまとめてみるとよいでしょう。

    課題図書の中から、なぜこの本を選んだのか。

    ※書き出しとしては「この本を選んだ理由」や「本のあらすじ(や概要)の紹介」から入るスタイルが書きやすい定番の方法です。書き出しについては「入賞しやすい21パターン」が存在します。
    読書感想文の書き出し例【中学生・高校生】入賞21パターン
        (大人気のページです)

    ヤングケアラーという現代的な社会問題を盛り込んだ小説という斬新さについて感じた事。

    家族や親せきが高齢者福祉を利用している場合、苦労や発見、学びについて紹介しましょう。

    もし自分が朱音の立場だったら、どのような思い、考えになるでしょう。

    家族の悩みは、他人にはなかなか言えないものです。普段何気なく接している友達の中にも、朱音や悠人と同じような悩みを持っている人もいるはずです。また内容は違うかもしれませんが、他人には分からない悩みを抱えている人も多いはずです。この本を通じ読者は「他人の抱える悩みのバリエーション」を知ることになったかもしれません。この本を通じて他人との接し方で考え方が変わった点や反省させられた点はなんでしょう。

    本の中では「憲法」や「福祉」についての話がでてきますが、これまでの知識や、不足している知識について調べてみるキッカケになった点を述べるのも良いでしょう。

    「憲法」や「福祉」についての話もそうですが「知ること」の重要性について知った点を取り上げ、そこから「学ぶことの重要性」について、また「伝えることの重要性」について改めて気づかされた。・・という内容の感想につなげるのもよいでしょう。

    本書を通じ「他人を思いやる気持ち」や「社会政策」などへの「意識の拡大」が得られたことへの感動を伝える感想文を書くのもよいでしょう。

    ※「自分中心の考え方」→「相手のことも考慮に入れた考え方」→「相手のみならず社会のことも考慮に入れた考え方」→「現在の社会のみならず世代を超えた未来の社会も考慮に入れた考え方」・・といったように、人間的成長とは、生活の中で考慮すべき対象(考慮できる対象)を広げていく過程のことだからです。また、人間的成長とはそのようなことではないか?・・と、この本を読んで考えるようになった、という内容の感想を書くのもよいでしょう。

    タイトルの「ウィズ ユー/ with you」について思う事、もし別のタイトルにするならどのようなタイトルにしたか。またその理由を述べるなどの内容もよいでしょう。

    ※この作品には悠人と朱音の「with you」がメインに書かれていますが、実は関わる多くの人の「 with you 」を読み解くことができます。朱音の妹も朱音と「 with you 」ですし、悠人の両親もそれぞれ「 with you 」です。何度も読み返すと改めてこの作品のタイトルについて「君の側に」や「ヤングケアラーの彼女」ではダメだということに気付きます。(タイトルについての考察は、感想文を書く際、考えるべき「定番の着眼点」です。)

    「この本の内容を母に教えると、母は・・・」のように、家族とあなたとの会話の内容を紹介し「本の内容以外の学びを得るきっかけにつながった」という展開に話を広げるのもよいでしょう。

    登場人物はさまざまな悩みを抱えていますが、共感した点や、違和感を感じた点を取り上げ「私はこの場面を読んだ際・・・」で、自分の感じたことから話を広げてみるのも良いでしょう。

    「もしこの本に続きがあるなら・・」で、自分の考える「その後」の展開を紹介するのも面白い作戦です。同様に「このテーマならこのような点にも触れてもらいたかった。なぜなら・・・」というように、ストーリー上の改善点や意見を伝える方法もよいでしょう。

    本書を読む前と読んだ後では、福祉や社会政策、人付き合いについてどのような変化があったか。反省や誓いと共に述べてみましょう。

    今の自分にできる「現実的」で「具体的」なアクションを考え、感想文の中で紹介するのもよいでしょう。

    ・・・これらの中からいくつかを取り上げ「過去の思い出」や「最近の出来事」などと感想を絡めてみましょう。

 
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。

つまり、教育機関からの課題としての感想文は・・

感想文を書きなさい=どのような学びが得られたかを書きなさい

 
・・の意味だからです。そのような方向性(どのようなことが勉強になったか)を意識して、伝える内容や構成を考えてみましょう。

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「ウィズ・ユー/ with you」読書感想文の例【例文】

以下に感想文の例をご紹介いたします。「書き方」「着眼点」の参考にしていただければと思います。

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「ウィズ・ユー/ with you」を読んで①

この夏、私は課題図書の3冊すべてを読んでみた。その中で、私にとって、とても考えさせられた内容であった濱野京子著の『ウィズ・ユー/ with you』で感想文を書くことにした。

