「ライスボールとみそ蔵と」読書感想文の書き方【例文つき】
2023年の課題図書対策!
こちらでは「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校「中学年」の部(3、4年生用)
『ライスボールとみそ蔵と』の「あらすじ(内容)」や「着眼点のポイント」、そして「感想文の書き方の例文」などをご紹介いたします。
※おもに、小学生が800 1200字で読書感想文を書くための「書き方を教える大人むけの内容」になります。
『ライスボールとみそ蔵と』
横田明子 作 塚越文雄 絵 絵本塾出版 1,540円 (税込み)
141ページ
~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「ライスボールとみそ蔵と」あらすじ
ここがポイント!着眼点の例
読書感想文の例【例文】
他の課題図書&過去の入賞作品
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「ライスボールとみそ蔵と」あらすじ
古い蔵で手作りみそを作る家に生まれたジュンは、お父さんから「もっとみそに興味を持って」と言われるのがいやでたまりません。伝統あるみそ造りをしている家に生まれたジュンでしたが、ジュンはみそには興味がありませんでした。
そんなジュンでしたが、ロンドンからの転校生、ユキちゃんに「蔵を見せてほしい」とたのまれ、これがきっかけで、ジュンの心はだんだん変化していきます。
ジュンのお父さんは、ユキちゃんにみそについて、いろいろ教えますが、ジュンは難しくてついていけない様子。
お父さんは「外国人観光客向けに蔵見学」の計画をすすめていると話し、ユキちゃんは大賛成。
夏休み明け、ユキちゃんから「蔵見学のお礼」と家に招待された時、友達のタロウが「みそっ子ジュン」としつこく言うので「ぼくは好きでみそ屋に生まれたわけじゃない」とそう呼ばれるのをいやがります。
ユキちゃんのお母さんにみそを誉められたジュンは、自分のみそ蔵でつくるみそに興味がわいてきます。ジュンの心には徐々に「みその味を守りたい心」がわいてきます。
また、ジュンは空き蔵で「友だちにみそにぎりをごちそうしたい」そう考えるようになりました。また、ユキちゃんからはロンドンの友達のウィルが今度遊びに来るから、蔵を案内してほしいと頼まれます。おじいちゃんは「タルをバラしてテーブルにしよう」と考えました。
どんどんアイデアが出ると、おじいちゃんも「たるが生き返るな」とリフォームもしてくれます。空き蔵の壁にはシミがあり、ジュンにはそれが蔵の神様のように見えました。
クラスメイトと協力して、当日はお祭りのようにしてみそにぎりやみそ汁を提供することになりました。お父さんは「バスツアーのお客さんにも食べてもらっていいかな?・・・ここはジュンの蔵だから」とジュンを認めてくれます。
いよいよ当日。やって来たクラスの子や外国の観光客の人たちに大好評で、1人の黒人の女の人が「みその試食がしたい」を希望しました。それこそがおじいちゃんとお父さんが一番強く望んでいることです。ずうっとねむっていたこの場所が、ジュンたちの力で目をさましました。
「蔵の神さま見てください。ここはぼくたちのみそっ子レストランです」
「ライスボールとみそ蔵と」着眼点の例
数ある本の中から、どうしてこの本を選んだのかを説明するところから書き出すのも良いでしょう。
主人公のジュンは初め家業のみそづくりに興味がありませんでした、しかし、転校生のユキちゃんからのお願いがきっかけでみそづくりに興味をしめすようになりました。その大きな流れを中心に、自分にも初めあまり好きでなかったものが、何かをきっかけに好きになったものがあれば、それを紹介しながら「人が何かを好きになる理由」について考えたことを述べる感想文もよいでしょう。
ユキちゃんからの指摘により、ジュンはみそに興味をもちはじめましたが、それは指摘の内容以上に「誰に」指摘されるかにより影響力が変わる例でもあります。その点に気づいたとする感想文を、昔の自分の思い出を紹介しながら述べる感想文もよいでしょう。
自分の家業のみそづくりが、外国人には新鮮に思えた話が書かれていましたが、みそづくりのほかにも、日本の伝統が海外の人には新鮮に思えるものがあるものです。その点に気づいたことを中心に、外国人が興味を惹かれる日本の文化には何があるか探し紹介する感想文もよいでしょう。またそれらを海外の人に紹介する際の演出方法を提案するのもよいでしょう。
ジュンのように家業がある子は、それを継ぐか継がないかで苦労することもあります。その点について考えたことを述べる感想文もよいでしょう。
ジュンははじめタロウから「みそっこ」と呼ばれるのがいやでしたが、最後にはみそっこと呼ばれることに抵抗がなくなりました、その点に注目しなぜそうなったか理由を述べてみるのもよいでしょう。