なぜ、考えさせられた内容だったかといえば、中学生が家事や家族の世話、介護などをする「ヤングケアラー」の問題を扱った内容だったからだ。

実は、私の親戚にも、似たような問題を抱えている家族がいたため、他人事には思えない内容だったのだ。私の親戚の場合、17歳の女子高生がそれに該当する。交代制の看護師をしている母親が帰宅する夜10時過ぎまで、週に5日は祖母のオムツの交換や、食事の世話などをしているのだそうだ。私には、とても大変なように思えたのだが、彼女は「慣れれば大したことない」と私にいう。

しかし、私自身が彼女と同じ立場だったなら、今の日常に「介護」が加われば、そうとう大変に思えるはずだ。

本の中では、主人公の悠人が偶然出会った、中二の女の子「朱音」がヤングケアラーという設定だ。二人の若者らしい恋愛物語を交えながら、ヤングケアラーの問題、受験の悩み、そして複雑な家庭の問題に対処していく「心の問題」を扱った内容だ。

そこには、家を出てめったに会えない父親の自虐的な生き方や、子供に対する申し訳ない気持、デキのいい兄と自分との違い、金持ちの家に生まれたが現在は辛い生活を余儀なくされている中学生の辛さなど、さまざまな「辛さ」が多角的に描かれているが、特に「ヤングケアラー」の問題を、青春小説に盛り込んだことは、斬新であり、社会的、時代的な意義も大きかったと思う。

「ヤングケアラー」の問題は、虐待や貧困の問題に比べ「気づきにくい現代的な問題」だからだ。

ヤングケアラーとは、18歳未満で家事や家族の世話、介護などをする人のことだが、核家族化がすすんだ現代の日本では、一般化しつつある問題なのだ。

私は、この本を読み、悠人と朱音がわかり合っていく恋愛要素については、思春期を題材とした物語性という点から、盛り込んだだけのもののように感じ、ほとんどどうでもいい部分のように思え、まったく記憶に残らなかったのだが、エピソードの中で取り上げられていた「憲法」や「福祉の制度」の話の部分については、とても考えさせられるものがあった。

それは、ヤングケアラーの多くは、国が提供している福祉の制度を理解していないため、どのような制度があり、どこに相談すればいいのかなどの「知識不足」が原因で、困り果てている人も多いと思えたのだ。

物語の中では「福祉課」に勤務する母が登場するといった「都合のいい設定」があり、ヤングケアラーの問題などが語られる流れだが、実社会では、大人でも国の制度について詳しくない人が大勢いるほどだ。

つまりこの本を通じ、私は「福祉制度の知識」や「憲法に掲げられている人権」などについて、初めて真剣に考えさせられたのだ。

読書家の私の父はよく「読書の価値は内容以上に何かのキッカケを与えてくれることだ」と言っているのだが、私は本書に出会えたことで「社会政策」という学問領域を発見するキッカケになった。そのため、本書は私にとって、父のいうところの「読書の価値」が高かった一冊だったといえる。

福祉制度や、社会をスムーズに進める方法を考える学問を「社会政策」なのだと、今は漠然と理解したのだが、この研究はとても価値あるものだと理解したのだ。大学の学部の中にも「社会政策学部」という学部があることも知り、将来の方向として、この方面へ進むことも選択肢の一つとして加えさせてもらった。

物語の終わりは、二人が仲良くなり、悠人の家族関係も徐々によくなって来た雰囲気を伝え終わっているが、ヤングケアラーとしての朱音の苦労はこれからも続くはずだ。朱音のような問題を抱えた子供たちが大勢存在する現代の日本であるが、中学生である今の私にはなにができるだろうか。

できる事と言えば、周囲にいる友達の中にも「言葉には出さないがさまざまな家庭の問題で苦労している人たちが大勢いる」という認識をもって、友達と接するようにすることだと思う。それが「今の私」が実践できる「具体的なアクション」だと思う。また、作者の濱野さんがこのテーマで本を出されたように、そのような社会問題の存在することをSNSなどを通して広く配信することも、今後やれそうな「具体的なアクション」だと思う。

総括すれば、本書は私にとって「社会政策」や「知ること」「伝える事」の重要性に気付かせてくれた一冊だったといえる。これまで自分本位になりがちな考え方をしていた私だったが、本書を通じ「社会の仕組み」や「社会政策」といった「自分を超えた考え方」の重要性にきづかせていただいた。これは、いわば視点の拡大であり、大きな発見だったと嬉しく思えた。(1962文字)
 