伝統を途絶えさせることは簡単です。しかし一度伝統を途絶えさせてしまうと復活できなるものが大半です。気づかない伝統文化の中にも「後でその価値が評価されるもの」もあるかもしれません。その点に気づいたことを中心に、伝統を守る価値について考えを述べる内容もよいでしょう。
「この本の内容をお父さんに話すと、お父さんは・・・」というように、家族に本の内容を伝えた際のエピソードを加える感想文もよいでしょう。家族の意見を加えることで、意外性のある感想文に進展させることができます。
例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは僕に「ジュンとは逆に、自分では意識してない悪い部分も他人に指摘されて初めて気づくこともあるよ」と言われハッとさせられました。・・・など。
例)本の内容をお父さんに教えると、お父さんは僕に「日本の伝統文化に自信がもてるようになると、なぜか日本人であることにも自信がもてるようになるもんなんだ」と言いましたが、その話を聞いて僕も確かにそうだと思いました。そのため、世界が注目する日本の伝統をいろいろ調べてみました・・・など。
みそが好きになったことで、みそ蔵に来る人をもてなすためのアイデアが出てきた様子が書かれていましたが、これは興味を持つとアイデアが出るようになるということでもあります。その点に注目して感想文を書くのもよいでしょう。
この本を読む前と、読んだ後では伝統を継承する価値に対してどのような変化があったかを述べてみましょう。
アイデアの発表は、感想文の中でもユニークな印象を与えます。例えば・・・私はこの本を読んで、日本にはみそ蔵のように外国人が注目する日本の伝統があることに気づきました。そのため日本に住んでいる利点を生かして、海外相手に何か日本の伝統工芸品などを売るビジネスをしたくなりました。・・など。
「この本をきっかけにして、いろいろなことを本を読んでもっと勉強したいと思えるようになりました。」・・・という締めくくり方もよいでしょう。読書の習慣を身に着けるキッカケになったとする感想文は「教育的効果の表れを感じさせる感想文」です。
・・・これらの中からいくつかを取り上げ「思い出」や「最近の出来事」などと絡めて感想文を書いてみましょう。
学校などの教育機関が与える課題は「教育的成果」を期待してのものです。そのため、教育機関からの課題としての読書感想文を書くにあたっては「どのような学びを得ることができたか」を感じ取れる感想文にすることが大切です。
「ライスボールとみそ蔵と」読書感想文の例【例文】
以下に、読書感想文の例文をご紹介いたします。文字数はまちまちですが「書き方」や「着眼点」の参考にしていただければと思います。小学生ではまだ習っていない漢字も含まれているため、その部分も平仮名に直したあとの文字数で、規定の文字数に合わせてください。
「ライスボールとみそ蔵と」を読んで①
私が「ライスボールとみそ蔵と」を選んだ理由はシンプルで、母が「お前にぴったりの本だよ」と渡してきたからです。最初、みそ作りの家の話なんて面白くないと思いました。しかし、母が薦めるならと思い、読み始めてみました。その結果、物語に引き込まれ、一気に読み終えました。何故なら、主人公ジュンの経験が私の体験と重なり、心に響いたからです。
私の家にも、父が作る手作り豆腐があります。はじめは「豆腐作りの息子」なんて、ちょっと恥ずかしいと思っていました。しかし、学校の友達が家に遊びに来て、父の豆腐を食べて、「美味しい!どうやって作るの?」と興味津々で聞いた時、初めて豆腐作りの魅力を再確認しました。ジュンと同じように、私も自家製豆腐の価値を改めて認識し、それを誇りに思うようになりました。
本書はジュンが自分の家の伝統、みそ作りを誇りに思うまでの成長を描いています。自分の家が持つ伝統を継承することは、簡単なことではありません。しかし、ジュンが自身の伝統を再確認し、それを誇りに思い始める過程を読んで、私も自分の家の豆腐作りに対する誇りを持つことが大切だと感じました。
さらに、この物語を通じて、伝統と新しいアイデアのバランスの大切さも学びました。ジュンの家はみそ作りの伝統を大切にしながら、新しい試みとして観光客をもてなすアイデアを実行します。それは、伝統を尊重しながらも、新しい風を取り入れ、進化していくことの重要さを教えてくれました。
また、本書を母に勧められてから、私は家族にも読んでもらいました。母は私に「みそ蔵のように、家の豆腐作りも見直すと、新しい発見があるかもしれないよ」と言ってくれました。これから私も、父の豆腐作りを見直し、新たなアイデアを出していきたいと思います。
この経験を通じて、本を読むことが新たな視点を提供し、自分の世界を広げる素晴らしいツールだと理解しました。そんな私の体験を踏まえて、この本を読むすべての人に伝えたいことは、「自分の伝統を大切にし、新たな視点を持つことで世界は広がる」ということです。