「ウィズ・ユー/ with you」を読んで②

以下の文はYouTube動画を文字起こししたものです。
動画を1.5倍速ぐらいで再生しながら文字を目で追うとよいでしょう。着眼点のポイントも理解できます。

今回私は、濱野京子作の「 with you 」を読みました。題名や表紙を見て単純な恋愛小説だろうと予想していましたが、良い意味で裏切られた作品でした。

この作品は、中学3年の男の子である悠人が主役なのですが、彼は家にいることになんとなく、息苦しさを感じて毎晩ジョギングをしています。

息苦しさの原因は、別居している父親のことや、優秀でいつも比較される兄のこと、自分にあまり興味を示さない母親のことなどです。もちろん中学3年なので受験の悩みもありますます。

ただ、彼の日常は、自分が思っているほど息苦しそうにはみえませんでした。思春期特有のモヤモヤ感があるのは理解できますが、ことさら不幸な境遇ではありません。ただ、だからこそ私は素直に共感できました。

そんな彼が、いつものようにジョギングをしていたときのこと、夜の公園でうつむきがちなちょっと陰のある少女を発見しました。

彼女は朱音と言って、一つ年下で、隣の中学校に通う女の子です。毎晩、同じ公園で彼女を見かけるたびに悠人は放っておけない気持ちになり、声をかけて仲良くなっていきます。

悠人は自分が抱えている陰鬱な気分を朱音も持っているのではないかと直感的に感じて、朱音に声をかけたのですが、しかし実際は違いました。

悠人が「自分の存在する意味がわからないと」告げたときのこと、朱音は「私はいなくなんてなれない。私がいなかったら家が壊れちゃうから」と返します。ここから物語は思ってもみない方向に進み出します。朱音は実は病気の母親と幼い妹の面倒を見ている、いわゆるヤングケアラーだったのです。

ヤングケアラーとは一般的に、本来大人が担うべき家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことを指します。彼女が毎晩公園に来るのも、家族の世話に疲れて息抜きをするためだったのです。

悠人は、そんな話を聞くたびに余計に朱音のことが気になります。そして朱音も悠人に徐々に心を開くようになります。そんな二人の心がぐっと近づくシーンがあります。

夜の公園で話をしている時に、悠人が朱音に月は好きかと訪ねるシーンです。朱音は地平線に近いところにある、ぼーっと見える月が好きだと答えます。

私は朱音がなぜ満月でも三日月でもなく、わざわざこんな回りくどい表現をしたのか気になりました。おそらくこの言葉の意味は、夕方に外で遊べないことを暗示しています。

まず、ぼーっと見える月というのは朧月のことだと思います。朧月は普通満月です。満月な地平線近くにあるということは、太陽が沈んだ直後ということです。

しかし、家事に忙しい朱音は、久しくそんな月を見ていないはずです。そして地平線に近いところにある、ぼーっと見える月を見ていたころを懐かしんでいるのだと思います。

ちなみに、私はこの月が好きかと訪ねるシーンを読んで、夏目漱石が「Ilove you 」を訳したときの話を思い出しました。明治のころ漱石が「Ilove you 」を「月が綺麗ですね」と訳したという話です。日本人は英語圏の人のように「私はあなたを愛しています」とはあまり言いません。私とあなたをあまり区別しない言語だからです。この月が好きというシーンも君が好きだと言っているように思えました。

作者は当然、この漱石の逸話も知っていたと思います。私は、だからこそ作品のタイトルに「with you 」という命題をつけたのだと思いました。実はこのタイトルには疑問がありました。

なぜなら、わざわざ英語にする必要がないからです。私なら「君の側に」という日本語か、または「ヤングケアラーの彼女」でも良かったと思います。でもあえて「 with you 」というタイトルにしたのは「I love you」の逸話を想起して欲しかったのかもしれないと思いました。

作中では、他にも恋愛に慣れていない悠人と朱音の揺れる心境が丁寧に描かれています。中でも悠人が茜に対する気持ちが、同情なのか恋愛なのか自問するシーンは私も考えさせられました。悠人が朱音に惹かれていたことは間違いありません。でもそれが同情でないとは言い切れません。そんなモヤモヤを吹き飛ばすセリフがあります。正確には手紙なのですが「もし同情だったら、それっていけないことだろうか」。

朱音の状況が少しでも良くなってほしいとそう願うことがこの言葉からはただ好きだというより、もっと深い愛情を感じましただからこそ、二人はさらに惹かれ合うことになるわけです。

ただ思春期の悠人には、朱音を女性として魅力的に感じていることもちゃんと描かれています。それが茜の夢を見たシーンです。悠人は明晰夢を見ながら朱音の少し開いた唇、首筋、鎖骨、胸へと視線を移します。

夢から覚めた悠人は、シャワーを浴びながら下着を洗うのです。これは男性でないと分かりにくい表現ですが明らかに夢精(ピュッ)を表しています。つまり、同情や純粋無垢な愛情だけでなく、ちゃんと思春期らしい性衝動も表現しているのです。