最後に、本書を読んで思ったことは、私たちは伝統の価値を再認識し、それを誇りに思うことで、新たな可能性を見つけることができるということです。そのため、私はこれからも伝統と新しい視点をバランスよく取り入れ、自分自身を成長させていきたいと思います。また、新たな視点を得るために、さまざまな本を読んでいきたいと思っています。この本をきっかけに、私の読書の旅はこれからも続くでしょう。
「ライスボールとみそ蔵と」を読んで②
この本を選んだ理由は、身近な「みそ汁」が題材だったからです。我が家では毎日のようにみそ汁が食卓に上がりますが、そのみそがどのように作られているのか、詳しく知ることはありませんでした。そんな中、この本を見つけて「みそづくりって一体どういうことなのだろう?」と思い、選びました。
主人公のジュンが最初は自分の家のみそづくりに興味を示さなかったことに、自分自身を重ねてみました。毎日の生活の中で何気なく行っていること、当たり前のように存在しているものについて、深く考える機会はあまりないと感じていました。しかし、この本を通じてジュンがみそづくりに魅せられ、それを自分の仕事として受け入れていく姿を見て、何気ない日常の中にも奥深い価値や面白さがあることに気づかされました。
この物語の中で、特に印象に残ったエピソードは、ジュンが「みそっこ」という呼び名を最初は嫌がっていたのに、最終的にはその呼び名を受け入れ、自身の家業に誇りを持つようになったことです。これはジュンがみそづくりという仕事を本当に理解し、愛するようになった証拠だと思います。この変化は、僕にとっても大きな教訓でした。それは自分の日常や家庭の環境、そしてその中にある何気ない事柄を見つめ直し、大切に思うことの大切さを教えてくれました。
また、この本を読んで感じたのは、みそづくりだけでなく、他の日本の伝統文化にも同じように深い価値があるということです。海外の人たちがみそづくりに興味を持つように、日本の他の伝統文化にも注目すれば、その深さや面白さを見つけ出すことができるはずです。その視点を持つことで、日本の日常の中に新たな発見や驚きがあふれ、生活がより豊かになるのではないかと感じました。
この本を読んで、僕は自分の周りにある「当たり前のもの」に対しても「新たな視点」で見てみることの大切さを学びました。その「新たな視点」とは「もし外国の人だったらどう思うか」という視点です。また、自分が「何かに強く興味を持つこと」は、新たな発見やアイデアにつながり、また自分自身が成長できることを実感しました。
それは、ジュンがいつも当たり前に思えていた家業のみそ蔵について、はじめて真剣に考え始めたことで、いろいろなアイデアがでたエピソードから学んだ部分です。これからは、僕の周りにある一つ一つの「なにげないもの」に対して、興味を持ち、深く理解するための探求を続けていきたいと思います。
また、この本をきっかけに、自分でみそを作ってみたいという、ちょっとした「挑戦の気持ち」も湧き上がりました。それは、この本が僕に与えてくれた新たな興味と挑戦のきっかけでもあり、これからも、その調子で興味を持ったことは積極的に学んでいきたいと思います。この本を通して「興味を持つことの大切さ」を学ぶことができたことは、僕にとってこれからの生活の基礎となる重大な発見だったと思います。
・人は好きな人からの指摘には影響されやすい
・興味をもつとアイデアが出る
・日本の文化に自信が持てるようになれば日本人である自分にも自信がもてるようになる
用紙・字数のルール その他
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校低学年の部(1、2年生) 本文 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 本文1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 本文1,200字以内
中学校の部 本文2,000字以内
高等学校の部 本文2,000字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
応募のルールについての詳細は主催者ページで発表されます。
⇒ 「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
他の課題図書&過去の入賞作品
2023年の小学校中学年(3、4年生)用の課題図書は次の4冊です。
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過去の課題図書の紹介
過去の課題図書も「自由読書」のジャンルとして感想文を提出することができます。そのため、どの本を読もうか迷っている場合「書き方のアドバイス」や「例文」が存在する過去の課題図書の中から本を探してみるのも得策です。
また、長年読み継がれている「名作」の中から感想文を書く本を選ぶのもよいでしょう。こちらも書き方のアドバイスや例文つきです。
名作おすすめ本一覧
書き方の参考用に、過去の入賞作品の紹介ページも作りましたのでご活用ください。
読書感想文の書き方のコツ
(テンプレートつき)