この物語は朱音がヤングケアラーであることに苦しみ、そして、その苦しみを共感する悠人との恋愛話のみで終わらせることもあり得たと思います。しかし悠人が母親に朱音の状況を話したことからお話はさらに展開していきます。

朱音の過程の出来事はいわゆるプライベートなことで、それはあかねと悠人しか知る人のいない秘密でもありました。しかしそれを言うとが母親という大人に話したことでプライベートからパブリックなことへと状況が変わったのです。

悠人の母親が役所の福祉部門で働いていたこともあって、朱音にも希望が少し見えるようになりました。最後に残った疑問は、あかねが「お母さんが元気になったら髪伸ばす」と話していたにもかかわらず、悠人の卒業式の日「私、髪伸ばすことにした」というメッセージが届いたことです。

初めて読んだときには、悠人の卒業を喜んで、思わずそういったのかとも思いましたが、多分違います。このメッセージは最後のページの最も重要だといえる場所にあります。

これが把握できないと、当作の意味は理解できないと思いました。そこで分かりやすく、時系列を整理してみました。

2月14日が受験日、その週末、悠人の母親が朱音に誰か大人に相談するように勧める。帰りがけに「お母さんが元気になったら髪伸ばす」と発言。高校の合格発表があり3月3日の夜、公園で出会う。卒業式髪伸ばすことにしたとメッセージ。日付はわからないが、公立中学の卒業式なのでおそらく3月中旬、要するに2月の中頃に「髪伸ばす」と発言をして、3月の中頃に髪伸ばすことにしたとメッセージがあったということになります。

なぜこれが気になったのかというと、たった1ヶ月ほどでお母さんが元気になることがあるのかと疑問に思ったからです。お母さんの病気はくも膜下出血で、その後遺症で悩んでいるということでした。私が看護師である母に聞いたところ、1カ月で急に回復することはあまりないと聞きました。

でも髪伸ばすことにしたという朱音の発言からお母さんが回復に向かっていることは間違いありません。ということは、考えられるのは一つ。朱音の母親の今の状況は、精神的な原因なのではないかということです。悠人の母親に促され、朱音は父親に相談します。すると単身赴任だった父は4月から家に帰ってくることになりました。

この発言をした3月の中頃は引っ越しを済ませて、すでに朱音の家に戻っていたかもしれません。きっとそれでおかあさんは元気を取り戻しつつあったのでしょう。朱音の両親も「 with you 」なのです。

翻って悠人の家は父親とは別居したままです。しかし、一緒にいないからといって、完全に心が離れているわけではありません。その証拠として、大晦日に一日だけ悠人との家に戻ってきた父親が別居して暮らしている自分の家に帰るときに「じゃあ俺行くわ」と言って去ります。

「俺帰るわ」じゃないところにまだこの家の一員だという気持ちを感じ取ることができるのです。だから悠人と父親も「 with you 」なのです。

この物語では兄との確執も描かれています。しかし、事あるごとに兄は弟の心配をしているのです。例えば父親がケーキを買ってきたときのこと、いつものように兄は最初に自分のケーキを取ります。すると父が兄にこう言います。「悠人が好きなもの分かってんだな、昔から」。

そうです、勝手に距離を感じていただけで、兄はちゃんと悠人の味方だったわけです。だから悠人と兄も「 with you 」なのです。

この作品には悠人と朱音の「 with you 」がメインに書かれていますが、実は関わる多くの人の「 with you 」を読み解くことができます。

茜の妹もあかねと「 with you 」ですし、悠人の両親もそれぞれ「 with you 」です。何度も読み返すと改めてこの作品のタイトルについて「君の側に」や「ヤングケアラーの彼女」ではダメだということに気付きます。

タイトルは「 with you 」以外考えられません。私とあなたの関係をこれ以上の日本語でうまく表現できないからです。

ヤングケアラーという問題は一人一人が自分のこととして考えていく重要な課題だと知りました。そして今の私にできることは、自分の周りの人をもっと深く知ることなのだとこの作品を読んで思いました。そうした小さな「 with you 」が、ひいてはヤングケアラーをはじめとする大きな問題の解決につながるのだと思います。(3818文字)
 

「読書メーター」のレビューも参考になります。
読書メーター「ウィズ・ユー/ with you」レビュー
 


 

自分を超えた「ケア」や「社会政策」への視野の拡大
 

用紙・字数のルール その他

原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。

小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

他の課題図書&過去の入賞作品

2021年の中学生用の課題図書は次の3冊です。
クリックすると解説ページが開きます。

過去の課題図書の紹介

過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。

2020課題図書
 
2019課題図書

2018課題図書

2017課題図書

2016課題図書
 

また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
 
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。

【最重要ページ】感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」などの詳細は下記のページに掲載しています。(気になる審査基準も掲載!)

読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)

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